(前回のエントリー) 経済指標からみた米国経済と「流動性の罠」 米国の貨幣乗数の低下について 昨日、米国における2009年第1四半期のSNA統計が公表されました。実質経済成長率は、▲1.6%(年率▲6.1%)と3期連続のマイナスとなりましたが、民間最終消費は3期ぶりの増加となりました。今期の経済成長率の低下は、民間国内投資の大幅なマイナスによるものです。輸入も引き続き減少しており、米国の経済成長に占める純輸出の寄与は、2007年頃から継続して大きなものとなっています。 今後は、公的需要の拡大が期待されるので、消費の持ち直しがはっきりしてくれば、景気は、2009年内にも持ち直すことが考えられるでしょう。 しかしながら、純輸出の拡大は、貯蓄率の上昇と裏返しの関係にあります。貯蓄が拡大する中で投資機会が縮小することは、日本型の経済の長期停滞局面にさらに近づくことを意味します。今回の結果では、GD