何回かにわたって「動的参照関係」における整合性に関する問題をとりあげた。とくに、「参照先」が更新された場合に起こり得る不整合について説明した。ただしそれらは「静的参照関係(通常の外部キー制約)」を含め、あくまでも「参照レコードが存在するかどうか」の問題である。 しかし、「参照レコードが存在するかどうか」は多彩な制約の一部でしかない。それ以外にもさまざまな制約があって、それらすべてについて「参照先レコードが更新された場合の不整合問題」がつきまとう。「参照元」におけるバリデーション(制約にもとづく整合性の検証)はこれまでまともに対処されてきたが、何度か書いたように、「参照先」をバリデーションの起点とする不整合問題は見過ごされがちだった。これを、参照元と参照先の双方で対処すべき問題という意味で「バリデーションの双方向性問題」と呼ぶことにしよう。 具体例を見よう。たとえば次のモデルのテーブルCにお