Published 2022/03/17 17:57 (JST) Updated 2022/03/17 18:13 (JST) 東京電力は17日、宮城県と福島県で震度6強を観測した地震の影響で、福島第1原発の処理水などを保管するタンク85基の位置がずれていたと発表した。タンクは基礎部分に固定せず、動くことで転倒や損傷を防ぐ設計という。
東京電力福島第1原発では、汚染水を浄化処理する多核種除去設備(ALPS)で、処理済みの水を移送するホースに亀裂が入り、約2トンの処理水が漏れる事故があった。東電が10日、発表した。 東電によると、漏れたのはALPSで処理後の水を保管タンクに運ぶ前に一時的にためるタンクの敷地。タンク周辺に降った雨水が外部に流れ出ないように設けた囲いの内側で、囲いの外への漏えいはないという。 亀裂があったホースは6月に2回使用。囲い内側にたまった雨水の測定で、処理水と同等のトリチウム濃度が検出された。ホースの梱包材をカッターで切った際、傷つけた可能性がある。ALPSの運転は続いており、汚染水の処理作業に影響は出ていない。
Published 2022/12/16 01:08 (JST) Updated 2022/12/16 11:45 (JST) 東京電力福島第1原発事故を題材とした、劇作家谷賢一さん(40)の新作「家を壊す―他、短編―」は15日、福島県南相馬市の劇場で予定されていた16~19日の全5公演の中止が決まった。主催者と谷さんがそれぞれウェブサイトで発表した。 15日午後には現地で通し稽古が行われた。しかし、劇団員の女性が谷さんのセクシュアルハラスメントを告発する内容の文書をインターネットに投稿していることが判明し、関係者が協議し中止を決断した。 投稿について、谷さんは「彼女の文章は事実無根および悪意のある誇張に満ちており、受け入れられない」などとする反論をホームページに掲載した。
Published 2021/03/02 15:00 (JST) Updated 2021/03/03 15:13 (JST) 今から10年前の2011年3月11日、マグニチュード9の東日本大震災が起き、東京電力福島第1原発が大津波に襲われた。停電となり原子炉の冷却ができず、3基がメルトダウン。大量の放射性物質をまき散らす大惨事となった。絶対安全を掲げて誕生したはずの原発。それは、もろく危うい、「砂の上に立つ城」だった。事故前に大津波を警告する声はあった。だが東電や監督する国が迅速に動くことはなかった。なぜか―。原発と地震の歴史をひもといて〝謎解き〟に挑みたい。(共同通信=鎮目宰司) ▽乏しい知識 太平洋に面する東日本沿岸部は過去に何度も大きな津波に襲われた。平安時代の貞観地震(869年)、江戸時代の慶長三陸地震(1611年)、延宝房総沖地震(1677年)、そして明治三陸地震(1896年)
東京電力福島第1原発事故に伴い、避難した福島県民らが国と東電に損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は17日、国の賠償責任を認めない判決を言い渡した。避難者側は訴訟で「国は東電に規制権限を適切に行使しておらず違法」と訴えたが、判決はこれを認めなかった。 判決は「国が(事故前に)東電に津波対策をとらせていても、東日本大震災の津波の到来に伴い、大量の海水が原発敷地内に浸入することを避けられなかった可能性が高い」と述べた。裁判官4人のうち3人による多数意見。検察官出身の三浦守裁判官は結論に反対した。 今回は4件の訴訟に関する上告審判決で、これを含めて同種訴訟は約30件(原告総数1万2000人以上)起きている。これまでに1、2審で国の責任を肯定する判決が12、否定する判決が11出ており、最高裁による初の統一判断となった。今後の1、2審の判断は、今回示された判例に沿って出
バリケードが張られ、立ち入りが禁止されている国道6号の帰還困難区域の家屋=福島県大熊町で2021年2月16日、車内の助手席で高橋祐貴撮影 「事故後も東電との関係は悪くはないですよ」。東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)に近い、富岡町議のつぶやきは意外だった。事故から間もなく10年を迎えるのを前に、2月16日に同原発や町を訪ねると、事故を起こした東電への不信感は解消されていないと感じる一方で、良好な関係を築かなければ地元経済が回らないという複雑な事情も抱えていることがわかった。 福島第1原発には、大熊町に隣接する富岡町から国道6号を北上して向かった。町内には帰還困難区域(約8・5平方キロ)が残り、約3割の町民は自宅に戻れる見通しが立っていない。途中、同区域を車窓越しに見ると、割れた窓ガラスが散乱したままの自動車販売店や、震災当時と同じ状態で放置された飲食店などが目についた。個人宅の前
福島第1原発で作業員が内部被ばく 「健康に問題なし」―東京電力 2020年02月06日20時07分 東京電力は6日、福島第1原発2号機の原子炉建屋内で、作業員の60代男性が内部被ばくしたと発表した。被ばく量(暫定値)は最大1.18ミリシーベルトで、構内に常駐する医師は「(健康に)問題はない」と判断したという。東電によると、作業員の内部被ばくは2017年9月以来。 男性は2次下請けの作業員で、6日正午すぎから約1時間、建屋2階で設備の点検に用いる工具の片付けに従事。午後3時10分ごろに検査を受けたところ、鼻腔(びこう)内で放射性物質が検出され、除染措置を受けた。 新型コロナ最新情報 台風・大雨・地震情報 前法相夫妻事件
関係閣僚会議で福島第1原発の汚染処理水の海洋放出を正式決定した菅義偉首相(左)。同2人目は梶山弘志経済産業相=首相官邸で2021年4月13日午前8時6分、竹内幹撮影 東京電力福島第1原発の汚染処理水の処分について、政府は13日、放射性物質の濃度を下げた後、海に流す方針を決めた。実際の放出は約2年後の見通し。新たな風評被害が確認されれば、東電が賠償する。さらに、政府・東電は漁業関係者らの意見を聞き、具体的な対策を練ることも確認した。全国漁業協同組合連合会などが反対する姿勢を崩さない中での決定になった。 処理水の処分は、溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出しと並び最大の懸案で、今回の決定は廃炉作業を進める上で大きな転換点になる。
東京電力は28日、2023年度後半に開始予定の福島第1原発2号機の溶融核燃料(デブリ)取り出し用に開発したロボットアームが使えない恐れが出てきたため、より簡易な伸縮式パイプの使用も検討していると発表した。 東電によると、アームを差し込む原子炉格納容器側面の貫通部内には事故時の熱で劣化した樹脂とみられる堆積物などがあり、高圧の水を噴射して取り除く予定だった。しかし貫通部のふたを留めているボルトが強く固着していることが分かり、堆積物も同様に固着している可能性が出てきた。 パイプは過去の調査でも使った実績があり、先端からデブリ採取装置をつり下げる。アームより細いため堆積物を完全に除去できなくてもデブリに届くが、範囲は限定的になる。記者会見した東電廃炉責任者の小野明氏は「手間取るかもしれないが、堆積物は除去できると思う。メインはアームだ」と述べ、アームも活用する考えを示した。 東電は現時点でデブリ
国際的な事故評価の尺度で最悪の「レベル7」とされた東京電力福島第1原発事故。10年がたっても、まだ核燃料の取り出しすら終わっていない。今もなお、廃炉作業は手探りで進められている。【荒木涼子、塚本恒/科学環境部】 米スリーマイル島事故を参考 1~6号機のうち、事故があった1~4号機の廃炉作業は工程表に基づいて進められる。最初に策定されたのは、政府と東電が原発は「冷温停止状態」になったと判断した2011年12月。既存の原発でさえ廃炉の完了まで30~50年間とみられているのに、福島第1では「30~40年後」という目標を掲げた。 建屋のあちこちが放射性物質により汚染された中での溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出しなど、既存の原発の廃炉作業よりハードルが高いのに、なぜ「30~40年」としたのか。政府関係者によると、1979年に米国のスリーマイル島で起きた原発事故を参考にしたという。 この事故でも
東京電力福島第1原発事故で避難した住民らが、国に損害賠償を求めた4訴訟の判決が17日、最高裁第2小法廷でありました。菅野博之裁判長は、国の機関が2002年に公表した地震予測「長期評価」に基づく津波対策を、経済産業相が東電にとらせたとしても、「同様の事故が発生しなかったであろうという関係を認めることはできない」として、国の賠償責任を認めませんでした。原告側弁護団は「受け入れるわけにはいかない」と批判しました。 判決は裁判官4人のうち3人の多数意見。1人の反対意見がつきました。 福島、群馬、千葉、愛媛各県の避難者計約3700人が起こした4訴訟の初の統一判断。 判決はまず、経産相が長期評価による津波対策を義務づけた場合、試算に基づいて防潮堤等を設置する対策がとられた可能性が高いと指摘。他の対策が講じられなければならなかったということはできないとし、建屋への浸水を防ぐ水密化の措置を講じるべきだった
津波被災後の福島第一原発。右側から1号機、2号機(2011年3月24日撮影)東京電力ホールディングスが2020年12月20日に公表 海に面した扉の開放が、原子炉制御中枢への津波直撃を許し、事故を深刻化させた可能性が浮上している。 東日本大震災の発生により、東京電力の福島第1原発に津波が来襲した2011年3月11日午後、海に面した1号機タービン建屋の大物搬入口は、防護扉が開いたままの状態だった。それが原因となって1号機は建屋内に特に大量の海水の浸入を許し、もっとも早く全電源喪失に陥った──。これまで一般には知られていなかったそんな事情が、事故発生5年あまりを経た16年になって東電により把握されていたことが、明らかになった。 津波からの防護にもある程度は効果を発揮したであろう頑健な扉が開いていただけではない。大物搬入口の内側から、原子炉制御の中枢を担うコントロール建屋地下の直流電源までは通路に
核燃料冷却設備が一時停止 電源落ち、煙確認―福島第1原発 時事通信 社会部2024年06月18日20時12分配信 東京電力福島第1原発5号機(左)と6号機(右)=2023年8月、福島県 東京電力は18日、福島第1原発6号機の原子炉建屋で主電源が停止し、使用済み核燃料の冷却設備が停止したと発表した。同日中に安全確認を終え、冷却を再開した。停電発生直後に原子炉建屋内で煙が確認されており、停電との関連を調べている。 建屋周辺「活断層否定できず」 敦賀2号機、議論継続―原子力規制委 東電によると、18日午前8時33分に6号機建屋内の電源が落ち、冷却用の水を送るポンプが停止。約2分後に建屋内の火災報知器が作動し、作業員が煙を確認した。消防隊も出動したが、火災は確認されなかった。 午後6時19分にポンプを再起動し、冷却が再開された。核燃料を保管する燃料プールの水位や温度に異常は確認されていないという。
東京電力福島第1原発の処理水について、政府は22日、首相官邸で関係閣僚会議を開き、24日に海洋放出を始めると正式決定した。岸田文雄首相は会議のあいさつで「具体的な放出時期は気象、海象条件に支障がなければ24日を見込む」と表明した。 首相は「福島第1原発の廃炉を進め、福島の復興を実現するためには、処理水の処分は決して先送りできない課題だ」と強調した。海洋放出に関し、漁業者のための事業継続基金の設置▽風評被害が生じた場合の需要対策基金の創設▽損害が生じた場合の東電による適切な賠償――に言及し「セーフティーネット対策にも万全を期しており、風評の影響に対し責任をもって適切に対応していく」と述べた。 会議に出席した東京電力の小早川智明社長は22日、「風評を起こさないという強い覚悟、責任を果たしていくことが重要だ。私の責任の下、取り組みを実現していきたい」と述べた。首相官邸で記者団に語った。
東京電力は14日、福島、宮城両県で13日夜に起きた地震の揺れで、福島第1原発5、6号機の各原子炉建屋の上部にある使用済み核燃料プールなどから水の一部があふれ出たと明らかにした。建屋外への流出は確認されておらず、外部への影響はないという。第1原発が立地する福島県大熊町と双葉町では震度6弱を観測した。 東電によると、あふれた水が見つかったのは原子炉建屋最上階の5階で、プールからの核燃料取り出し作業などが行われるフロア。5、6号機でそれぞれ4カ所ずつ水たまりがあった。 ほかにも、各原子炉建屋から移した、使用済み核燃料を保管する共用プール建屋でも水があふれたのが確認された。福島第2原発(富岡町、楢葉町)の1号機にある使用済み核燃料プールでも微量の水があふれた。
東京電力は17日、福島第1原発の建屋6カ所で測定した滞留水移送配管の放射線量について、ホームページ(HP)に掲載する際の単位を誤り、2年4カ月にわたって実測値の1000倍の値を公表していたと発表した。データの誤りは約5000カ所に上り、東電は同日までに正しい単位に修正した。 東電は2017(平成29)年2月、6カ所のモニターを取り換え、放射線量の表示単位がそれまでのミリシーベルトから1000分の1のマイクロシーベルトに変わった。だが、公表する単位をミリシーベルトから変更し忘れ、マイクロシーベルトで測定した数字部分を今年5月分までの2年4カ月間、HPに掲載していた。 今月11日に社員が誤りに気付いた。東電によると、毎日6カ所の測定データを調べる当直員は正しい単位で放射線量を把握しており、トラブルがないことをは確認済みという。移送配管のモニターは漏えい検知のために設けられている。
未曽有の大惨事となった東京電力福島第1原発事故は、なぜ防げなかったのか。原発と地震、津波の歴史をたどれば「決められていないことはやらない」「義務でなければ先送りする」という行動を取った関係者が多くいた。最低限の手続きやルールさえ守っていれば文句は言われない―という保身。大組織によく見られるこうした体質はリスク管理とは相いれないものだ。事故の病根は、今も残されている。(共同通信=鎮目宰司) ▽無知と反省 2011年3月12日、東京・霞が関にある経済産業省別館の会議室。かつて担当していた原子力安全・保安院の記者会見に応援で駆けつけた私は「炉心溶融(メルトダウン)」という言葉を聞いて耳を疑った。福島第1原発で、そんなことが起きるとは―。メモを取りながらも頭は働かない。誰かがもう一度「メルトダウンでしょうか?」と念を押すまでの数分間、ただぼうぜんとしていたような気がする。 保安院担当時代に取材した
福島第1原子力発電所の事故で頻発したのが「想定外」という言葉だ。だが、国会の場では5年以上前から、地震や津波で電源が供給できなくなり、最悪の場合は炉心溶融にまでつながるリスクが指摘されていた。 なぜ、事前の警告が生かされないまま、事故に至ってしまったのか。今後、原発は全廃すべきなのか。京都大学工学部原子核工学科の出身で、国会で原発問題を積極的に取り上げてきた日本共産党の吉井英勝衆院議員(近畿比例)に聞いた。 ――東日本大震災は「地震、津波、原発」の「三重災害」だと言われています。そのうち、原発事故は「完全に人災」だと主張しています。その理由を聞かせください。 吉井 地震と津波は自然現象ですが、原発がどうなるかについては、2004年のスマトラ沖地震後の大津波を踏まえて、05~06年頃から、問題意識を持っていました。 制御棒が地震で傷むと全部が中に入りきれない可能性 ――地震と津波が起こったら
東京電力福島第1原発事故から11年半。放射性汚染水を浄化した処理水について、東電は早ければ2023年春にも海への放出を始める予定だ。だが地元の漁業者や海外の不信感は根強く、放出完了までの道のりははるかに遠い。 今夏、処理水を巡る大きな動きがあった。原子力規制委員会が7月22日、処理水を海洋放出する東電の計画を認可したのだ。 それによると、まず技術的に取り除くのが難しいトリチウム以外の63種類の放射性物質の濃度を国の基準値未満に下げる。さらに海水で薄め、トリチウム濃度が基準値の40分の1(1リットル当たり1500ベクレル)未満になるよう調整。沖合約1キロの海底に放出する。 8月2日には立地自治体の福島県と大熊、双葉町が、放出設備の工事開始を事前了解すると東電に伝え、東電は設備を本格着工した。シールドマシンで海底トンネルを掘削し、処理水を移送する配管を敷設している。 だが工期は早くも遅れぎみに
東京電力福島第1原子力発電所。左奥から1、2、3、4号機の原子炉建屋。手前は処理水を保管するタンク=2月14日、福島県上空(時事通信チャーター機より) 東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故が起きてから、間もなく10年。 放射能汚染水の発生量が減るなど進展がある一方、溶け落ちた核燃料(デブリ)取り出しはほぼ手付かずだ。現在の工程表では、廃炉完了まではさらに20~30年かかるとされる。 【図解】東京電力福島第1原発の現状 ◇さまざまな対策 福島第1原発では、デブリを冷やすための注水に加え、地下水や雨水が建屋に流れ込むことで汚染水が日々発生している。2014年5月は1日当たり540トンに上った。 東電は地下水をくみ上げる井戸「サブドレン」を建屋近くに設置したほか、周囲の土壌を凍らせる「凍土遮水壁」といった手段を講じ、20年の汚染水発生量は同140トンに減少した。 作業環境はこの10年で大き
飯田)科学的には安全性に問題はないということであります。 須田)私も今年(2020年)の8月に、福島第1原発の敷地内に入って取材しました。ALPSのなかにも入らせていただきまして。 飯田)ALPS、多核種除去装置というやつですね。いろいろな放射性物質を除去して、トリチウムだけは取り切れないという。 須田)ALPSから出て来た処理水についても、触ることは規則でできないので、ビーカーに入ったものを手に持って実際に匂いや色を確認しました。「これを飲めますか?」と聞いたら「飲めます」と。「飲んでいいですか?」と聞いたら、それは「規則でダメです」と言われて飲むことはできなかったのですが、それぐらいまで、この処理水は浄化されているという状況なのです。 飯田)はい。 須田)重要なことなのですが、トリチウムを含んだ処理水というのは、福島第1原発以外の国内の原発、そして世界の原子力発電所では普通に海洋放出さ
東京電力福島第1原発の廃炉作業を支援する「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」は8日に公表した廃炉戦略プラン(2019年版)の概要で、核燃料が溶けて構造物と混じり合った「燃料デブリ」について、2号機から取り出すのが適切だと明記した。機構は概要でデブリについて、「拙速に対処した場合にはリスクを増加させうるリスク源」だと指摘。その取り出し作業では、多くの困難が待ち受けている。【岩間理紀、荒木涼子、奥山智己】 「数十年にわたる(燃料デブリ取り出しという)プロジェクトの最初の取り組みとして、まずは(2号機から)取りに行く」。原子力損害賠償・廃炉等支援機構の池上三六・執行役員は、プランの概要公表に当たり、こう語った。機構は専門部会で議論を重ねてきたが、2号機の調査が最も進んでいたことが、結論の決め手になった。
「私たち」の問題として処理水の海洋放出を考える : 福島第1原発事故から9年半、やまない風評 社会 環境・自然 経済・ビジネス 医療・健康 食 2020.10.30 2011年3月の福島第1原発の事故から9年半が過ぎた。原発構内には、汚染された水から放射性物質を取り除いた「処理水」が溜まり続けている。このままでは廃炉作業に支障が生じるとして、政府は処理水を海洋放出する方針だが、事故以降、ずっと風評と戦ってきた漁業者にとってはさらなる痛手となりかねない。福島第1原発は長らく首都圏の電力需要を満たしてきた。処理水の海洋放出は、福島県民にとってだけの問題ではなく、電気のユーザーである「私たち」の問題として考えたい。 敷地の限界、処理水を海洋放出へ 福島第1原子力発電所の構内にある建物の非常階段を昇ると、眼下には異様な光景が広がっていた。かつて首都圏の電力需要を支えていた発電所の敷地は、今、タンク
香港の日本領事館前で、福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出に抗議し、岸田文雄首相のパネルに水をかける現地の漁師ら(2023年8月22日撮影)。(c)Peter PARKS / AFP 【8月24日 AFP】東京電力(TEPCO)は24日、福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出を開始した。これを受け中国政府は「極めて利己的で無責任だ」と非難した。 中国外務省は「海洋は全人類の共有財産だ。福島原発汚染水の海洋放出の強行は、国際公益を無視する極めて利己的で無責任な行為」だと反発。日本政府は海洋放出計画の正当性も、処理装置の長期的信頼性も、処理水のデータの真正性と正確性も、海洋放出が海洋環境や人の健康に無害であることも証明できていないと主張した。 その上で、「日本側はリスクを全世界に押し付け、将来世代に痛みを先送りしただけだ」「日本政府は汚染水の海洋放出を既成事実として扱うことで、自らを国際法廷
欧州、脱原発でせめぎ合い 気候変動で再評価も―福島第1原発事故から10年 2021年03月07日07時12分 フランスの原発=2015年4月、中部サンローランヌアン(AFP時事) 【ベルリン時事】東京電力福島第1原発事故は、環境問題に敏感な欧州で原発をめぐる世論に大きな影響を与え、ドイツなどの脱原発につながった。一方で、事故後の10年間で気候変動への警戒が劇的に高まり、発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない原発を再評価する声も増大。欧州は原発の長期的な存続をめぐり、せめぎ合いの状態となっている。 「脱原発」で足並み 小泉、菅元首相 「ここ数年で、原発の環境面の利点が注目され始めた」。スウェーデンの中道右派野党で、原発を支持する穏健党のエネルギー政策広報責任者、ヤルメレット議員はこう話す。電力のうち水力と原発がそれぞれ4割を占める同国は、2040年までに再生エネ電力100%を目指す一方、脱
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