現在も猛威をふるっているCOVID-19(SARS-CoV-2)感染症ですが、実は過去にもヒトコロナウィルスによる世界的パンデミックが起こっていた可能性があります。その一つが1889年から流行して世界中で100万人以上が死亡したと言われている感染症の大流行です。インフルエンザH3N8の流行とされていますが、重症者に認められた神経症状がHCoV-OC43(ベータコロナウィルス属Human coronavirus-OC43の略)の症状に酷似していたのと(HCoV-OC43は神経毒性が強いと言われています)、その後の分子時計の解析でHCoV-OC43がウシコロナウィルスから分岐したのが1890年前後とされてから、このパンデミックはインフルエンザではなく、新型コロナウィルス感染症と言う説が有力となっています。(但し分子時計の解析は塩基変化速度がどの生物でも一定である事が前提です)。この感染症は18