2010年の国勢調査で、指定暴力団工藤会(本部・北九州市)系組長が市の推薦を受けて総務省に任命され、調査員を務めていたことがわかった。 市と総務省は暴力団員であることを知らず、任命後に警察情報で実態を把握。調査員は非常勤の国家公務員とされており、暴力団員であることを理由に罷免できる規定がないため、組長はそのまま計約50世帯を訪問して調査を終えたという。総務省は事態を重視し、次回調査までに調査員の選考基準を見直す方針を決めた。 福岡県警によると、この組長は60歳代で「直若」と呼ばれる工藤会上層部のメンバー。配下の組員は確認されておらず、単独で行動することが多いという。県警幹部は「資金繰りに窮してやむなく行ったのだろうが、組員を市民の個人情報に触れさせるのは問題がある。社会全体で暴力団を排除する制度作りが必要」と指摘している。 市企画課によると、組長は8月〜11月にかけての3か月間、調査員を務