台風19号が甚大な被害をもたらす中で、台東区の避難所がホームレスの受け入れを拒否したとして炎上している。これに対して「差別だ」、いや「臭いから迷惑だ」と意見の対立が観測される。だがホームレスが忌避される理由は「臭いから」ではない。 例えば、近所の顔見知り程度の人が這々の体で避難所にたどり着き、異臭を放っていたとしたらどうするだろう。洗面所で体を洗えるようタオルや着替えを提供するなど、多くの人が協力を惜しまないはずだ。だが同じ状況でホームレスに手を差し伸べるかといえば疑問が残る。ホームレスはムラの外から来た存在だからだ。 ムラの外といっても観光客や外国人はお客さんであり、不便な思いをさせたとなれば世間体に関わる。だがホームレスは客ではない。このご時世、誰しもホームレスになる可能性はゼロではないが、ホームレスであり続ける人は行政の支援を拒否するなど、社会に復帰する意志がないと見なされる。ムラを