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  • 0から1を作った経験 - レジデント初期研修用資料

    たとえば爆弾テロの事例がニュースで報じられれば、たいていの人はたぶん、それを「ひどい事件だな」と思う。テロリストの側に与する人が同じニュースを聞けば、もしかしたら「よくやった」と思うかもしれない。ニュースに対してどんな態度をとるにせよ、ニュースというものはほとんどの人にとっては消費の対象であって、それを経験として蓄積できる人は少ない。 同じニュースを聞いても、見聞した事例を通じて自分の経験値を高める人もいる。爆弾テロの事例ならば、爆弾を自分で作り、爆薬の威力というものを知っている人がそれであって、こういう人がニュースを見ると、「なるほどそういう仕掛けかたもできるのか」と、爆弾の仕掛け方がより凶悪になってみたりする。 どんな分野であれ、ゼロから何かを生み出す経験をした人は、あとは事例を見るほどに、自身の経験が増していく。 経験には2種類ある 100年続くチームを引き継ぎ、体育会のキャプテンと

    shadow-toon
    shadow-toon 2013/01/13
    車輪の再生産楽しいよ。
  • JASRAC の謝罪文について - レジデント初期研修用資料

    音楽著作権協会(JASRAC)が最近出した謝罪の告知 は、組織へのダメージを最少にするという意味において、上手な謝罪のお手に思えた。 以下引用。 雅楽演奏者へのお問い合わせについて. 昨日よりJASRACが雅楽演奏者の方へ著作物使用料の支払いを求めたなど、SNS等での書き込みや報道などがなされていることについて、ご説明いたします。. JASRACでは、全国各地で行われる演奏会などの催物において、JASRACの管理楽曲(以下「管理楽曲」という。)を利用される場合には、催物の主催者の方から手続きのお申込みをいただいた上で、 著作物使用料のお支払いをいただいております。管理楽曲の利用を確認せずに、著作物使用料のお支払いを求めることはございません。. 管理楽曲の利用が定かでない演奏会等の場合、主催者の方に電話や書面等でご連絡をし、管理楽曲のご利用の有無を確認させていただくことがあり、著作権消

  • 悪役には「ずれ」がある。主役には欠落がある - レジデント初期研修用資料

    漫画原作者である小池一夫 さんの「主人公には弱点を。敵役には欠点を」という教えは、シンプルなのにとても深いなと思う。物語を作る側ではなく、読む側からそれを改変すると、主役には「欠落」を、敵役には「ずれ」を、になるのではないかと思う。 悪の組織は素晴らしい 主人公に立ちはだかる「悪の組織」を束ねるのは、理想の上司と形容されるような素晴らしい人物でないといけない。 「ブラック企業」に代表されるような、部下をこき使う、魅力のかけらもないような人物を悪の黒幕として設定すると、主役の戦いに大義が生まれない。 ブラック企業上司は、部下となった人たちから選択肢と睡眠時間を奪う。部下に対して、組織に賛同する意思を引き出すのではなく、「組織に賛同しない」という選択肢を奪おうとする。物語ではたいてい、主人公は悪の組織に何かを奪われた存在として描かれるけれど、「ブラック企業」的な組織の末端には、やはり大切な何

  • 武徳について - レジデント初期研修用資料

    自分たちの業界だと「やる気」や「正義感」みたいな言葉であったり、あるいは生産の現場だと「現場力」だとか仕事の丁寧さ、といった言葉になるんだろうけれど、世の中のあちこちには、「軍人の武徳」に連なる何かというものがどこにでもあって、今はこれが失われたことになっている。 武徳は「あると便利なもの」 武徳を備えた軍隊は、恐ろしく強力になる。命がけで相手に立ち向かっていくし、容易なことでは戦線を崩さない。国のため、目的のため、武徳を備えた軍人は、それこそ死ぬ気で働いてくれる。 軍隊は、軍人は、武徳を備えていることがもちろん望ましいし、普段から武徳を発揮できるような訓練を受けるのだけれど、クラウゼヴィッツは、「武徳はあると便利だが、将軍は、兵士に武徳を求めてはいけない」と説いていた。武徳を備えた軍隊が勝った事例はもちろんたくさんあるのだけれど、武徳を持たない軍隊が、グダグダしながらも、それでも勝った事

  • 間違った「論」には意味がある - レジデント初期研修用資料

    勉強は大切だけれど、正しい知識だけを積むのは危ない。 武道を学ぶ際には、受け身の学習が欠かせない。正しい知識を学ぶときにも、正しくない知識の受け止めかたを知らないと、学ぶほどに大けがをする可能性が増えていく。 正しいことと説得できること 正しい知識を積んだ専門家が、ある日いきなり新興宗教に目覚めたりすることがある。そういう人は、学んだ経験こそ莫大だけれど、説得された経験を積んでこなかったのだろうと思う。 それが正しいことと、それが誰かを説得する力を持っていることとは、しばしばなんの関係もない。間違った知識に基づいた論理にたくさんの人が説得されることは珍しくないし、正しい知識を持っていることは、そうした説得から身を守るのに必ずしも役立たない。 正しい知識や、あるいは「努力」を積み重ねてきた人が、説得可能性が高い何かに初めて触れるときが危ない。こういう人は、積んできたものが大きくて、説得される

  • 悪い知識は大切 - レジデント初期研修用資料

    道徳は大切だけれど、道徳的な人間を生み出そうと思ったときに、道徳だけを教えたのでは片手落ちなのだと思う。道徳というものは、不道徳な「悪い知識」を土台にすることで、初めて堅固な力を持てる。 道徳の効用 理念や道徳というものは、「手続きに従えば簡単に扱える人間」を作る手段として役に立つ。 道徳を、道徳単体として「正しいものだ」と習った人は、道徳的に基づいて何かを促されると逆らえないし、よしんば法律に違反するようなことを命じられても、それが「道徳的なのだ」と強弁されると、高い可能性でそれに従ってくれる。 他人を陥れる方法や、欺瞞を運用して誰かに特定の振る舞いを強要する方法を教わった人は、人を操作するための手続きを見破ることができる。こういう知識を持った人は、運用された道徳から自由でいられて、結果としてたぶん、道徳や理念はどういうものが好ましいのか、自分の頭で考えられる。 どちらの人間がより好まし

  • 負けるのは大事 - レジデント初期研修用資料

    Recent Entries 負けるのは大事 悪い奴らは来なかった 体質改善は怪我に効かない 平凡なのにはわけがある 悪役の深度について 多勢を使いこなせる人 健全な保身について 責任者はいなかった 災厄に関するメモ 無様にやるのは難しい Recent Comments このは何でないのか 12/31 medtoolz 12/30 薬屋支店総務 12/30 愛読者 12/30 エリヤフ先生 12/29 medtoolz 12/29 元傍観者 12/29 medtoolz 12/29 エリヤフ先生 12/29 medtoolz 案外やっていけるお店のこと 12/30 kaka Recent Trackbacks 悪い奴らは来なかった 07:03 links for 2011-04-26... 危機コミュニケーション覚え書き 04/03 TokyoianBlog 理不尽にやると上手くいく 0

  • 責任者はいなかった - レジデント初期研修用資料

    東京電力の記者会見が、ニコニコ動画で公開されていた。 見どころというか、不気味な光景は30分を過ぎて以降の後半部分で、「放水の決定を下したのは、結局誰なのですか?」という記者の質問に対して、東京電力の人たちは「申し訳ありませんが、調査をしてから、改めて回答させて下さい」というコメントを繰り返していた。同じ質問を繰り返す記者と、ひたすら同じコメントを繰り返す東電の人たちと、空気が恐ろしく重たく見えた。 社長を出してはいけない状況がある 話の流れが「社長を出せ」につながりかねない、たとえば製品の瑕疵について、損害賠償を求める人との応対では、「社長に話をつながない」ことが原則になる。 相手との会話に臨む人は、「自分は事実関係を調べるための専門家」であるという立場を取る。クレーム対応の現場においては、事実に対するお互いの見解が、まだ十分に共有されていないから、そこにいるべき人は、事実関係を鑑定する

  • 理不尽にやると上手くいく - レジデント初期研修用資料

    ちょっと前、「ジューサーの中に金魚を入れる」という現代美術の展示があった。 ジューサーの中に金魚と水が入っていて、スイッチだけリモコンで、観客の側に置かれる。観客は誰もがそのスイッチを押すことができるようになっていて、「いつでも金魚を殺せる」という、その感覚が展示になっていた。 金魚の寿命を延ばすもの この展示で、実際にボタンを押せた人はたぶんいないのだろうけれど、これをたとえば、ジューサーに入れた金魚をインターネットで公開して、ネットの向こう側にいる誰もが、匿名のままそのボタンをクリックできるようにしておくと、誰かがボタンを押してしまう。多数決ルールを導入して、「ボタンを押した人が累計で10人を超えたら、ジューサーの電源が入ります」という看板を出しておくと、ボタンが押される閾値はますます下がる。 匿名ルールを廃して、たとえばTwitter のような、押した人をある程度トレースできるメディ

  • 「暗い部屋」感想 - レジデント初期研修用資料

    「暗い部屋」というビジュアルノベルを読んだ感想文。同人ゲームだけれど、Amazon から購入することが出来る。公式サイトはこちら。感想だけ。伏線の検証とか、たとえ話の対比を調べたりだとかはこれから。 暗い部屋posted with amazlet at 10.07.01暗い部屋制作委員会 Amazon.co.jp で詳細を見る 背景写真と効果音がついた小説形式になっていて、アニメ絵の立ち絵だとか、台詞の朗読はないから、夜の医局で読んでも大丈夫。 背景写真は黒ベースの渋いものが多くて、目に優しい。ちょっと厚めの文庫1冊ぐらいのテキスト量で、数時間で読めた。 以下、読んでいる間に書いたメモ。 人が人でいるためには場所がいる。壁で囲まれた場所。自分を取り囲む、小さな箱から脱出しましょうなんて、当にそこから脱出できた人がいたとして、それはもはや、人でない何かなんだろうと思う 箱にはたぶん、最低

  • 動作が意識に先行する - レジデント初期研修用資料

    「動作には文脈があって、身体というものは、頭から、あるいは環境から入力された動作文脈に対して予測された次の動作を返す、 一種の推測変換エンジンである」と仮定する。 生まれたばかりの生き物は、恐らくは空っぽのデータベースしか持っていない。人間の子供は、だから手足をばたばたと動かして、 試行錯誤の結果として、はいはいとか、歩行といった動作を獲得していく。この獲得は、動作の拡張というよりも、むしろ 無駄な動作をそぎ落とすことによって行われる 様々な動作には、それに意味があったのかどうか、意識による重み付けが行われる。どこかにたぶん、状況ごとに推測されるべき、 「次の動作」のデータベースみたいなものがあって、意志だとか、外界からの環境刺激がそこに入力されると、 身体は、それまでの動作文脈から推測された、次に来るべき動作を返す。「推測」という工程を入れることで、動作が先、 意識はそれを追認するという

  • どこかに「グー」がある - レジデント初期研修用資料

    病院での交渉ごとというのは、何しろあいては白衣を着て、なんだかえらそうな椅子に座っているものだから、一見すると圧倒的に、医師側のほうが有利に見えるんだけれど、実際白衣を着て座っている側からすれば、患者さんが、特に患者さんのご家族が、怖くて怖くてしかたがない。 「グー」がない 医療交渉というのは、じゃんけんでたとえると、自分たちには「グー」を使う権利が与えられていない。 患者さん側には「グー」「チョキ」「パー」の選択枝があって、自分たちには「チョキ」と「パー」しかなかったら、これはもう、絶対に勝てるわけがない。 もちろん医療というサービスを提供しているのは自分たちの側だから、それを断られたら、患者さん側にはなすすべがないんだけれど、医療者側は何よりも、何かトラブルになったときに失うものが大きすぎて、一度失うと、それは取り返しがつかないものだから、患者さんから「グー」を使われる、何かをごり押し

  • 「書かれたルール」と「本当のルール」 - レジデント初期研修用資料

    ルールブックに書かれたやりかたと、そのゲームに勝つためのやりかたとはしばしば異なって、 ゲームはだから、「ルールを守る」のが好きな人と、「ゲームに勝つ」のが好きな人と、 たいていは2つの文化が衝突する。 「イヤーノート」という教科書 「がルールを書き換えた」先例がうちの業界にはあって、医学生ならたいてい誰もが持っていて、 医師ならたぶん10人が10人、そのを「クソだ」と断じる、「イヤーノート」という教科書がある。 医学部というのは医学を学ぶ場所だから、医学生の教科書というのは、 もちろん「医学」が体系的に、権威ある先生がたによって記述される。 教科書には、医師として知っていなくてはならないこと、診療に大切なことが中心に記載されて、 みんなそれを読んで勉強する。 ところが自分たちには「国家試験」というものがあって、これに合格しないことには、仕事が始まらない。 国家試験も試験である以上、「

  • 状況記述言語について - レジデント初期研修用資料

    ライトノベルだとか、ニコニコ動画を見ながら考えていること。 登場人物が喋りだす 売れたライトノベル「涼宮ハルヒ」のシリーズは、なんだかんだ言ってもよくできている。3冊ぐらい読むと、頭の中で、 登場人物が、勝手にしゃべり出すような印象を受ける 「ハルヒ」の二次創作を、いろんな人が行っている。無数にあるから、適当につまみいするような読みかたしか できないんだけれど、読んでいて、自分が持っていた登場人物の印象と、ほとんど矛盾がない。矛盾しないということは、 二次創作の作者さんと、自分の脳内にいる登場人物とは、恐らくはだいたい同じ「人格」を共有できていて、 あの小説はたぶん、文庫3冊ぐらいの容量で、仮想人格みたいなものを生み出すのに成功している 「面白い小説」と「喋りだす小説」とは、重なりはほんの一部なのだと思う。「ハルヒ」よりも面白い小説は たくさんあるけれど、登場人物が喋らないものも、やっ

  • 機関銃の社会史 - レジデント初期研修用資料

    機関銃の発明が、戦場にもたらした影響について論じた。南北戦争から、第一次世界大戦初期の逸話。 歴史経過 手回し式のガトリング銃は1862年、マクシム型機関銃は1884年、ブローニング機関銃は1892年に、それぞれ発明された。 南北戦争は1861年-1865年。すでにガトリング銃が活用されていた。 ヨーロッパのアフリカ攻略もだいたい同じ頃。ヨーロッパの軍隊もまた、 発明された機関銃をアフリカ大陸に持ち込んで、その威力を十分に把握していた。 第一次世界大戦が始まったのは、1914年。 機関銃は、第一次世界大戦以前から広く用いられ、その威力は軍隊の誰もが知っていたにもかかわらず、 ヨーロッパの軍隊では、機関銃の重要さが認識されなかった。 19世紀の士官達は、戦場は、あくまでも人間が主役であって、個人の勇気や一人一人の努力が 勝負を決するという信念に固執していた。機関銃は、普通の小銃の射程が伸び

  • 怪しげな医療のこと - レジデント初期研修用資料

    オリンピック目指すような運動選手のそばに、何だか怪しげな医師だとか整体師だとかが群がってるのは、 たぶん選手の周りにいる人達が、「原因」を求めるからなんだと思う。 「理由の不在」は、たぶん運動選手の文脈では認められない。伝統的な西洋医医学が 「分からないけれど様子を見ましょう」なんて繰り返すたび、理由を求める人達は、 「これが原因です」という断言を求めて、怪しげな「診断」を提供する治療者にたどり着く。 選手に「安静」は許されない マラソン選手の人達が「ふくらはぎの違和感」なんかを訴えても、あれを自分たちの医療機器で証明することは、 もしかしたら難しい。筋肉に出血でもあれば、それをMRI で見つけることもできるけれど、 運動選手の感覚はものすごく鋭いだろうから、恐らくは「出血」なんて状態になるはるか手前で、 異常を「違和感」として訴える。 西洋医学の文脈では、「分からないけれどとりあえず死な

  • ステレオタイプの疲弊 - レジデント初期研修用資料

    深夜の救急外来、よく分からない訴えの患者さんを載せた救急車を出迎えたら、 旅行鞄に大荷物抱えた患者さんのご家族が降りてきたことがある。「どうしましたか?」なんて、 いつもの問診取り始めたら、「どうもこうもない、今すぐ入院させろ!」だなんて、 お父さんから怒鳴られた。ゴールデンウィーク直前、まだ研修医だった頃。 何とかなだめて話を聞いて、要するに年寄りを旅行期間だけ引き取ってほしいだなんて、いつもの話。 ゴールデンウィークに旅行の計画を立てたけれど、 家にいる年寄り一人、引き受け手がいないままに時間だけが過ぎて、 飛行機の予約ぎりぎりのタイミングが「今」なのだと。 もう時間がないだとか、自分たちは悪くないんだとか、親戚は誰も引き受けないとか。 どこも悪くない、普通に歩ける高齢者挟んで、怒る父さんと研修医、明け方まで押し問答した。 あの頃はまだ、こんなケースは珍しかったけれど、今年のゴールデン

    shadow-toon
    shadow-toon 2008/05/07
    "普通"なんて幻想ですよ。
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