愛知県の大村秀章知事に対する解職請求(リコール)運動を巡って、署名を偽造したとして地方自治法違反の罪に問われた名古屋市の広告関連会社元社長、山口彬被告(38)の初公判が5日、名古屋地裁で開かれた。法廷では、検察側によって、署名偽造作業をめぐってリコール運動団体の内部で行われた生々しいやり取りが次々と明らかにされた。その内容を詳報する。 「著名人とのパイプ」と「ビジネスチャンスの拡大」を求めて 起訴状などによれば、山口被告はリコール運動団体の事務局長だった田中孝博被告(60)、次男の雅人被告(29)=共に同罪で起訴=と共謀して昨年10月下旬、佐賀市内でアルバイトを雇って少なくとも計71人分の署名を偽造させた。初公判の罪状認否で、山口被告は事実関係について「違うところはありません」と認めた。一方、田中被告は今年9月24日の初公判で、同様の罪状について認否を留保している。 罪状認否に続いて行われ