フランスはベルサイユ出身の4人組、フェニックス(Phoenix)はフランスの現代ポップ音楽史におけるエポックメイキングな存在――そう言っても決して大袈裟ではない。彼らはかつて「ロック不毛の地」とされていたフランスから90年代末に登場し、2009年の名作『Wolfgang Amadeus Phoenix』でアメリカを制覇したことによって、それまでの常識を完全にひっくり返した。彼らの盟友ダフト・パンクがフランスの電子音楽を世界に広めた先駆者であるように、間違いなくフェニックスはロックミュージックのそれに当たるアーティストだ。 そんなフェニックスもアルバムデビューから約四半世紀。バンドのこれまでの道のりや歴史を詳しくは知らないという若いリスナーや、最近の活動は見逃していたという往年のファンも少なくないだろう。そこで今回は、ソニックマニア(8月16日開催)、サマーソニック大阪(8月18日出演)での