荷物の撤去を求める警告書を受け取った山田修さん(右)=東京都内で2021年6月18日午前11時30分、木許はるみ撮影 オリンピックのために、住み家にしていた東京・国立競技場の周辺を3度追われた野宿者がいた。閉幕後もかつての居場所はフェンスで囲われたままだ。五輪開催を理由に、各地の野宿者は排除されたり、移動を強いられたりした。「平和の祭典」は生活困窮者の日常を脅かした。【木許はるみ/デジタル報道センター】 57年後、自分が「排除」の対象に 五輪開幕を約1カ月後に控えた6月18日、東京都が管理する国立競技場近くの緑地に都と大会組織委員会の職員4人が訪れた。長年、この緑地で野宿をしている山田修さん(64)は支援者に囲まれて職員を迎えた。 組織委の職員は「ここにフェンスを建てさせていただきます」と告げ、都の職員は「警告」を山田さんに手渡した。そこには「この物件(荷物)は道路管理の支障となっているの