新型コロナウイルスの感染拡大への対応について会談する安倍晋三首相(右、当時)と小池百合子東京都知事=首相官邸で2020年3月26日、川田雅浩撮影 国と地方の対等である関係をゆがめてしまうおそれがある。強い懸念を抱かざるを得ない。 新型コロナウイルス禍を踏まえた行政のあり方について、政府の地方制度調査会が近く答申をまとめる。感染症の流行や災害などの非常事態にあたり、個別法に規定がなくても政府が閣議決定をすれば、自治体に必要な指示ができるよう法整備を求める内容だ。 議論の端緒はコロナの感染拡大当初、政府と東京都の間で休業要請の対象施設の線引きなどであつれきが生じたことだ。集団感染が発生した大型客船の患者の受け入れを巡り、国と自治体の調整も後手に回った。 緊急事態に混乱を避けたい問題意識は理解できる。「国と地方の隙間(すきま)を埋める措置が必要だ」との理屈はもっともに聞こえる。 だが、答申案は看