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ヘーゲル 思想の検索結果1 - 40 件 / 246件

  • ハミッド・ダバシ「ガザのおかげでヨーロッパ哲学の倫理的破綻が露呈した」|早尾貴紀

    ガザのおかげでヨーロッパ哲学の倫理的破綻が露呈したハミッド・ダバシ(試訳=早尾貴紀) 2024年1月18日 もしイラン、シリア、レバノン、トルコが、ロシアと中国に全面的に支援され、武装し、外交的に保護されながら、テルアビブを現在のガザと同じように、3カ月間昼夜を問わず爆撃し、何万人ものイスラエル人を殺害し、数え切れないほどの負傷者を出し、何百万人もの家を失い、この都市を人が住めない瓦礫の山と化す、そのような意志とその実現手段があったとしたら、と想像してみてほしい。それから、イランとその同盟国が、テルアビブの人口の多い地域、病院、シナゴーグ、学校、大学、図書館、あるいは実際に住民のいるどんな場所であれ、そこを意図的に標的にし、民間人の犠牲者を確実に最大化するということがあり、そしてイランと同盟国が、「イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と彼の戦時内閣を探していただけだ」と世界に言ったとした

      ハミッド・ダバシ「ガザのおかげでヨーロッパ哲学の倫理的破綻が露呈した」|早尾貴紀
    • 10代の頃、私を作った3冊の本|Hajime Yamazaki(山崎元)

      先日、音楽家の坂本龍一さんが亡くなった時に、彼に関連する記事を何本か読んだ。心に引っ掛かった一節が見つかったのは、娘さんでミュージシャンの坂本美雨さんへの朝日新聞のインタビュー記事だった。美雨さんが、若い頃に「一流」を求める父に反発を感じたことがあったというエピソードの中のものだ。親子のやり取りは大半がメールだったという。 美雨さんが言う、 「同じころにもう一通。『僕が今、つくっているものの98%は、10代で吸収したもので成り立っている』と。彼には、私が大事な時期を有意義に使っていないように見えて、不満だったのでしょう。すごく焦りました。私の10代って、あと1年しかない。なんで今言うの!」。 (朝日新聞「【アーカイブ】(おやじのせなか)坂本美雨さん 『一流目指せ』に反発も」。朝日新聞デジタル2023年4月2日。【2008年6月1日朝刊34面】の記事との注釈がある) 「今、つくっているものの

        10代の頃、私を作った3冊の本|Hajime Yamazaki(山崎元)
      • 本好きなら高校生までに読破しておきたい古典100

        哲学・思想プラトン『饗宴』 アリストテレス『詩学』 アウグスティヌス『告白』 レオナルド・ダ・ヴィンチ『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』 マキァベッリ『君主論』 モア『ユートピア』 デカルト『方法序説』 ホッブズ『リヴァイアサン』 パスカル『パンセ』 スピノザ『エチカ』 ルソー『社会契約論』 カント『純粋理性批判』 ヘーゲル『精神現象学』 キルケゴール『死に至る病』 マルクス『資本論』 ニーチェ『道徳の系譜』 ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』 ソシュール『一般言語学講義』 ヴァレリー『精神の危機』 フロイト『快感原則の彼岸』 シュミット『政治神学』 ブルトン『シュルレアリスム宣言』 ハイデッガー『存在と時間』 ガンジー『ガンジー自伝』 ベンヤミン『複製技術時代における芸術作品』 ポランニー『大転換 市場社会の形成と崩壊』 アドルノ&ホルクハイマー『啓蒙の弁証法』 ア

          本好きなら高校生までに読破しておきたい古典100
        • こんな「リベラル」が日本にいてくれたらいいのに/大賀祐樹 - SYNODOS

          「自民党には入れたくないけど、かといって他に入れたい政党は無いなぁ……」 選挙で投票する時、こんな風に感じたことのある人もいるのではないだろうか。自民党の一強状態が続いているとしても、無党派層の数は多い。二〇一九年七月のNHKの世論調査では、自民党の支持率34.9%に対して、「支持なし」の回答は38.3%と上回っている。一方、野党で一番支持を集めた立憲民主党でも5.8%に留まる。安倍内閣を「支持しない」という回答が31%であるのに対して、与党の公明党を除いた野党の支持率の合計は保守寄りとされる日本維新の会を入れても14.1%に過ぎない。 このことから考えられるのは、自民党や安倍内閣を支持する人が多く存在している一方で、自民党や安倍内閣を支持したくないと考えている人も少なからず存在していること、それにも関わらず、自民党や安倍内閣以外に積極的に支持したいと思える政党があると感じる人がかなり少な

            こんな「リベラル」が日本にいてくれたらいいのに/大賀祐樹 - SYNODOS
          • 岩波文庫解説目録(2020年版)の100冊を選んでみた - 山下泰平の趣味の方法

            選んでみました 岩波文庫解説目録(2020年版)から100冊選んでみた。 あくまで2020年版から選んだものなので、岩波文庫のベストなリストではない。あと上下巻やら全6巻みたいなものもあるので、厳密には100冊ではない。 これがなんのためのリストなのかといえば、私が岩波文庫解説目録(2020年版)を眺めてたら面白くなってしまい、気が向いたので100冊選んだものでしかない。既読(含む、岩波文庫以外で読んだもの)だと思われるものから、読んで良かったような記憶があるものを抽出している。 そんなわけで紹介しているものを全部読んだところで、生き方や人生が変わることはない。ただし自分が好きなジャンルくらいは発見できるかもしれない。それに加えて私が日本の近代以降の文化が好きなので、読むと近代以降の日本の文化を理解しやすくなるといった効果はあると思う。 意識したのはつながりで、ここは他のリストと少しだけ違

              岩波文庫解説目録(2020年版)の100冊を選んでみた - 山下泰平の趣味の方法
            • 美学は何の役に立つのか?

              以下の原稿は、もともと2019年10月12-13日、東京の成城大学における第70回美学会全国大会のために用意した講演原稿ですが、台風19号のために中止となったため、2020年1月12日に同じく成城大学において発表させていただいたものです。その後、雑誌『美学』に掲載するという話もあったのですが、字数制限などがあり残念ながら実現しませんでした。美学会の将来ということを意識した内容なので、このまま一般の雑誌原稿としても発表しにくいため、ここで共有したいと考えました。 〈1〉「歴史の終焉」が意味するもの 2010年、中国の北京大学において、第18回国際美学会議が開催されました。その時の大会テーマは「美学の多様性(Diversities of Aesthetics)」というものでした。企画者のひとりであった佐々木健一氏はそこで「美学の哲学的役割(Philosophical Role of Aesth

              • 青木健『ペルシア帝国』(講談社現代新書 2020年)の諸問題|アザラシ

                「ひどいよドクロちゃん。何がひどいって全部ひどい」 (OVA「撲殺天使ドクロちゃん」第2期4話より) この記事ですが、タイトルに掲げました通り、青木健『ペルシア帝国』(講談社現代新書 2020年)を読んでの感想や批評、および古代ギリシア史を学んだ人間からのツッコミです。 『ペルシア帝国』がお手元にあって、なおかつどんな問題点があるかを把握したいという人向きの記事ですので、「面白ければヨシ!」という方にはオススメしません。 また、私の専門分野の都合上、本書全体の4分の1程度、アカイメネス朝に関わる部分のみを批判の対象としています。これ以外の時代・地域の問題点を把握したい方は以下の記事やレヴューが参考になります。 ・春田晴郎先生の連続ツイート https://twitter.com/HarutaSeiro/status/1307841405193080832 ・「青木健著『ペルシア帝国』で確認

                  青木健『ペルシア帝国』(講談社現代新書 2020年)の諸問題|アザラシ
                • 【発売即重版!】サブカルチャーは資本主義批判になり得るか? 『反逆の神話〔新版〕』解説:稲葉振一郎|Hayakawa Books & Magazines(β)

                  反資本主義商品はなぜ儲かるのか? 現代世界のカラクリを哲学×経済学の見地から暴いたジョセフ・ヒース&アンドルー・ポター『反逆の神話〔新版〕「反体制」はカネになる』(栗原百代訳、ハヤカワ・ノンフィクション文庫)。発売1週間で重版が決まり大きな話題を呼んでいます。私たちは本書をどう読むべきか。稲葉振一郎氏(明治学院大学教授)の解説を全文公開します。 『反逆の神話〔新版〕』解説 稲葉振一郎(明治学院大学教授)本書の著者であるジョセフ・ヒースとアンドルー・ポターの言わんとすることは実にシンプルで、本書を読まれた方には一目瞭然であろう──というのは言いすぎかもしれない。しかしわたしには非常に──理屈以前に体感的なレベルで腑に落ちるものであった。ヒースの邦訳書第一弾の『資本主義が嫌いな人のための経済学』(NTT出版)を一読したとき、マルクス主義的な批判理論の位置づけから、正統派の新古典派経済学、そして

                    【発売即重版!】サブカルチャーは資本主義批判になり得るか? 『反逆の神話〔新版〕』解説:稲葉振一郎|Hayakawa Books & Magazines(β)
                  • 06_文系不要論の系譜学──「二つの文化論争」から見えるもの|光文社新書

                    人文学の源流を訪ねて 前回私は、日本学術会議問題という時事的問題から、人文学叩きの問題、そして「役に立つ」学問と教育をめぐる問題を論じた。本連載で一貫して論じてきたところではあるが、そこで明らかになったのは、人文学批判、そして人文学を「役に立たない」学問にカテゴライズして葬り去ろうとする動きの文脈には、新自由主義の緊縮財政があり、また緊縮財政を背景とした大学内部での「政治」(人文学を担う旧教養課程が「狩り場」となったことなど)が存在したことだった。 学問が「役に立つ/役に立たない」こと、そして人文学が役に立たない学問の代表として扱われていることには、確かに現代の新自由主義特有の論理があるだろう。しかし、「役に立つ/立たない」という問題設定と人文学の位置づけは、まったく新しいものとは言えない。ほぼ近代の人文学の始まりから存在してきたのではないだろうか。 今回は、一旦現在の日本から離れて、「文

                      06_文系不要論の系譜学──「二つの文化論争」から見えるもの|光文社新書
                    • 里山ナショナリズムの源流を追う 21世紀環境立国戦略特別部会資料から|GFB

                      更新情報 ・誤字、表記ゆれの修正と、IGESに関する追記を行いました。(2019年12月31日) ・矢原徹一さんのブログ記事での指摘を受け、総合地球環境学研究所のプロジェクト「日本列島における人間ー自然相互関係の歴史的・文化的検討」に関する内容を修正しました。(2020年1月1日) ・矢原徹一さんが『環境史とは何か(シリーズ日本列島の三万五千年史ー人と自然の環境史1)』中の「第5節 西欧的自然観と日本的自然観の違いとその意義」を公開してくださいましたので以下のリンクを追記します。是非ご一読ください。(2020年1月2日) 西欧的自然観と日本的自然観 - 空飛ぶ教授のエコロジー日記  (Y日記)(研究業務用) https://yahara.hatenadiary.org/entry/2020/01/02/210245 本稿の内容は私の独自調査と考察に基づき構成されています。登場する人物につい

                        里山ナショナリズムの源流を追う 21世紀環境立国戦略特別部会資料から|GFB
                      • 【議事録+感想】これからのフェミニズムについて考える白熱討論会に行ってきた|宮本晴樹/八朔ちゃん

                        こんにちは、みやもとa.k.a.八朔です。 昨日は標題の討論会に参加し、出来る限り議事録を取ってきましたので公開いたします。 内容に抜けや誤りがありましたら随時ご指摘いただければと思います。 なお、各人の主張内容をフラットに印象付けるため、議事録内は太字や下線など一切引いておりません。読みづらいかと思いますが、ご了承願います。 概要タイトル「これからのフェミニズムについて考える白熱討論会 石川優実VS青識亜論」 日時:2019年11月16日(土)17:00~19:30(16:30開場) 場所:ベルサール新宿グランド(東京都新宿区西新宿8-17-3) 住友不動産新宿グランドタワー5階 ABC会議室 アジェンダ①自己紹介(17:00~17:05) ②靴と#MeToo、そして#KuTooへ(17:05~17:50) ③表現、差別、ハラスメント(17:50~18:35) ④これからの「フェミニズム

                          【議事録+感想】これからのフェミニズムについて考える白熱討論会に行ってきた|宮本晴樹/八朔ちゃん
                        • レトロンバーガー Order 71:「アイドルマスター」最新作が発売されたから,アイマスに至るゲーム史を振り返ってみようか(1970年代から)編

                          レトロンバーガー Order 71:「アイドルマスター」最新作が発売されたから,アイマスに至るゲーム史を振り返ってみようか(1970年代から)編 編集部:早苗月 ハンバーグ食べ男 アイドルというのは、歌がうまくてかわいくてなどという素材の問題ではないと思う。素材と客との関係性において発生する「状態」のようなものだ。 消しゴム版画家兼コラムニストだったナンシー 関氏は,朝日新聞社(当時)の「週刊朝日」に連載していた“小耳にはさもう”(1996年3月6日付回)で,このように述べました。 近年,アイドルを題材にしたゲームが「溢れかえっている」と形容できるほどに増えていることは,皆さんもご存知の通り。関氏の述べた切り口から考えてみると,今は「ゲームおよびゲームのキャラクターが,プレイヤーとの“関係性”や“状態”を構築できるだけの表現力を獲得することに成功した」時代だと言えるかもしれません。 そんな

                            レトロンバーガー Order 71:「アイドルマスター」最新作が発売されたから,アイマスに至るゲーム史を振り返ってみようか(1970年代から)編
                          • 「新自由主義」や「自己責任論」は実在するか?(読書メモ:『<学問>の取扱説明書』) - 道徳的動物日記

                            改訂第二版〈学問〉の取扱説明書 作者:仲正昌樹 作品社 Amazon 久しぶりに写経っぽい読書メモ。 「新自由主義」という言葉自体にも気をつけなくてはいけません。日本語の「〜主義」、あるいは英語の<〜ism>という言い方はすごく曖昧です。「マルクス主義」とか「ヘーゲル主義」「カント主義」などの個人名が付いている時の「主義」は、その固有名詞と結びついてる特定の思想やイデオロギーに自覚的にコミットしていることを意味するわけですが、「自由主義」とか「社会主義」、あるいは「フェミニズム」になると、その幅がかなり広くなります。むしろ思想傾向とか、基本的な考え方の枠組みくらいのゆるい意味で理解した方がいいかもしれません。「民主主義」だと、そもそも英語にすると、<democracy>で、「主義」「思想」ではなくて、「制度」です。「資本主義 capitalism」も、思想的な意味での「主義」ではありません

                              「新自由主義」や「自己責任論」は実在するか?(読書メモ:『<学問>の取扱説明書』) - 道徳的動物日記
                            • Very Short Introductionの邦訳まとめ - 清く正しく小賢しく

                              オックスフォード大学出版会のVery Short Introductionという有名な入門書シリーズがある。短くて内容も平易なので、まずはこの1冊という感じで推薦されることも多いシリーズだ。 さて、このシリーズは当然ながら邦訳もたくさん出ているのだが、複数の出版社がそれぞれの形で刊行しているため、どれがVery Short Introductionの邦訳なのか分からないという問題がある。 ありがたいことにオックスフォード大学出版会が以下のページに邦訳の一覧をエクセルのファイルで貼ってくれているが、ちょっと見にくい。*1*2 Very Short Introductions - Oxford University Press www.oupjapan.co.jp ということで、このページではVery Short Introductionの邦訳を一覧の形でまとめてみた。無秩序に並べていくのもな

                                Very Short Introductionの邦訳まとめ - 清く正しく小賢しく
                              • 生成AIの本を執筆する者は一切の希望を捨てよ~2023年の生成AIと『生成AIで世界はこう変わる』執筆振り返り~|今井翔太@えるエル(ImAI_Eruel)

                                はじめに 東京大学 松尾研究室でAIの研究をしている今井翔太と申します.最近,『生成AIで世界はこう変わる』という本を出版させていただきました. https://www.amazon.co.jp/dp/B0CM2YJ34N?ref_=cm_sw_r_cp_ud_dp_TRV649GZXZBTAPW2M0XB_1 本記事は,2024年1月7日に発売された生成AIに関する私の著書『生成AIで世界はこう変わる』の執筆(+発売後の動き)の振り返りと,その補強となる2023年(正確にはChatGPT登場の2022年後半〜です)の生成AIの展開に関するものです.実はnoteにおける初の記事になります. AIの一般書の執筆というのは割とレア経験だと思われますので,読者層がイマイチわからない記事な気もしますが,本の性質上,生成AIという分野一般の2023年の展開と連動する部分があり,いくらかは参考になる部

                                  生成AIの本を執筆する者は一切の希望を捨てよ~2023年の生成AIと『生成AIで世界はこう変わる』執筆振り返り~|今井翔太@えるエル(ImAI_Eruel)
                                • 『天気の子』とミレニアル世代のオタクの文化史 - 白樺日誌

                                  ゼロ年代 『天気の子』を観た。 100点満点中の100点満点だった。 が、脚本は酷い。 ヒロインの陽菜が明日、誕生日だとわかる。主人公の帆高がプレゼントを用意する。「ああ、明日、悲劇的なことが起こるのだな」と予想すると、そのとおりになる。酷い。 その粗漏さは冲方丁が「改善案」という形で穏当に指摘している。「拳銃が物語から浮いている。どうしても登場させるなら、その拳銃で天気の龍を撃つなどして活用すべきでは?」。ホントだよ。「手錠が画面の邪魔だ。どうしてもはめるなら、その手錠で帆高と陽菜を繋ぐべきでは?」。ホントだよ。 以下、物語を確認しよう。 家出少年の帆高は、東京をさまよった末、フリーの雑誌記者の須賀に拾われる。この過程でフリーターの陽菜と知りあい、また、拳銃を拾う(酷い)。須賀や、その姪の夏美とともに日常を過ごす。チンピラに絡まれていた陽菜を助ける。陽菜の金に困っていることと、天候を操作

                                    『天気の子』とミレニアル世代のオタクの文化史 - 白樺日誌
                                  • 「反お笑い」の哲学史(後編) - 歴ログ -世界史専門ブログ-

                                    近代哲学の中の「反お笑い」 古代から近代までの哲学の中における「反お笑い論」をまとめています。 前編では古代の反お笑いの創始者プラトンからプロテスタントの反お笑い論までまとめています。まだご覧になっていない方はこちらをどうぞ。 後編は近代哲学編です。 5. ホッブズ「笑いは突然の得意」 近代社会哲学の基礎を築いたトーマス・ホッブズも笑いを否定した人物です。 ホッブズといえば、国家のあり方が論じられた1651年の著作「リヴァイアサン」が有名ですが、この本の中で笑いが否定的に論じられています。 ホッブズにとって国家とは国民を素材とする巨大な人造人間であるため、国家の構造を理解するためにはまず人間そのものを理解する必要があると考えました。 リヴァイアサンではまずは演繹法により人間論が展開されます。人間性に関する一般的なカテゴリをまずは定義し、その部分的な下位カテゴリとそれとの関連を定義、そしてさ

                                      「反お笑い」の哲学史(後編) - 歴ログ -世界史専門ブログ-
                                    • 「論文を書く力」は、一生もののスキルです!――対談:山内志朗×戸田山和久(後編)|本がひらく

                                      論文対談もいよいよ佳境に入ります。論文のテーマ設定、社会の出ても役に立つ卒論執筆の効用……大学新入生のみなさんから、社会人、年輩の方まで、幅広い層に必ず役に立つ「知の羅針盤」。熱いメッセージに、ぜひ耳を傾けてみてください。 *対談の前編はこちらです。文章指南のコツ山内 『論文の教室』には、学生さんの反応とかを見ながら書いたところはありますか。 戸田山 僕の場合、原稿を見てもらって「どう?」というのは、ちょっと怖くて(笑)。でも、内容には学生さんたちの過去のさまざまな言動を取り入れています。たとえば、巻末におまけとして入れた「禁句集」。一時期、学生さんから提出してもらった文章を添削するというサービスをやっていました。そうすると学生さんの書く文章のクセというのがだんだんわかってきた。そこで、「こうした表現を避けるだけで文章がうまく見える」という禁句集を作ったんですね。 山内 赤ペン先生をやって

                                        「論文を書く力」は、一生もののスキルです!――対談:山内志朗×戸田山和久(後編)|本がひらく
                                      • 「分析哲学」の使命は”論理の明晰化”にあり – 『フィルカル』編集長・長田怜氏

                                        分析哲学という分野をご存知だろうか。アメリカやイギリスなどの英米圏では、哲学といえば分析哲学のことを指すほどメジャーな分野になっている。日本でも研究が盛んに行われており、3年前には若い世代の研究者が中心となり「分析哲学と文化をつなぐ」をコンセプトとした『フィルカル』という雑誌も創刊された。編集長を務める長田怜氏に、分析哲学とは一般的に思い浮かべる哲学とはどのように違うのか、『フィルカル』とはどのような雑誌なのか、お話を伺った。 分析哲学ってどんな学問? ——まずはじめに分析哲学とはどんな分野か、他の哲学との違いについて教えてください。 おそらく、日本人が思い描く哲学者のイメージというのはドイツやフランスの「大陸哲学」の哲学者だと思います。ハイデガーやデリダなどの大家の哲学者がたくさんいて、彼らが主張していることを丹念に読み解くのが哲学であるというイメージを抱いている方は多いのではないでしょ

                                          「分析哲学」の使命は”論理の明晰化”にあり – 『フィルカル』編集長・長田怜氏
                                        • 『鬼滅の刃』鼎談企画 文学・思想編(長谷川晴生×藤崎剛人×髙橋優):文化の旅へ急がず焦らず参ろうか|髙橋優

                                          (2024年2月18日追記) 本記事の剽窃が発覚しました。詳細はこちらの記事をご参照ください。 はじめに 前回鼎談(歴史編)に引き続き、ゲストを入れ替えて『鬼滅の刃』に関するオンライン鼎談を実施した。今回は「文学・思想編」と題して、文学・思想研究者の二人をお招きした。前回鼎談のテーゼを踏まえつつも、また別の着眼点から議論を尽くすことで、『鬼滅の刃』をさらに立体的に把握することが可能となった。私としても、切り口一つで作品の風景を一変させられる批評という営みの豊かさを再認識することができ、大いに刺激を受けたところである。以下では、歴史研究とはひと味もふた味も違う文学・思想研究の奥深さ、その一端が読者諸賢の眼前に広がることだろう。 参加者(敬称略) 長谷川晴生(はせがわ・はるお) 最近は「ヨーロッパの右翼に詳しい人」という扱いを受けているものの、本人としてはドイツの文学と思想を学んでいるつもり。

                                            『鬼滅の刃』鼎談企画 文学・思想編(長谷川晴生×藤崎剛人×髙橋優):文化の旅へ急がず焦らず参ろうか|髙橋優
                                          • 【憲法学の散歩道/長谷部恭男】 第38回 ソクラテスの問答法について - けいそうビブリオフィル

                                            筆者はいわゆるロースクールに所属している。法曹養成を任務とするロースクールでは、ソクラティック・メソッドと呼ばれる問答を通じた教育が推奨されている。アメリカのロースクールでは、そうした教育方法がとられているらしいので*1、それを輸入しようということのようである。 ロースクールで行われるはずのソクラティック・メソッドが、ソクラテスが行ったと伝えられる問答法(dialectic)とどのような関係にあるかは、判然としないところがある。ロースクールの教員のすべて(あるいは大部分)が、ソクラテスの問答を描いたプラトンの著作の熱心な読者かと問われると、はなはだ心許ない。 とはいえ、ソクラティック・メソッドを標榜する以上、ソクラテスの問答法との関係について、全く無関心というわけにはいかないであろう。プラトンの描くソクラテスは、たしかに問答を通じて「徳とは何か」「知とは何か」等の深遠な問題を探究しているよ

                                              【憲法学の散歩道/長谷部恭男】 第38回 ソクラテスの問答法について - けいそうビブリオフィル
                                            • 労働から逃避したところで幸せになれるの?(読書メモ:『隠された奴隷制』) - 道徳的動物日記

                                              隠された奴隷制 (集英社新書) 作者:植村邦彦 発売日: 2019/08/23 メディア: Kindle版 本のタイトルはマルクスの『資本論』に出てくるキーワードであり、この本の内容もマルクス主義的なものだ。 第一章〜第三章では、ロックやモンテスキューからはじまってアダム・スミスやヴォルテールやヘーゲルなどの哲学者たちが「奴隷制(黒人奴隷制)」についてどんなことを言っていたか、というあらましが紹介される。そして、第四章では、マルクスの書いた「隠された奴隷制」とは何を意味していたのか、という詳細が明らかにされる。 第五章や第六章では現代社会の労働や資本主義について話が移る。この本の結論としては、一見すると自由で自発的に生きている現代の賃労働者たちが働く環境も、けっきょくは「隠された奴隷制」であるに過ぎない、というものだ。 個人的な感想としては、第四章までには思想史的な面白さがあった一方で、第

                                              • アニメ『けいおん』を全部見終えて: 極東ブログ

                                                人は知らず、呪いの言葉を抱えて生きていることがある。私のその一つは、「第三発目の原子爆弾はまた日本の上に落ちると思います」という言葉だ。 エッセイ集『思索と経験をめぐって』の『木々は光を浴びて』の最後に、次の文脈に続いて唐突に現れる。 どういう話のきっかけだったか忘れたが、というのはその時かの女が言ったことばに衝撃をうけて、何の話の中でそうなったのかよく記憶していない。かの女は急に頭をあげて、殆ど一人言のように言った。 場所は国際基督教大学。森は1969年から同大の教授であった。時代は1970年代に至るあの空気のなかにあった。「かの女」というのは、当時の若いフランス人である。 森はこう続ける。 とっさのことで私はすぐには何も答えなかったが、しばらくしても私はその言葉を否定することが出来なかった。それは私自身第三発目が日本へ落ちるだろうと信じていたからではない。ただ私は、このうら若い外人の女

                                                • 「教養」とは何か

                                                  ■教養を身に付けられる本を教えて欲しい。 anond:20220720124155 この問いに答えるには先に「『教養』とは何か」ということをクリアにしないといけないと思うが、これを抽象的に論じ始めると喧々諤々の議論となって、増田の「本を教えて」という望みにたどり着かない。 (ブクマやトラバがもうそんな状態になりつつある) しかし、日本の「教養人」と言われる人/自称している人たちの中で「教養」の範囲は割と共通していて、だいたい以下のラインナップに自分の専門や好みを付け加えたものになるのではないかと思う。 ほぼ全員が「教養」と認めるであろう分野(1) キリスト教 これはもう間違いない。およそ西洋で発展した学問は深掘りすればすぐにキリスト教にぶち当たる。 ただ日本でキリスト教について知識を身に付けようとしてもなかなか良い本が無いのが現状。(その辺で売ってる入門書は表面をなぞってるものばっかりなの

                                                    「教養」とは何か
                                                  • ちくま学芸文庫刊行書目一覧 最新版|かるめら

                                                    2024年2月29日時点での既刊のちくま学芸文庫全2,036点(セット版を除く)をあげた。 文庫の整理番号順に従って表記(一部変更あり)した。 「♾️」マークはMath&Scienceシリーズ(青背)を示す。 人名表記の揺れ(例「シモーヌ・ヴェイユ」と「シモーヌ・ヴェーユ」)は訳者に従い、統一はせずそのままにした。 編者、訳者は一部を除き割愛し、編著者が3人以上に及ぶ場合は代表者1人の名前のみ記した。 Math&Scienceシリーズのみの刊行書目一覧はこちら。 浅田彰『ヘルメスの音楽』 赤坂憲雄『異人論序説』 赤坂憲雄『王と天皇』 赤坂憲雄『排除の現象学』 赤坂憲雄『遠野/物語考』 赤坂憲雄『象徴天皇という物語』 赤坂憲雄『柳田国男を読む』 天沢退二郎『宮沢賢治の彼方へ』 飛鳥井雅道『明治大帝』 E・アウエルバッハ『ミメーシス[上] ヨーロッパ文学における現実描写』 E・アウエルバッハ『

                                                      ちくま学芸文庫刊行書目一覧 最新版|かるめら
                                                    • デカルトによる認識の転換によって生まれた近代的自我としての認識者 〜神から人間への理性の使い方の変化【デカルト『方法序説』】 - 日々是〆〆吟味

                                                      デカルトによる認識の転換 〜神から人間へ 良識(理性)は万人に与えられている 神によって与えられるかしこさ 頭の良し悪しは頭の使い方の上手下手である 神から人間へと移った認識の根拠 気になったら読んで欲しい本 【デカルト『方法序説』】 【新版 哲学・論理用語辞典】 デカルトによる認識の転換 〜神から人間へ 良識(理性)は万人に与えられている デカルトといえば『方法序説』なのですが、この『方法序説』の冒頭には面白いことが書いてあります。曰く、良識は万人に与えられている。この良識とはなんじゃらほい、と注を見てみますと、理性と同じ、と書いてあります。では理性とはなんぞや、といいますと、普通本能に対してそれを抑えるもの、と理解されているかもしれませんが、実は違っていて、理性とは西洋哲学の文脈の中では自分で考える能力のことを指します(簡単に説明すればですけどね。詳しくはいい辞書載せておきますからそち

                                                        デカルトによる認識の転換によって生まれた近代的自我としての認識者 〜神から人間への理性の使い方の変化【デカルト『方法序説』】 - 日々是〆〆吟味
                                                      • 第1回 「ダーウィニアン・レフト」再訪

                                                        いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る「逆張り思想」の読書案内。 1999年に出版されたA Darwinian Leftは、英語版の原著が70ページ、2003年に出版された邦訳である『現実的な左翼に進化する』でも本文が100ページほどしかない、薄くて小さな本だ。出版当時はともかく、それから20年経った現代では、あまり振り返られることがないような本である。 しかし、この本で提唱されている「ダーウィニアン・レフト」という考え

                                                          第1回 「ダーウィニアン・レフト」再訪
                                                        • 【最難解名著リスト】おすすめの教養となる本(哲学書)の古典的名著30冊。古典とは何かを知り教養を身につけるおすすめの難しい本  - 日々是〆〆吟味

                                                          初心者向けのリストは以前に書いたものがこちらにあります。最初に哲学書を読もうと思われたら下記のリストのほうがいいかもしれません。 waka-rukana.hatenadiary.com 最難解な哲学書 30冊 選ぶ基準 1.歴史的評価の高いもの 2.分厚いものや巻数の多いもの 3.翻訳も難しいとされているもの 4.西洋哲学の範囲内のもの 5.哲学以外の本も若干含まれる 古代 8選 『ソクラテス以前哲学者断片集』 プラトン『国家』 アリストテレス『形而上学』 プリニウス『博物誌』 『初期ストア派断片集』 セクストス・エンペイリコス『学者たちへの論駁』 プロティノス『エネアデス』 『ナグ・ハマディ文書』 中世 4選 『中世思想原典集成』 アウグスティヌス『神の国』 トマス・アクィナス『神学大全』 オッカム『『大論理学』注解』 近世/近代 10選 ヤコブ・ベーメ『黎明』 カルヴァン『キリスト教綱

                                                            【最難解名著リスト】おすすめの教養となる本(哲学書)の古典的名著30冊。古典とは何かを知り教養を身につけるおすすめの難しい本  - 日々是〆〆吟味
                                                          • そろそろ吉本隆明のことを書いておくか(1)大衆と思想 - ラブラドールレトリバー撫でたい

                                                            7月のNHKの100分de名著が『共同幻想論』だったらしいです。 www.nhk.or.jp 安藤礼二『吉本隆明: 思想家にとって戦争とは何か』のような選書も出ていますが、吉本隆明の入門書と言っていい本がちょくちょく出ています。最近のアメリカでもリバタリアニズムが復権しつつあるらしいので、なんとなくそういう空気になりつつあるのかもしれません。 100分de名著のテキストを見ると、担当の先崎先生は1975年生まれで、吉本を読んだのは1990年代みたいです。これは個人的にシンパシーがあります。なぜなら私も後追いだからです。私は1987年生まれでおそらく吉本の読者としてはかなり珍しい世代に入ると思います。 吉本隆明は1960年代の全共闘世代のカリスマとしてのイメージが強く、後年語られるときも「あの時代はすごかった」的な、ほぼ過去の人という扱われ方が大半だったような気がします。思想的なバックボーン

                                                              そろそろ吉本隆明のことを書いておくか(1)大衆と思想 - ラブラドールレトリバー撫でたい
                                                            • 大半の人が嫌がる「PTAの悪習」はなぜ改革できない?日本の議論が「無意味な罵り合い」に終わるワケ 倉本圭造×岡田憲治対談|FINDERS

                                                              CULTURE | 2023/06/21 大半の人が嫌がる「PTAの悪習」はなぜ改革できない?日本の議論が「無意味な罵り合い」に終わるワケ 倉本圭造×岡田憲治対談 連載「あたらしい意識高い系をはじめよう」特別編 文・構成・写真:神保勇揮(FINDERS編集部) 岡田憲治氏(写真左)、倉本圭造氏(写真右) FINDERSで連載「あたらしい意識高い系をはじめよう」を執筆する経営コンサルタントの倉本圭造氏と、異色のPTA体験記『政治学者、PTA会長になる』が大きな話題を呼んだ政治学者の岡田憲治氏の対談をお届けする。 両者の共通点は、2012年に第二次安倍政権が誕生してから10年以上、社会のさまざまな場所で続くバトルに関して、特に左派サイドに「理念に共感するところはあっても、その方法論を続けて勝てるのか」と警鐘を鳴らしていることだ。 だが今回の対談では、自民がどうだ立憲がどうだといった「政治の話」

                                                                大半の人が嫌がる「PTAの悪習」はなぜ改革できない?日本の議論が「無意味な罵り合い」に終わるワケ 倉本圭造×岡田憲治対談|FINDERS
                                                              • ロシアに消された文字 「G」とウクライナ独立の300年 | NHK

                                                                その時代、「G」は粛清の憂き目にありました。 英語の「G」にあたる、ウクライナ語のアルファベット「Ґ(ゲー)」。 この文字が一時期、公的に消されたのです。 一体なぜ?その後、何が起きたのか? そこにはロシアからの独立を目指した、ウクライナの長い、長い歴史がありました。 (国際部記者 吉元明訓、ネットワーク報道部記者 杉本宙矢) ロシアとの戦いは”独立運動”? ロシアがウクライナに軍事侵攻を始めてからまもなく11ヶ月。今なお、激しい戦闘が続いています。 ロシアのプーチン大統領は当初、“ウクライナ東部のロシア系住民の保護”を大義名分に掲げ、その後“祖国防衛のための戦い”に切り替えたと指摘されます。 一方で、ウクライナ側にとってこの戦いはどんな意味があるのでしょうか? 「現在のウクライナのロシアとの戦争は、”独立運動“と言えると思います」 こう指摘するのは、ウクライナ史が専門で東京大学の中井和夫

                                                                  ロシアに消された文字 「G」とウクライナ独立の300年 | NHK
                                                                • 哲学書・古典的名著のおすすめ6選+α。初心者や中学生からも読めるかもしれない、難解で難しいかもしれないけど面白い、最初に読むべき哲学の古典的名著たち【短い・やさしい・わかりやすい・読みやすい】 - 日々是〆〆吟味

                                                                  哲学書のおすすめ より難しい、最も難しいだろうと思われる哲学書はについて並べたものも書いてみました。初心者向けではものたりなかったり、他の哲学書の古典を知りたい方はご覧になってみてください。 waka-rukana.hatenadiary.com ちなみに科学の古典について書いたものもあります。よろしければご覧ください。 waka-rukana.hatenadiary.com 哲学書のおすすめ はじめに 〜哲学書とはどういうものだろう〜 おすすめの方針 4つの基準 1.短い本であること。 2.拾い読み出来るもの。 3.哲学史に残っている古典的書物であること。 4.手軽に手に入るもの。 初めて読むのにおすすめする短い哲学書3選 1.プラトン『ソクラテスの弁明』 2.デカルト『方法序説』 3.ナーガルージュナ『中論』 初めて読むのにおすすめする拾い読み出来る哲学書3選 1.マルクス・アウレーリ

                                                                    哲学書・古典的名著のおすすめ6選+α。初心者や中学生からも読めるかもしれない、難解で難しいかもしれないけど面白い、最初に読むべき哲学の古典的名著たち【短い・やさしい・わかりやすい・読みやすい】 - 日々是〆〆吟味
                                                                  • 情報が多い現代社会のメディア状況により専門性の欠如した伝播情報=デマがあふれ加速される空気を読む現象 〜短く軽い制限と記号的差異化に戯れるポストモダンによって転倒される意味と表現 - 日々是〆〆吟味

                                                                    空気を読むこととメディア 伝播性と専門性 長大な情報源と簡潔な説明 短い表現と記号的差異化 共同体と想像的世界 気になったら読んで欲しい本 丸山眞男『現代政治の思想と行動』 丸山眞男『超国家主義の論理と心理』 島田紳助『自己プロデュース力』 ヘーゲル『法の哲学』 ボードリヤール『消費社会の神話と構造』 ボードリヤール『象徴交換と死』 柄谷行人『批評とポストモダン』 浅田彰『「歴史の終わり」を超えて』 カプフェレ『うわさ』 デュルケーム『宗教生活の原初形態』 前回までのお話 https://www.waka-rukana.com/entry/2019/11/25/190035 https://www.waka-rukana.com/entry/2019/11/26/190017 https://www.waka-rukana.com/entry/2019/11/27/190039 https

                                                                      情報が多い現代社会のメディア状況により専門性の欠如した伝播情報=デマがあふれ加速される空気を読む現象 〜短く軽い制限と記号的差異化に戯れるポストモダンによって転倒される意味と表現 - 日々是〆〆吟味
                                                                    • 【ユダヤ教とは何かわかりやすく】普遍性のある世界宗教の前段階としての民族宗教:ユダヤ教の場合 ~多神教と異なる特異な一神教を生んだ時代の敗北者としてのユダヤ人 - 日々是〆〆吟味

                                                                      普遍性の前の民族宗教:ユダヤ教の場合 〜いじめられっこのユダヤ人 普遍性としての世界宗教 共同体的な民族宗教 ユダヤ教徒特異な一神教 敗北者としてのユダヤ人 概念内における絶対勝者としての唯一神 唯一神という世界史上稀有な概念 気になったら読んで欲しい本 【橋爪大三郎,大澤真幸『ふしぎなキリスト教』】 【ウェーバー『古代ユダヤ教』】 【柄谷行人『探究2』】 【呉茂一『ギリシア神話』】 普遍性の前の民族宗教:ユダヤ教の場合 〜いじめられっこのユダヤ人 普遍性としての世界宗教 ただ、普遍的な思想とみなされるものは、やはりそれ相応の理由がある、とも考えられます。柄谷行人が世界宗教を普遍的とみなしていましたが、それは他の民族宗教と比較してそう考えられるわけです。 共同体的な民族宗教 では民族宗教というものがどのようなものか、といえば、どうも自分たちを説明し正当化(もしくは正統化かな)するもののよう

                                                                        【ユダヤ教とは何かわかりやすく】普遍性のある世界宗教の前段階としての民族宗教:ユダヤ教の場合 ~多神教と異なる特異な一神教を生んだ時代の敗北者としてのユダヤ人 - 日々是〆〆吟味
                                                                      • 日本特殊論(日本は変な国で日本人は変)の歴史的背景としての中心と周縁の思想的自覚の差 〜自己中心的思考とは思想的中心であれば普遍的とみなされ、周縁であれば特殊的とみなされる - 日々是〆〆吟味

                                                                        日本特殊論とその背景 〜中心たるヨーロッパと周縁たる日本の自覚の差 近代化の原点としてのヨーロッパ 〜世界に行き渡るヨーロッパ的価値観 ヨーロッパが自らを語ること=普遍性の自覚 日本が自らを語ること=普遍性ではない特殊性の自覚 非ヨーロッパ圏という桎梏 自らを語ること 〜普遍的であれ特殊的であれ、自らのみを考えている 特殊的自己中心主義の超克 〜理念、他者、多文化/多民族 気になったら読んで欲しい本 ヘーゲル『歴史哲学講義』 ヴァレリー『精神の危機』 木田元『反哲学史』 柄谷行人『隠喩としての建築』 サイード『オリエンタリズム』 吉本隆明『共同幻想論』 丸山眞男『現代政治の思想と行動』 丸山眞男『超国家主義の論理と心理』 ウェーバー『職業としての学問』 柄谷行人『探究』 吉本隆明,糸井重里『悪人正機』 次回のお話 前回までのお話 https://www.waka-rukana.com/en

                                                                          日本特殊論(日本は変な国で日本人は変)の歴史的背景としての中心と周縁の思想的自覚の差 〜自己中心的思考とは思想的中心であれば普遍的とみなされ、周縁であれば特殊的とみなされる - 日々是〆〆吟味
                                                                        • 世界四大文明の特徴としてのユーラシア大陸 ~連綿と続く古代文明の影響とその揺籃地としてのユーラシア大陸 - 日々是〆〆吟味

                                                                          偉大なものとユーラシア大陸 〜地理上の問題じゃ仕方ないよね 大陸と文明 古代文明圏の偉大な達成と、その土台 偉大な思想がうまれるための、膨大な蓄積 世界史の舞台としてのユーラシア大陸 気になったら読んで欲しい本 【論語】 【手塚治虫『ブッダ』】 【廣川洋一『ソクラテス以前の哲学者』】 【ソクラテス以前哲学者断片集】 【聖書】 偉大なものとユーラシア大陸 〜地理上の問題じゃ仕方ないよね なんだか最近陰気なお話になってしまいがちです。日本の行く末、なんて、憂国の士みたいなことを書いたって仕方ありません。日本の文化について書いてみたはずなのですが、すぐに横道にそれてしまいますね。ろくに知らないのに書くからこうなるのでしょうね。 大陸と文明 日本がヨーロッパや中国と比べて偉大なものがないのは当たり前なのですが、というのも文明の揺籃の地であるのはすべて大陸で、日本のような島国では立地条件から無理があ

                                                                            世界四大文明の特徴としてのユーラシア大陸 ~連綿と続く古代文明の影響とその揺籃地としてのユーラシア大陸 - 日々是〆〆吟味
                                                                          • ララビアータ:マルクス主義 - livedoor Blog(ブログ)

                                                                            マルクス主義について、論争史的に論じてみることにする。わが国では、マルクス主義の理論的研究の歴史が厚いにもかかわらず、冷戦終結以後ほとんど顧みられなくなっているという現実がある。一般にこれは、我が国の思想史一般に言える傾向であり、次々になりゆく勢いにつれて流行を追うあまり、伝統とか正統というものが形成されず、以前に論じられた論争も結論も見ずにただ忘却されてしまうことになる。せっかく江戸時代に議論されてきた儒教の伝統が、明治になってほとんど顧みられなくなったようなものである。今日、マルクス主義が再び脚光を浴びつつあるが、そこでも以前に論争の的になった問題圏が忘却されているように見えるので、あらためて論争史的に議論してみたい。 順不同でこれまで論じられたことのある問題を列挙してみよう。 1) 何故「社会主義革命」が、マルクスの予言したように先進諸国で起こらず、後進地域においてのみ成功したのか?

                                                                            • 指導者の条件や意味とは関係なく、自分に似た人であるがゆえに選ばれる大衆の代表としての指導者 ~選ばれた少数者(貴族/エリート)としてではなく大衆のまま自らに多くを課さない問題ある指導者【オルテガ『大衆の反逆』 】 - 日々是〆〆吟味

                                                                              大衆と選ばれる者 〜私たち、という理由で選ばれる自らに多くを課さない指導者 選ばれた少数者 〜貴族・エリート 私たち、という大衆 自らに自閉する大衆の思想 選ばれた大衆人 〜自らに多くを課さない指導者 気になったら読んで欲しい本 オルテガ『大衆の反逆』 カント『純粋理性批判』 ニュートン『プリンキピア』 吉本隆明・糸井重里『悪人正機』 前回のお話 Loading... 大衆と選ばれる者 〜私たち、という理由で選ばれる自らに多くを課さない指導者 選ばれた少数者 〜貴族・エリート オルテガのいう選ばれた少数者というのは、翻訳にもよりますが貴族とかエリートとか呼ばれます。しかしそれが制度的な階級の中で貴族やエリートである必要はないわけですね。自ら進んで要求を課し困難へ向かうような人のことを指しているわけです。さんまは別に偉い学校出たわけでもありませんし、じゃあNSCで首席ならエリートなのかといえ

                                                                                指導者の条件や意味とは関係なく、自分に似た人であるがゆえに選ばれる大衆の代表としての指導者 ~選ばれた少数者(貴族/エリート)としてではなく大衆のまま自らに多くを課さない問題ある指導者【オルテガ『大衆の反逆』 】 - 日々是〆〆吟味
                                                                              • 三井寿が湘北バスケ部を襲撃したわけと「理由なきテロル」の闇。 - Something Orange

                                                                                0.はじめに。 1.「殺すべきか、死ぬべきか、それが問題だ」。 2.『実存的貧困とはなにか』と「黒子のバスケ脅迫事件」。 3.ポストモダンの萌芽。 4.イワン・カラマーゾフとしての渡邊博史。 5.なぜ三井寿は湘北高校バスケ部を襲撃したのか。 6.自分から自分への距離は遠い。 7.「心の闇」のなかの光。 【配信サイト】 【お願い】 0.はじめに。 この記事の姉妹記事で「男性編」です。 ジョーカーのような「ダークヒーロー」をめざす犯罪者たちの「心の闇」とはなにか。その秘密をさぐろう。 ジョーカー [Blu-ray] ホアキン・フェニックス Amazon 1.「殺すべきか、死ぬべきか、それが問題だ」。 かつて、かの天才劇作家シェイクスピアが生み出した復讐の王子ハムレットは極限の苦悩に際して呟いた。 「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。(To be or Not to be, that is

                                                                                  三井寿が湘北バスケ部を襲撃したわけと「理由なきテロル」の闇。 - Something Orange
                                                                                • アクションとポイエーシス | アクションとポイエーシス | 東浩紀 | 連載 | 考える人 | 新潮社

                                                                                  SNSの時代において、批評家の役割とはなにか? 2019年、著者をもっとも悩ませた問題について、理論的な次元から初めて総括がなされます。真の政治性を追求するための態度表明として書かれた原稿を特別公開!(「新潮」2月号掲載の特集「あいちトリエンナーレ・その後」も、是非あわせてお読みください) 1 二〇世紀を代表する哲学者のひとり、ハンナ・アーレントは、『人間の条件』という有名な著作で、人間の行いを「活動」と「仕事」と「労働」という三つの領域にわけることを提案している。 そこで「活動」とは言語的な表現やコミュニケーションを、「仕事」とは職人的なものづくりを、そして「労働」とは肉体をもちいた賃労働を意味している。活動、仕事、労働という表現は日本語の定訳に拠っているが、英語の原文ではそれぞれ「アクション」「ワーク」「レイバー」となっている。アクションは、「行動」と訳せばわかるように、アーレントにお

                                                                                    アクションとポイエーシス | アクションとポイエーシス | 東浩紀 | 連載 | 考える人 | 新潮社