元禄13(1700)年創業。業歴320年の山形の老舗百貨店、「大沼」が紆余曲折の末に破産を申請した。高度経済成長期は「大沼」の包装紙、紙バッグがステータスで、ピーク時の1993年2月期の売上高は196億6219万円をあげる有力企業だった。 地元で絶対的な地盤を築いた「大沼」だったが、人口減少や建物老朽化への対策に遅れをとった。また、インターネット通販の浸透に加え、交通アクセスの向上で地元顧客が東北の中心地・仙台に流出。さらに、郊外型大型店舗との競争で劣勢となり、業績は悪化をたどった。 人員削減などのリストラに着手しても抜本的な改善策を打てず、2014年2月期の売上高はついに100億円を下回った。2015年2月期以降は赤字が常態化し、経営は危機的状況に陥った。 地域一番店を守るため、地元財界は金融機関主導で「大沼」救済に動いた。金融債務カットを柱に、事業再生を手がける投資会社のマイルストーン