政界を揺るがしたリクルート疑獄、西松建設事件、そして今回の五輪汚職。森喜朗元総理はカネがらみの疑惑で司直の手が自らの身に迫るたび、するりとそれをかわしてきた。「サメの脳」ならぬコンピューターばりの危機察知能力は、どのようにして培われたのか。 【写真を見る】2千万円超のメルセデス「マイバッハ」と230坪の豪邸 逮捕された高橋容疑者の「上級国民」生活 *** 森喜朗元総理(85)といえば、「サメの脳みそ」。その能力の低さ故に永田町で付けられた蔑称である。よくもこんなひどい呼び名が定着したものだが、我々はそろそろその認識を改めなければならないかもしれない。サメの脳みそ程度の知恵しか持ち合わせていない人物が、なぜ何度も司直の手から逃れられてきたのか。 目下、森元総理の名前が取り沙汰されているのは、東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件である。東京地検特捜部は受託収賄容疑で大会組織委員会元理事の高橋