社説 領海幅制限 うその連鎖断ち切る時だ2009年6月24日 いったんうそをつくと、それを隠すために別のうそをつきがちだ。日本外交はそうした「うその連鎖」を断ち切れずにいる。泥沼に陥った国民不在の外交と言うほかない。 政府が津軽、大隅など五つの重要海峡の領海幅を制限してきたのは、米軍の核通過を優先した結果だったことが分かった。 領海幅を定める領海法は1977年に施行され、それまで3カイリとしてきた日本の領海幅を12カイリと定めた。 すると5海峡は核を搭載した米軍艦船が領海通過するのが確実で、非核三原則に抵触する。しかし核持ち込みを容認する日米間の密約がある以上、日本側から通過中止を要求できない。 そこで「当分の間」、5海峡は3カイリに据え置くことにし、対外的には「自由通航促進のため」と取り繕った。密約といううそを隠すのに別のうそを重ねた形だ。 その結果、「当分の間」は32年