皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 本日は【180】バットを振りました。 色にちなんだ小説を読みながら、 バットを振っています。 今日は「黒」色ということで、 宮沢賢治, 『黒ぶだう』 (多分、葡萄でしょう) 青空文庫より引用。出だしだけ。 仔牛が厭きて頭をぶらぶら振ってゐましたら向ふの丘の上を通りかかった赤狐が風のやうに走って来ました。 「おい、散歩に出ようぢゃないか。僕がこの柵を持ちあげてゐるから早くくぐっておしまひ。」 仔牛は云はれた通りまづ前あしを折って生え出したばかりの角を大事にくぐしそれから後あしをちゞめて首尾よく柵を抜けました。二人は林の方へ行きました。 狐が青ぞらを見ては何べんもタンと舌を鳴らしました。 そして二人は樺林の中のベチュラ公爵の別荘の前を通りました。 ところが別荘の中はしいんとして煙突からはいつものコルク抜きのやうな煙も出ず鉄の垣が行儀よくみちに影法師を落してゐるだ