石炭火力発電は、優れた安定供給性と経済性を有するが、温室効果ガスの排出量が多い(MasaoTaira / iStock / Getty Images Plus) 「非効率という線引きで特定の石炭火力発電所を狙い撃ちしている。まるで『魔女狩り』のようだ」。ある電力業界関係者は小誌の取材に対し、こう語気を強めた。 怒りの発端となったのは2020年7月3日、梶山弘志経済産業大臣が、非効率な石炭火力を30年度までに確実にフェードアウトさせるべく、「新たな(・・・)」規制的措置の導入や、早期退出を誘導する仕組みの創設などの検討を開始する旨を表明したことにある。 これには伏線があった。18年に閣議決定された「第5次エネルギー基本計画」における30年度エネルギー需給構造のあるべき電源構成(エネルギーミックス)では、石炭火力の割合を26%程度と定めている。そのため同計画では、石炭火力の発電方式のうち、超臨