スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさん(手前右)と面会するローマ教皇=バチカンで4月17日、ロイター 23日に来日するフランシスコ・ローマ教皇は2013年の就任以降、地球温暖化による気候変動問題への対策を熱心に訴えてきた。「すべてのいのちを守るため」と題した今回の日本での活動でも、環境保護が主要テーマの一つに位置づけられている。こうした教皇の姿勢の象徴が、15年6月に発表された「回勅」だ。 回勅は教皇が信者向けに発する最も重要な公的文書の一つ。そこで教皇は、気候変動と生態系の破壊が「深刻な結果を招きかねない」と警鐘を鳴らし、国際社会に迅速な取り組みを求めた。環境問題に特化した回勅はキリスト教カトリック教会史上初めてだった。 この年の12月、196カ国・地域が気候変動対策の国際的な枠組み「パリ協定」を採択。教皇による異例のメッセージは、規制のあり方を巡って対立していた先進国と途上