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ホルヘ・ルイス・ボルヘスの検索結果1 - 39 件 / 39件

  • この本がスゴい!2022: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    「いつか読もう」はいつまでも読まない。 「あとで読む」は後で読まない。 積読をこじらせ、「積読も読書のうち」と開き直るのも虚しい。人生は有限であり、本が読める時間は、残りの人生よりもっと少ない。「いつか」「そのうち」と言ってるうちに人生が暮れる。 だから「いま」読む。 10分でいい、1ページだっていい。できないなら、「そういう出会いだった」というだけだ。「いま」読まないなら、「いつか」「そのうち」もない。 本に限らず情報が多すぎるとか、まとまった時間が取れないとか、疲れて集中できないとごまかすのは止めろ。新刊を「新しい」というだけの理由で読むな。積読は悪ではないが、自分への嘘であることを自覚せよ。「いま」読むためにどうしたらいいか考えろ。「本」にこだわらず読まずに済む方法(レジュメ、論文、Audible)を探せ。難解&長大なら分割してルーティン化しろ。こちとら遊びで読書してるんだから、仕事

      この本がスゴい!2022: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
    • 【2021年まとめ】海外文学の新刊を読みまくったので、一言感想を書いた - ボヘミアの海岸線

      2021年は、海外文学の新刊を読みまくった。 『本の雑誌』の新刊ガイド連載「新刊めったくたガイド」の海外文学担当になったからだ。 「新刊めったくたガイド」は、ジャンルごとにわかれて、毎月4冊以上の新刊を紹介する連載だ。日本文学、海外文学、SF、ミステリ、ノンフィクションと、ジャンルごとに担当者が書いている。 本の雑誌463号2022年1月号 本の雑誌社 Amazon これだけ新刊まみれになるのは人生はじめての経験だったので、記憶が飛ばないうちに、読んだ海外文学の感想を書いておくことにした。 ここで言う「新刊」の定義は以下のとおり(『本の雑誌』ルール)。 ・2021年に発売した、海外文学の翻訳 ・新訳、復刊は対象外 目次 ■2021年のアイ・ラブ・ベスト本 【アメリカ】ローレン・グロフ『丸い地球のどこかの曲がり角で』 【アメリカ】 ジェニー・ザン『サワー・ハート』 【ポルトガル】 ゴンサロ・

        【2021年まとめ】海外文学の新刊を読みまくったので、一言感想を書いた - ボヘミアの海岸線
      • Wikipediaに「架空のロシアの歴史」を10年にわたり1人の女性が書き込み続けていたことが判明、「小説家になるべき」との声も

        「調べ物をする際にはインターネット百科事典のWikipediaを見る」という人も多いはずですが、Wikipediaの記事作成・編集はボランティアによって支えられているため、時には誤解やデマが混入することがあります。2022年6月には、中国語版Wikipediaに数百万語に及ぶ「架空のロシアの歴史」が含まれており、これらの記事がたった1人の女性によって記されていたことが判明しました。 She Spent a Decade Writing Fake Russian History. Wikipedia Just Noticed. https://www.sixthtone.com/news/1010653/she-spent-a-decade-writing-fake-russian-history.-wikipedia-just-noticed.- A woman wrote fake Ru

          Wikipediaに「架空のロシアの歴史」を10年にわたり1人の女性が書き込み続けていたことが判明、「小説家になるべき」との声も
        • 足を舐める悪魔?1921年のイランの写本に描かれた奇妙な怪物たち : カラパイア

          アルゼンチンの伝奇作家ホルヘ・ルイス・ボルヘス。彼が自分の迷宮世界と結びつけたその人生は、ある種、図書館員のような人生だ。そこに並べられた小説は、彼が自分の文章を通して織り込んだ隠れた学術的参考文献ともいえる。 ボルヘスは、こうした文献的傾向をノンフィクション『幻獣辞典』に気まぐれに持ち込んだ。この本は、世界中に伝わる昔の民話や神話、悪魔学の話から、異質なクリーチャーたちを一挙にまとめたものだ。

            足を舐める悪魔?1921年のイランの写本に描かれた奇妙な怪物たち : カラパイア
          • 文字と声と亡霊たちの天国――『ディスコ・エリジウム ザ・ファイナル・カット』について - 名馬であれば馬のうち

            「けど、”ディスコ”・エリジウムでしょ……。おかしくないかしら? ディスコは過去のもの、忘れられたものでしょう?」 「過去は未来だが、未来は死んでいる!」 ――『ディスコ・エリジウム』 『ベイビー、あんたが探してんのは結局あんた自身なのよ』 ――舞城王太郎『ディスコ探偵水曜日』(新潮文庫) Disco Elysium の感想を書くなんてことは不可能だ。なぜなら、それは概観して全貌を捉えようにも分裂しすぎていて、要素へ分解しようにも継ぎ目がなさすぎる。*1そもそも世界の感触をことばで伝えるなんて人間の技量を超えているのでは? なので、ここに書かれているのはプレイ中に発された声の残響だ。あなたのために用意された25番目のスキル。それがわたし。 知覚(聴覚)[中:成功] 遠くでラジオが聴こえる。世界のラジオが。音が流れてくる。おはよう、エリジウム。もうすぐ世界に戻る時間だ。 大脳辺縁系*2と古代

            • ブルシットジョブから抜け出すために、自分を「ホラー化」せよ - 集英社新書プラス

              情報が加速度的に増加し、スマートフォンをはじめとしたデジタルデバイスによって様々な行動が不可視化されている現代。そのような「ブラックボックス」が溢れる時代を、私たちはどう生きるべきか。 現代人にとって重要なこの問いを、著述家・書評家の永田希が、書物と貨幣の歴史を遡りながら現代思想や文学作品・SFを通して解き明かしたのが9月17日発売の新書『書物と貨幣の五千年史』である。本書の主題となっている「ブラックボックス」という概念をより掘り下げるべく、集英社新書プラスでは4本の対談を掲載。 第1回目は、コンサルティング会社に勤める傍ら2017年に小説『構造素子』(早川書房)でデビューし、今年の7月には、SF小説を書くことで未来の世界を構想するコンサルティング手法「SFプロトタイピング」の理論と実践を記した『未来は予測するものではなく創造するものである−考える自由を取り戻すための<SF思考>』(筑摩書

                ブルシットジョブから抜け出すために、自分を「ホラー化」せよ - 集英社新書プラス
              • 本が広げる本の世界──批評から始める秋の読書マップ - 東大新聞オンライン

                「この世界において、すべては、一巻の書物に帰着するために存在する」。19世紀フランスの詩人ステファヌ・マラルメの言葉だ。この一文でさえその真意を理解しようとすれば万巻のマラルメに関する研究書や論文が必要だろう。だが紙幅と何よりも能力の問題から、ひとまず学生が教科書の偉人の肖像に落書きをするような気ままさで、この言葉を次のように読み変えながら本の世界の広がりについて考えてみたい。「一冊の書物すら、達するためには世界の全てが必要だ」と。 (構成・渡辺明日翔) 本から本へと「渡り読む」ことの意味 外国語の書籍を考えるのが最も分かりやすい。今、目の前に戯曲『リチャード三世』の原書があるとしよう。この15世紀イングランド宮廷の、権謀術数が張り巡らされた政争を題材に採り1世紀後のシェイクスピアが執筆した作品を、21世紀に生きる日本人がそのまま理解できるだろうか? いや、まずは辞書が必要だろう。それも、

                  本が広げる本の世界──批評から始める秋の読書マップ - 東大新聞オンライン
                • 必読書コピペにマジレスしてみる・自分のオススメ41冊編(3)

                  戻る→anond:20210301080139 E・M・フォースター「ハワーズ・エンド」「人をたくさん知れば知るほど、代わりを見つけるのがやさしくなって、それがロンドンのような所に住んでいることの不幸なんじゃないかと思う。わたしはしまいには、どこかの場所がわたしにとって一番大事になって死ぬんじゃないかという気がする」 二つの家族の間を行き来しながら、人間の記憶や、場所への執着を捉えた文章。それはまるで、漱石のいいところだけ抜き出したような文章だった。 ところで、同じ著者の「インドへの道」もいい。これは大英帝国支配下のインドで、未婚女性が現地の男性に暴行されたという疑惑を巡る話だ。女性を守ろうとする騎士道精神と排外主義が結びつき、支配者と被支配者の亀裂が広がる様を描く、不幸にして極めて現代的な作品である。冤罪をかけられたインド人が、「誰があんな不美人な年増を」と心の中で毒づくの、とても嫌なリ

                    必読書コピペにマジレスしてみる・自分のオススメ41冊編(3)
                  • 東京創元社編集部・編『創元SF文庫総解説』第1回(全6回)l

                    2022年09月29日17:00 by 東京創元社 東京創元社編集部・編『創元SF文庫総解説』第1回(全6回) カテゴリSFファンタジイ・ホラー 【はじめに】 創元SF文庫は来年2023年、創刊60周年を迎えます。 1963年9月に創元推理文庫SF部門として誕生し、フレドリック・ブラウン『未来世界から来た男』に始まり、1991年に現行の名称への改称を挟んで、これまでに700冊を超える作品を世に送り出してまいりました。エドガー・ライス・バローズの《火星シリーズ》やE・E・スミスの《レンズマン》シリーズをはじめ、ジョン・ウィンダム、エドモンド・ハミルトン、アイザック・アシモフ、ロバート・A・ハインライン、レイ・ブラッドベリ、J・G・バラード、アン・マキャフリー、バリントン・J・ベイリー、ジェイムズ・P・ホーガン、ロイス・マクマスター・ビジョルド、そして近年にはアン・レッキーやN・K・ジェミシン

                      東京創元社編集部・編『創元SF文庫総解説』第1回(全6回)l
                    • 失われた短編を求めて――ボルヘス唯一の未訳短編「シェイクスピアの記憶」について - 機械仕掛けの鯨が

                      ホルヘ・ルイス・ボルヘス。アルゼンチンが生んだ二〇世紀の世界文学上最大の作家の一人で、「知の工匠」「迷宮の作家」等の異名を持つ巨匠である。日本でも大変人気があり、現在では岩波文庫に著作の多くが収録されている。 さて、彼の作風の最大の特徴は、生涯を通して短編小説しか著さなかったことだ。一番長い作品でも、日本語訳で二〇ページほどしかない。だが彼の短編から喚起されるイメージは、迷宮、鏡、無限、架空の書物等々といったモチーフによって増幅され、長編小説にも匹敵する物となる。 短編集としての代表作『伝奇集』は岩波文庫で刊行されているほか、『砂の本』『ブロディーの報告書』『アレフ』など、彼の主要な短編は、短編集としてほとんど邦訳されていると言ってよい。 だが一作だけ、邦訳されていない作品がある、と言えばどうだろうか。その存在は、ペンギン・ブックスから刊行されているボルヘスの全短編集に記載されている。題は

                        失われた短編を求めて――ボルヘス唯一の未訳短編「シェイクスピアの記憶」について - 機械仕掛けの鯨が
                      • 村上春樹の女性の描き方は本当に“性差別的”なのか? 最新作を紐解いてみると…  | 村上流「ポスト#MeToo時代の自己批判」

                        世界中の読者を本質的な謎に導く作家 村上作品を紹介するときに最も使われることの多い用語の一つが「マジック・リアリズム」だ。 ホルヘ・ルイス・ボルヘスやガブリエル・ガルシア=マルケスなど、ラテンアメリカ文学を代表する作家の特色として用いられることの多いこの言葉は、一般的に現実・日常・現代社会といったリアリズム的設定と、幻想・魔術・神話など超現実的モチーフが融合したプロットや世界観を備えたフィクションを指す。 近年では、ノーベル賞作家のオルハン・パムク、莫言、オルガ・トカチェフなどもマジック・リアリズム的作品を得意としてきたが、初期の傑作『羊をめぐる冒険』(1982)以来、一貫して現実と幻想が奇妙に入り混じる作品を発表し続けてきた村上もまた、世界文学を代表するマジック・リアリズム作家とみなされている。 たとえば米紙「ニューヨーク・タイムズ」は次のように述べ、その唯一無二の世界観を絶賛している。

                          村上春樹の女性の描き方は本当に“性差別的”なのか? 最新作を紐解いてみると…  | 村上流「ポスト#MeToo時代の自己批判」
                        • 家に発電所を作り、世界の輪廻に取り込まれる――奇想小説ファンに勧める現代漫才3選 - 機械仕掛けの鯨が

                          奇想の住まう場所 なぜ漫才なのか? 奇想の在処を探る ①気が付けば世界の輪廻に取り込まれている話――Dr.ハインリッヒ「トンネルを抜けると」 ②プリクラ撮りたさに家を火力発電所にする話――金属バット「プリクラ」 ③変な暗記法・言葉遊び系漫才の最前線――カベポスター「英語」(ABCお笑い新人グランプリ2019・M-1グランプリ2020敗者復活戦) 最後に & 奇想漫才Scrapboxの話 奇想の住まう場所 奇想が好きだ。要するに、どうやって思い付いたのか見当も付かないような、変な発想が好きだ。 奇想はどこに住まうのか。身近なところでいけば、小説にはよく潜んでいる。 交通事故に性的快感を覚える男(J・G・バラード『クラッシュ』)、演奏に1万年掛かる長大な交響楽を演奏し続ける山頂の交響楽団(中井紀夫「山の上の交響楽」)、知性を持つ1つの生命体としての星(スタニスワフ・レム『ソラリス』)etc.

                            家に発電所を作り、世界の輪廻に取り込まれる――奇想小説ファンに勧める現代漫才3選 - 機械仕掛けの鯨が
                          • 【連載】異界をつなぐエピグラフ 第1回|夢で手にした花のように|山本貴光|創元社note部

                            「エピグラフ」とはなんぞや? ──書物をひらいたとき、扉ページの裏側やタイトルの左下などにそっと添えられている短かな(ときに長々とした)引用句。そう、アレです。 おそらくたいていの読者は、さらっと目をとおし、これから始まろうとしている世界の予感をキャッチして、「ではいざ」と視線を移し、本文の海に飛びこんでしまう。エピグラフは置き去りにされ、再び顧みられることは少ないかもしれません。 しかしエピグラフは、著者が本文には書き入れることのできない思惑や思い入れ、愛憎や怨嗟、読者へのメッセージ……などなどを、多くの場合は他人のテキストを引用することによって、こっそり仕込み、託し、読者へと伝えてくる、隠されたコミュニケーションのフィールドです。 つまり、著者が自分の作品をどう見ているかというメタな視線とともに、著者の「ついつい」あふれだしてしまう思いが露呈していることも少なからずある、実はなかなかに

                              【連載】異界をつなぐエピグラフ 第1回|夢で手にした花のように|山本貴光|創元社note部
                            • 数時間で完売店続出! 大重版決定! 超読書家声優 斉藤壮馬 全面協力! 秋の河出文庫フェア\濃い本しかないっ!/河出文庫ベスト・オブ・ベスト

                              数時間で完売店続出! 大重版決定! 超読書家声優 斉藤壮馬 全面協力! 秋の河出文庫フェア\濃い本しかないっ!/河出文庫ベスト・オブ・ベスト 河出書房新社(東京都渋谷区 代表取締役社長 小野寺優)は、大人気声優・斉藤壮馬さんの全面協力を得て行う「河出文庫ベスト・オブ・ベスト」フェアのうち、斉藤壮馬さんの特に好きな河出文庫ベスト5「斉藤壮馬的河出文庫ベスト5」の緊急重版を決定しました。 「河出文庫ベスト・オブ・ベスト」は毎年「河出文庫」秋のフェアとして展開しているもの。今年2019年は特別に、声優・斉藤壮馬さんの全面協力を得て開催中です。 「ヒプノシスマイク」「アイドリッシュセブン」「刀剣乱舞」など人気作品で活躍している斉藤壮馬さんは、読書エッセイや書評を連載、出版するほどの読書家。河出文庫もベストセラーのみならず、ロングセラーや隠れた名作、新作まで、幅広く読まれています。その見識をもとに愛

                                数時間で完売店続出! 大重版決定! 超読書家声優 斉藤壮馬 全面協力! 秋の河出文庫フェア\濃い本しかないっ!/河出文庫ベスト・オブ・ベスト
                              • 2021年に心揺さぶられたKindle本10選 - 世界のねじを巻くブログ

                                電子書籍振り返りin令和三年 令和3年に読んだ"おすすめのKindle本"。 年末恒例のブログ記事、だいぶ遅れましたが軽くまとめてみようかと。 (今年読んだ本なので、2021年発売の本ばかりではないです) www.nejimakiblog.com 電子書籍振り返りin令和三年 トレバー・ノア 生まれたことが犯罪! ? / トレバー・ノア クララとお日様 / カズオイシグロ フライデーブラック / ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー ムーン・パレス / ポール・オースター うたのしくみ 増補完全版 / 細馬宏通 批評の教室 / 北村紗衣 カトマンズでLSDを一服 / 植草甚一 Futureproof / Kevin Roose ボルヘス怪奇奇譚集 / ホルヘ・ボルヘス 三体シリーズ / 劉慈欣 おいしさの錯覚 / チャールズ・スペンス ざっと印象に残った十冊をジャンル問わず紹介していきます。

                                  2021年に心揺さぶられたKindle本10選 - 世界のねじを巻くブログ
                                • 現実を侵食するフィクション【星雲賞ノミネート記念:『ダークウェブ・アンダーグラウンド』】|kzwmn

                                  このたび拙著『ダークウェブ・アンダーグラウンド』が第51回星雲賞ノンフィクション部門にノミネートされたことを記念して(なにせこのようなことは一生に一度クラスのことだと思うので)、本書の中から「補論2 現実を侵食するフィクション」を全文公開いたします(出版社の許諾は得ています)。 * * * 冥界としてのサイバースペース筆者が「TSUKI Project」の存在を知ったのは2017年、海外のテック系WEBメディア「マザーボード」の記事を通じてだったと記憶している。 「サイバーパンクな死後の生を約束する謎の4chan宗教」と題されたその記事では、「TSUKI Project」は「アニメ自殺カルト教団(anime suicide cult)」と、やや扇情的に表現されていた。記事には 「TSUKI Project」の公式サイトからのキャプチャ画像が貼られており、そこには東京を思わせる街並みを背景に

                                    現実を侵食するフィクション【星雲賞ノミネート記念:『ダークウェブ・アンダーグラウンド』】|kzwmn
                                  • 世界はこんなにも不思議で面白い『銀河の片隅で科学夜話』

                                    これ好き、丁寧で上質な科学エッセイ。 深夜に寝しなにちびちび読みたいのに、軽妙洒脱な語り口に引き込まれ、するすると読んでしまう。多宇宙論と文学の深い関係を語ったかといえば、民主主義を壊すには、サクラが17%いればいいことを証明したり、倫理学のトロッコ問題を4,000万ものビッグデータでねじ伏せる。 量子力学とボルヘス たとえば、多宇宙論と文学について。 量子力学と論理学を成立させるため、1957年にヒュー・エヴェレットが唱えた、「複数の宇宙」を仮定した主張だ。これによると、観測する度に分岐する、複数の平行世界が作り出されることになる。世界が進行するにつれ、無数の瞬間に、いくつもの多世界への分岐が生じるというのだ。 わたしは物語に毒されているので、複数世界を行き来するギャルゲーや小説をいくつか思い出してしまうのだが、エヴェレットが多宇宙論を主張する「前」に世に出た、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの

                                      世界はこんなにも不思議で面白い『銀河の片隅で科学夜話』
                                    • 映画『インセプション』複雑なルール設定、ラストの意味を徹底考察【ネタバレ解説】 | FILMAGA(フィルマガ)

                                      クリストファー・ノーラン監督の映画『インセプション』をネタバレ解説。キャラクラーの名前の意味、ラストに仕掛けられた謎、夢の構造とルールなどを徹底解説。 『ダークナイト』や『インターステラー』などを手がけ、今やアメリカを代表するヒットメーカーとなったクリストファー・ノーラン監督。 彼の作品はどれも複雑怪奇なパズラー的要素をはらんでいるが、その頂点とでもいうべき作品が2010年に公開された『インセプション』だろう。 幻想的な作風で知られるアルゼンチンの作家、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの短編集「伝奇集」にインスパイアを受けたという本作は、夢の世界で繰り広げられる新感覚サスペンス。 構想に20年を要し、クリストファー・ノーラン自らが書き上げたシナリオは、一見しただけでは脳内処理しきれないほどの複雑さを極めている。 という訳で、今回は『インセプション』をネタバレ解説していきましょう。 映画『インセプシ

                                        映画『インセプション』複雑なルール設定、ラストの意味を徹底考察【ネタバレ解説】 | FILMAGA(フィルマガ)
                                      • ぼくは詩人なのかもしれない - りとブログ

                                        年越しでやってた村上春樹さんのラジオの締めで、とても興味深いお話が飛び出しました。 ホルヘ・ルイス・ボルヘスというアルゼンチンの詩人が、あるとき若い頃に書いた詩と全く同じ内容の詩を後年発表しちゃったらしいんですよ。 その件について言及されたボルヘスさんは「詩人が本当に言いたいことは5つか6つしかない。 詩人はそれを言い換えてるだけなんだ。」と答えたらしいんですね。 慌ててメモったので細かなディティールは違うかもしれませんが、そんなお話です。 で「あーブログと一緒だ!」と思ったわけです。 このブログもなんだかんだもうすぐ6周年で、記事数もこんなになっちゃってます。 なので、酔いどれ気分でよよよいっと記事をかいて、「あーいい話書いたなぁ〜」なんて思って投稿したら関連記事に似たような話が出てくることがちらほらあります。 だからこそ、長年最前線で表現活動されてる方の引き出しの広さ深さに改めて敬服す

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                                        • 文字についての謎を文字で明かす、円城塔の最高傑作――「文字渦」(円城塔、新潮社) - SF游歩道

                                          書籍情報 作者:円城塔 出版社:新潮社 形態:単行本 文字渦 作者: 円城塔 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/07/31 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 収録作品 「文字渦」 「緑字」 「闘字」 「梅枝」 「新字」 「微字」 「種字」 「誤字」 「天書」 「金字」 「幻字」 「かな」 感想・各作品解説 《新潮》連載時に「種字」を読んでからずっと単行本化を待っていた。率直に、間違いなく今年の新刊本の一番はこの作品で決まりだ。そう断言出来る。(しかしながらこの文章を書き上げるのに4ヶ月もかかってしまった) 円城塔特有の「どこまで本当なのか分からない大法螺成分」は各短篇の題材自体に吸い取られているので、文字に関する論理的な考察に集中して読むことが出来る一冊になっている。その点では円城塔を初めて読むという人でもあまり抵抗なく読むことが出来るのではないか。川端康成文学

                                            文字についての謎を文字で明かす、円城塔の最高傑作――「文字渦」(円城塔、新潮社) - SF游歩道
                                          • 村上春樹 著『街とその不確かな壁』より。教員の前に立ちはだかる、長時間労働という不確かな壁。 - 田舎教師ときどき都会教師

                                            「そういうことは、ここで日々仕事をしておられれば、おいおいおわかりになってくるでしょう。ちょうど夜が明けて、やがて窓から日が差してくるみたいに。でも今のところ、そんなことはあまり気にせんで、とりあえずはここでの仕事の手順を覚えて下さい。そしてこの小さな町に、心と身体を馴染ませて下さい。今のところ、ああ、心配することは何ひとつありません。大丈夫です」 そして手を伸ばして、私の肩をとんとんと軽く叩いた。可愛がっている犬を力づけるみたいに。 ちょうど夜が明けて、やがて窓から日が差してくるみたいに、と私は頭の中で反復した。なかなか素敵な表現だ。 (村上春樹『街とその不確かな壁』新潮社、2023) こんにちは。先日、クラスの子(♀)に「先生は、ハルキストですか?」と訊ねられました。ハルキストというのはもちろん、小説家の村上春樹さんの熱狂的なファンのことを指します。村上春樹さんの新刊『街とその不確かな

                                              村上春樹 著『街とその不確かな壁』より。教員の前に立ちはだかる、長時間労働という不確かな壁。 - 田舎教師ときどき都会教師
                                            • 冨田健太郎 斜めから見た海外出版トピックス 第25回 アマゾンの“無法地帯”- DOTPLACE

                                              某出版社にて、翻訳書編集、法務をへて翻訳権輸出に関わる冨田健太郎が、毎月気になる海外の出版事情を紹介する「斜めから見た海外出版トピックス」。今回は最大の小売店、アマゾンでの模造品問題を追います。日本でも今後巻き起こる課題、かもしれません。 第25回 アマゾンの“無法地帯” NYタイムズが、こんな記事を配信しました。 ▼模造書籍の問題 記事は“The Sanford Guide to Antimicrobial Therapy(邦訳『サンフォード 感染症治療ガイド』)”という本の話から書き起こされています。 医師には必須のガイドブックのようですが、この本の模造品が米アマゾンにあふれ、出版社が困っているというのです。 著名な専門書の模造品が作られ、それがアマゾンでおおっぴらに売られていて、しかもその多くは印刷も悪く、読めないような代物だというのだから驚きです。 海賊版といえば、アメリカでもおも

                                                冨田健太郎 斜めから見た海外出版トピックス 第25回 アマゾンの“無法地帯”- DOTPLACE
                                              • 劇場版公開を機に紐解く『輪るピングドラム』 より暗くなってゆく時代へのアンサーとは

                                                TVアニメ『輪るピングドラム』の放送から、およそ10年の時を経て、新作パートを加えた総集編として、新たに構築された『劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [前編]君の列車は生存戦略』が、劇場公開された。 『輪るピングドラム』は、『美少女戦士セーラームーン』の一部シリーズや劇場版で評価を高め、さらには女性の自由意志をテーマとした伝説的といえる『少女革命ウテナ』を生み出した、日本のアニメーション界の異才・幾原邦彦監督が2011年に発表したTVシリーズだ。ギャグが散りばめられたポップなラブコメ作品のかたちで提出されながら、ところどころに異様な表現が飛び出し、数々の暗喩や、実際の重大事件を思わせるシリアスなテーマが表れる複雑な内容は、放送当時アニメファンの間に大きなインパクトを残した。 とはいえ、その描き方が難解で謎めいたものだったために、十分に理解されなかったのも事実。

                                                  劇場版公開を機に紐解く『輪るピングドラム』 より暗くなってゆく時代へのアンサーとは
                                                • 海外長編小説オールタイムベスト、発表される 3位カラマーゾフ、2位プルースト、1位はもちろん : 哲学ニュースnwk

                                                  2022年04月16日08:00 海外長編小説オールタイムベスト、発表される 3位カラマーゾフ、2位プルースト、1位はもちろん Tweet 1: 風吹けば名無し 2021/11/30(火) 22:32:09.05 ID:mAyQF+RV0 1 百年の孤独 ガブリエル・ガルシア=マルケス 2 失われた時を求めて マルセル・プルースト 3 カラマーゾフの兄弟 フョードル・M・ドストエフスキー 4 ドン・キホーテ ミゲル・デ・セルバンテス 5 城 フランツ・カフカ 6 罪と罰 フョードル・M・ドストエフスキー 7 白鯨 ハーマン・メルヴィル 8 アンナ・カレーニナ レフ・N・トルストイ 9 審判 フランツ・カフカ 10 悪霊 フョードル・M・ドストエフスキー 11 嵐が丘 エミリー・ブロンテ 12 戦争と平和 レフ・N・トルストイ 13 ロリータ ウラジーミル・ナボコフ 14 ユリシーズ ジェイ

                                                    海外長編小説オールタイムベスト、発表される 3位カラマーゾフ、2位プルースト、1位はもちろん : 哲学ニュースnwk
                                                  • 文春オンラインの「「民俗学といえば妖怪、夜這いでしょ?」民俗学者が悩む“風評被害” 」という記事について - 妖怪と、人類学的な雑記

                                                    1.問題の要点 2.それは炎上だったのか? 3.ツイッター民俗への誤解 4.「風評被害」は強い言い方でしょう? 5.炎上理由――民俗を愛好する輩からの反発だ! 6.妖怪研究者とマニアが結託している? 7.発狂倶楽部という親密圏 8.妖怪研究者はマニアと線引きできていない? 9.歴史マニアに問題はある、それでは妖怪マニアには? 10.「親密圏」からの攻撃? 11.役に立つことへの強迫 12.まとめ――文春オンラインの記事はなんだったのか 先日、文春オンラインにて以下の記事が公開された。筆者は在野の民俗学者・室井康成氏である。 bunshun.jp 短い記事だが念のため要約する。 昨年12月、室井氏が「民俗学を代表するイメージとして妖怪と夜這いがあるのは風評被害である」とツイート(以下Tw)したところ、妖怪研究者および妖怪マニアから総攻撃を受け、炎上した。なぜ炎上したのか。室井氏は、自身の書き

                                                      文春オンラインの「「民俗学といえば妖怪、夜這いでしょ?」民俗学者が悩む“風評被害” 」という記事について - 妖怪と、人類学的な雑記
                                                    • インターネットは腐りかけている (The Internet Is Rotting)

                                                      The Atlanticより。 すでに多くものが失われています。人類の知識をまとめる接着剤が緩んでいます。 ジョナサン・ジットレイン 60年前、未来学者アーサー・C・クラークは、十分に進化したテクノロジーは魔法と見分けがつかないと言いました。インターネットは、私たちが互いにコミュニケーションを取り、人類の文明の知的生産物を共に保護する手段であり、クラークの見解にピッタリ当てはまります。スティーブ・ジョブズの言葉を借りれば、クリックしたり、タップしたり、話したりするのと同じくらい簡単に「ちゃんと動く (it just works)」のです。そして、インターネットが機能しない場合、あらゆる点で魔法の浮き沈みと同じように、その理由は一般的に非常に難解であり、その説明は失敗した呪文を解き明かそうとするのと同じくらい全く役に立ちません。 広大でシンプルに見えるデジタルネットワークを支えているのは、発

                                                        インターネットは腐りかけている (The Internet Is Rotting)
                                                      • 劉慈欣入門にはコレを読め! 『円 劉慈欣短篇集』訳者・大森望氏解説|Hayakawa Books & Magazines(β)

                                                        『円 劉慈欣短篇集』発売から約一週間! 選りすぐりの短篇13篇を収録した本作は、劉慈欣入門にぴったりの一冊です。「『三体』が読みたいけど、ちょっと読み切れるか自信ないかも……」なあなたにも、「『三体』ロスだぜ!!」なあなたにもおすすめできます。 本ページでは『円 劉慈欣短篇集』解説を再録しました。ぜひその世界観の一端にふれてみてください。 訳者あとがき 大森 望 日本初の劉慈欣短篇集『円』をお届けする。1999年に発表された著者のデビュー作から、『三体』(早川書房)の一部を土台に2014年に書かれた表題作「円」まで、本邦初訳の4篇を含む全13篇が、発表順に収録されている。原書にあたる短篇集は存在しないものの、日本で独自に編んだ選集ではなく、作品選択は原著者側による。どんな意図で選ばれたのかはよくわからないが、劉慈欣の作家歴のほぼ全体をカバーする、好個の作品集となっている。 すでに《三体》三

                                                          劉慈欣入門にはコレを読め! 『円 劉慈欣短篇集』訳者・大森望氏解説|Hayakawa Books & Magazines(β)
                                                        • [全訳]デリダ「人間科学の言説における構造、記号、遊び」 ディスカッション - cartaphilium

                                                          凡例 一、原文でイタリックで強調されている語には傍点を付した。 一、原語を示す場合には、()で括った。 一、原文に[]で補足されている内容については〔〕で訳出した。ただし、補足内容がたんにフランス語訳である場合には、そのまま()で括った。 一、訳注は末尾にまとめているが、一部本文中に〔※訳注:〕の形で挿入した。 ジャン・イポリット:称賛すべきプレゼンテーションと議論を披露してくださったデリダに、率直に、プレゼンテーションの技術的な出発点がまさに何であったのかの説明をお聞きしたく思います。それは、構造の中心の概念への問い、すなわち中心とは何を意味するのかという問いです。たとえば、ある代数的な構造物〔の全体〕の構造を取り上げたとき、その中心はどこにあるのでしょうか? 中心というのは、私たちが諸要素の相互作用を理解することを曲がりなりにも可能にするような、一般的な諸規則についての知識なのでしょう

                                                            [全訳]デリダ「人間科学の言説における構造、記号、遊び」 ディスカッション - cartaphilium
                                                          • 野宮真貴が振り返る、ピチカート解散以降に訪れた転機の出会い 川勝正幸、フェルナンダ・タカイらとの意欲的な音楽制作

                                                            渋谷系を象徴する歌姫・野宮真貴は、シンガーとしてデビュー40周年の節目を迎えた。ソロ、ポータブル・ロック、ピチカート・ファイヴ、そして再びのソロ……。アニバーサリーを機に、その長いキャリアにおいて所属してきたレコード会社4社が、彼女の音源を世界一斉配信することになった。なかでも注目したいのが、ピチカート・ファイヴ解散後の約10年を過ごした<ジェマティカ・レコーズ>時代だ。このレーベルに残した作品について、ミューズ自身が振り返る。(下井草秀) 音楽担当の高野さんに対し、川勝さんは“妄想担当” 野宮真貴 ーー2001年の元日に『さ・え・ら ジャポン』を発売した後、ピチカート・ファイヴは、同年3月31日をもって解散することを唐突に発表します。 野宮真貴(以下、野宮):小西(康陽)さん曰く、「ピチカートでやるべきことはすべてやり尽くした」とのことでした。だらだらと長く続けて、人気がなくなった頃に解

                                                              野宮真貴が振り返る、ピチカート解散以降に訪れた転機の出会い 川勝正幸、フェルナンダ・タカイらとの意欲的な音楽制作
                                                            • 2021 : ダンテ・アリギエーリ没後700年を迎え、ますます人々を夢中にするヴィジョン、永遠の『神曲』 | Passione

                                                              イタリア文学の最高峰として、時代を超え、世界中の夥しい数の人々、文学者、哲学者、神学者、芸術家、歴史学者たちが虜となり、礼賛し、研究し続けるダンテの『神曲』。こんな、あまりに大きな不死の作品を、カジュアルに語るなんてとんでもない、と素直に思います。それでもDantedì(ナショナル・ダンテ・デー)の3月25日から、イタリア各地で繰り広げられる数多くのイベントを前に、ネット上のさまざまな講義や、女性の視点で描かれた『Le donne di Dante(ダンテの女たち)』という評論を読んで、それらがあまりに面白く、すっかり『神曲』の宇宙に魅了されてしまいました。そこで、ダンテの無限の宇宙の片鱗を、そこに漂うひとりの読者として、ほんの少し共有できれば、と思います(写真はヴァチカン美術館、署名の間。ラファエッロが描いた群衆の中のダンテ)。 3月25日、Dantedìからはじまるメモリアル・イヤー

                                                                2021 : ダンテ・アリギエーリ没後700年を迎え、ますます人々を夢中にするヴィジョン、永遠の『神曲』 | Passione
                                                              • アルゼンチンの歴史が見える、奥深き隠語の世界

                                                                前回の記事で、日本の「業界用語」と同じようにアルゼンチンでよく使われる「逆さ言葉」について書きましたが、これとはまた別のルーツで、ブエノスアイレスでは隠語も日常の会話の中で多用されます。 友人たちとの会話の中で繰り出される隠語は数知れず、知らない単語があって後から辞書で引いても出てこない、「アルゼンチン弁」。しかもそれは冗談を言う場合などに使われることも多く、アルゼンチンに来て言葉に慣れるまではさっぱりわからずキョトンとする、またはわからないけどとりあえず一緒に笑っておく・・・ということもよくありました。 しかし、ひとつひとつ知っていくと、意外と面白いこの国の歴史を垣間見ることができるのです。 アルゼンチンで隠語が使われ始めたのは19世紀末頃から。首都ブエノスアイレスに働きにやってきた移民達の間で広がっていきました。 この隠語の事をここでは「ルンファルド」と呼び、特にその労働者たちの間で親

                                                                  アルゼンチンの歴史が見える、奥深き隠語の世界
                                                                • 全身小説家 ~作家・永沢光雄はいかに生き、死へ向かったか~|プチ文壇バー 月に吠える

                                                                  本作は、フリーライターで作家の故・永沢光雄氏(1959~2006年)について、プチ文壇バー月に吠える店主の肥沼和之が執筆したルポルタージュです。 プロローグ「ライターをするのならさ」 30代後半の週刊誌記者は、酔いでややとろんとした目を僕に向けて言った。深夜2時、新宿ゴールデン街。2010年のことだった。フリーライターになったばかりで、当時30歳の僕に、この本は絶対に読んだ方がいいよ、と彼は著者名とタイトルを挙げていった。沢木耕太郎『深夜特急』、山際淳司『江夏の27球』、本田靖春『誘拐』など、知っていたり知らなかったりするノンフィクションが挙げられ、最後に紹介されたのが故・永沢光雄の『AV女優』だった。 1996年に刊行された『AV女優』は、その名の通りAV女優たちへのインタビュー集である。僕は未読だったが、読書好きの友人が絶賛しており、その存在は知っていた。 単なる読書好きに勧められたの

                                                                    全身小説家 ~作家・永沢光雄はいかに生き、死へ向かったか~|プチ文壇バー 月に吠える
                                                                  • ナスダック100関連ニュース【最近アマゾンで買わなくなったなぁ】 - いちのりの資産運用日記

                                                                    アマゾン商品検索、紛らわしい結果が増えた理由 ――筆者のクリストファー・ミムズはWSJハイテク担当コラムニスト 世界のへき地を訪れて夜空を見上げたり、山の頂上に立ってその広大さを考えたりすると、自分がいかに小さい存在であるかを思い知らされる。アマゾンの通販サイトで一番いいニンニクつぶし器を探そうとするときもそうだ。 確かに、夜空には300を超える星があり、アマゾンの米国サイトにも同様の数のニンニクつぶし器が掲載されている。しかし、出品商品のページを次々に移動し、何万件ものレビューが付いた商品の中からベストなニンニクつぶし器を見つけ出すのは、アマゾンの多くの検索と同様、ますますいら立たしく、落胆と困惑を伴う作業になりつつある。 イライラする理由は、アマゾンの偽レビューとの果てしない闘いを踏まえると、最も評価の高い商品が実際にそれほど優れた商品なのか判断できないことにある。落胆する理由は、心理

                                                                      ナスダック100関連ニュース【最近アマゾンで買わなくなったなぁ】 - いちのりの資産運用日記
                                                                    • そこは迷宮のラビリンス。世界最大の竹でできた迷路「メゾン・ラビリンス」(イタリア) : カラパイア

                                                                      イタリア、パルマの小さな町フォンタネッラートには、世界最大の迷路「メゾン・ラビリンス」がある。 出版者でデザイナー、美術品収集家、蔵書家でもあるフランコ・マリア・リッチが考案した竹の壁でできた迷路を持つ星形の巨大な庭園は、『伝奇集』で知られているアルゼンチンの作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスとリッチの1977年の交流がきっかけだった。 その時ボルヘスは人間の状態の暗喩ともいえる迷宮に魅せられていたのだ。

                                                                        そこは迷宮のラビリンス。世界最大の竹でできた迷路「メゾン・ラビリンス」(イタリア) : カラパイア
                                                                      • ラテン・アメリカの現代詩——政治と小説の狭間で - Plenty of quality

                                                                        パブロ・ネルーダ『マチュピチュの頂』(書肆山田)、ホルヘ・ルイス・ボルヘス『ボルヘス詩集』(思潮社)、セサル・バジェホ『セサル・バジェホ全詩集』(現代企画室)、他 - 野谷 文昭による作家論/作家紹介 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

                                                                          ラテン・アメリカの現代詩——政治と小説の狭間で - Plenty of quality 
                                                                        • 中上健次が選ぶ150冊 - 昼の軍隊

                                                                          中上健次の没後出版された『現代小説の方法』という本は、彼の講演をまとめたものだが、最後におまけのような形で、「中上健次氏の本棚──物語/反物語をめぐる150冊」という章があって、中上が選んだ150冊の本のリストが載っている。元々は、1984年に、「東京堂書店神田本店でのブックフェア用に配布されたパンフレット」に載っていたもののようだ。以下、そのリスト。 『古事記』(岩波文庫) 『宇津保物語』(『日本古典文学大系10~12』岩波書店) 『日本霊異記』(東洋文庫、平凡社) 『太平記一・二』(角川文庫) 『往生要集一・二』(東洋文庫、平凡社) 『神道集』(東洋文庫、平凡社) 『説教節』(東洋文庫、平凡社) 『謡曲集』(『日本古典文学大系40~41』岩波書店) 上田秋成『雨月物語』(旺文社文庫) 上田秋成「春雨物語」(『春雨物語・書初機嫌海』新潮社) 近松門左衛門「心中天網島」(『日本古典文学大系

                                                                            中上健次が選ぶ150冊 - 昼の軍隊
                                                                          • 村上春樹の「街」が象徴するものとは?~新作『街とその不確かな壁』を読む(杉田俊介・批評家)/イミダス

                                                                            村上春樹の6年ぶりの長編小説『街とその不確かな壁』(新潮社)を読んで、こんなことを感じた。これは極私的な弔いのような小説なのだろう。私たちは、たとえうまくセルフケアできず自己愛を持てない時でも、自分で自分を弔いうる。そしてもう若くなく、病んだり傷んだりした心と体でも、新しい生活へと軟着陸していける。村上春樹はあるいは、国民作家や世界作家という重荷を降ろして、〝かけがえのない、大したことのない私(田中美津)〟として、この小説を書いたのかもしれない。それはささやかであるにせよ、とても大切な仕事ではなかったか。それなら、作中の単角獣の頭蓋骨の中に眠る夢を読むように、私たち読者が『街とその不確かな壁』を読むとは、どういうことか。 ⁂ まず基本的な事実を確認しておく。巻末に珍しく付された「あとがき」によれば、『街とその不確かな壁』は、文芸誌「文學界」1980年9月号に掲載された「街と、その不確かな壁

                                                                              村上春樹の「街」が象徴するものとは?~新作『街とその不確かな壁』を読む(杉田俊介・批評家)/イミダス
                                                                            • ちゃんとしようと頑張るんだけど元々弱い…みたいな人を描きたかったフランク・オーシャンやOPNも魅了された、(サンディー)・アレックス・Gの弱者が強くあろうとする虚勢の美学 | TURN

                                                                              ちゃんとしようと頑張るんだけど元々弱い…みたいな人を描きたかった フランク・オーシャンやOPNも魅了された、(サンディー)・アレックス・Gの弱者が強くあろうとする虚勢の美学 つい先ごろ、(サンディー)・アレックス・Gがパリの街中をギターを弾きながら歩く映像が公開された。これはフランス発の音楽情報サイト『La Blogothèque』のためにシネマ・ヴェリテの手法によって制作された作品で名をあげた、パリ出身のヴィンセント・ムーンがスタートさせた人気配信シリーズ『A Take Away Show』によるもの。様々なアーティストがパリの路上や地下鉄、カフェなどの街中で即興で演奏する様子を手持ちカメラで撮影・配信する企画だ。もう11年前になるが、ボン・イヴェールも『For Emma, Forever Ago』がリリースされた時にこのシリーズに出演しており(その時はヴィンセント・ムーン自身が監督を務

                                                                                ちゃんとしようと頑張るんだけど元々弱い…みたいな人を描きたかったフランク・オーシャンやOPNも魅了された、(サンディー)・アレックス・Gの弱者が強くあろうとする虚勢の美学 | TURN
                                                                              • ずっと図書館が友達。 - それなり日記

                                                                                先日の記事が暗めだったので、今日は平常運転な記事をアップする。 去年のことだが私はついに「図書館の概念香水」を買った。 香水に興味のない人は「マジで何言ってんの?」状態かもしれないが、そういうものがあるのだ。 『FUEGUIA 1833』というブランドの香水で、お高いのだが絶対に買って損はないはず。図書館を身に纏えるんだよ?買うしかない。…と思っているところに、まさかのセールのお知らせが。 アルゼンチンのブランドなので、サッカーW杯でアルゼンチンが優勝したら、翌日の店舗販売限定で20%オフだというのだ。 そんなお知らせが飛び込んできたものだから、私は期せずしてサッカーを観ることになった。スポーツ音痴なので、日本戦すら流し見だったのに。 ところがどっこい!(これさ、由来は何?相撲?うちの母親がわりと使うんだけども…)はちゃめちゃに面白い試合だった。 人間のアナログな動きで、こんな面白いものが

                                                                                  ずっと図書館が友達。 - それなり日記
                                                                                1