バイデン米政権がクラスター(集束)弾をウクライナに供与することを決めた。非人道的な兵器の提供は軍事支援の正当性を損ない、大きな禍根も残す。 クラスター弾は親爆弾に数十から数百個の子爆弾が入り、空中で破裂した親爆弾から子爆弾が広範囲にばらまかれる。不発弾が多く紛争終結後も民間人、とりわけ子どもが犠牲になる悲劇を生む。ベトナム戦争、イラク戦争、シリアやイエメンの内戦でも使われた。 非政府組織(NGO)の国際的な連合体「クラスター弾連合」の報告書によると、一九六〇年代半ばから二〇二一年末までの間に、クラスター弾による死傷者は全世界で約二万三千人。うち不発弾による死傷者の方が多く一万八千人余に上る。クラスター弾は無差別殺傷兵器と言ってよい。
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