沿線人口の減少やコスト増などで苦しい経営を強いられている第三セクター鉄道。岩手県内を走る三陸鉄道(三鉄)、IGRいわて銀河鉄道の2社では、従来の鉄道の発想を超えた生き残り策に挑んでいる。初回は開業25周年を来年に控え、“地域のレール”の原点を取り戻そうと必死に模索している三陸鉄道の取り組みを紹介する。(中川真) 「5年後の輸送人員は10万人以上減り90万人に」「経常損失は計8億円」「岩手県と沿線市町村負担が13億円超」…。 こうした見通しをもとに三鉄は今月、平成21年度から5年間の経営改善計画案を固めた。20両の保有車両を4両減らし、乗客の少ない昼間の運行本数を間引きするなど、コスト削減を主眼にした厳しい内容だ。 山口和彦社長は「乗客減、ディーゼルカーの燃料代高騰の2つが響き、JR福知山線脱線事故を受けた安全対策の設備投資も大きい」と強調する。 昭和59年、旧国鉄から転換した初の第三セクタ