公開中の作品から、文化部映画担当の編集委員がピックアップした「シネマプレビュー」をお届けします。上映予定は予告なく変更される場合があります。最新の上映予定は各映画館にお問い合わせください。 ◇ 「落下の解剖学」 映画「落下の解剖学」© LESFILMSPELLEAS_LESFILMSDEPIERRE人里離れた雪山の山荘で、男が転落死。当初、事故と思われたが不審な点も多く、ベストセラー作家で妻のサンドラ(ザンドラ・ヒュラー)に夫殺しの容疑がかけられる。裁判を通して、仲むつまじいとされた夫婦の間の隠された秘密や噓が暴露されていく。 ヒューマンサスペンス。事故か、自殺か、殺人か。現場に居合わせたのは、視覚障害者の11歳の息子だけ。いつの間にか観客も傍聴者の一人になって裁判の行方を追うとともに、サンドラの言動に翻弄されることになるだろう。 サンドラを演じたヒュラーは、ドイツの演技派俳優で本作で一躍