好きな匂いと言ったらケーキの箱だ。 すっきりした紙の匂いに混じるかすかな甘い匂い。ケーキよりも好きかもしれない。 むかし見たSMAP×SMAPのコントでもキムタクがケーキを喜んだあと「あとで箱の匂い嗅ごうな」と言っていた。あの匂いが好きなのは僕だけではないようだ(もしかしたら僕とキムタクのふたりだけかもしれないが、それはそれで光栄だ)。 あの匂いを手軽に、そしてどこでも満喫できるよう工夫しました。(林 雄司) 匂いだけのケーキ箱を作ります ケーキの箱の匂いははかない。 いい匂いを放つのはケーキを出した直後のわずかな間である。ケーキを出してしばらくすると箱は紙の匂いに戻ってしまうし、箱を冷蔵庫に入れると冷蔵庫の匂いが移ってあの凛とした匂いではなくなってしまう。 あの匂いが永遠に続けばいいのに。 僕の30年来の希望である。それが本稿の主旨だ。