「愚妻と言っても愚夫とは言わない」とか「愚妻というのは『愚かな妻』ではなく『愚かな自分の妻』という意味だ」などという話で盛り上がっているので調べてみた。 まず、中国語では「愚〜」は「自称」としてしか使われないようだ。 たとえば「愚兄」は年長者が使う自称で、「愚老」は老人が使う自称、「愚臣」は家臣が使う自称である。 弟が兄を指して「愚兄」、孫が祖父を指して「愚老」、王が家臣を指して「愚臣」などとは呼んだりしない。 「愚妻」や「愚息」という言い方はなさそうだが、もし存在するなら、 「愚妻」は妻自身が己を指して使う言葉となり、「愚息」は息子自身が己を指して使う言葉となるのだろう。 つまり「夫が妻を指して言う愚妻」「親が息子を指して言う愚息」は日本独自の用法ということになる。 本来は自分にしか向かない謙遜の「愚」が、自分以外(身内)に向くような用法が生まれてしまった。 第一の問題は、このねじれにあ

