東京電力福島第一原発事故で、比較的高い放射線量が観測された「ホットスポット」が点在する東葛地域。事故から十年近くたっても、放射性物質に汚染された指定廃棄物の処分方法が決まらず、柏市は県内市町村別で最多の千六十四トンを保管し続ける。住民たちは今なお、健康被害の救済や、脱原発を呼び掛ける活動に取り組む。 被ばくによって生じる小児性甲状腺がんの疑いを調べるため、エコー検査をする市民団体「関東子ども健康調査支援基金」は、茨城県守谷市の常総生協に事務局を置く。共同代表を務める木本さゆりさん(51)=松戸市在住=と佐藤登志子さん(49)=我孫子市同=は「子どもたちをどうすれば守れるのか。それが活動の出発点」と振り返る。 事故当時、木本さんは長男が小学校三年生、長女が二歳、佐藤さんは長男が小学校二年生。県内の一部浄水場で乳児の摂取制限の指標値を超える放射性物質が検出されたため、松戸市などで応急給水が行わ