2010年12月14日08:10 カテゴリ本法/政治 サンデルの政治哲学 先週、自由が丘の本屋に行ったら、入口のところに『ハーバード白熱教室講義録』と本書が山のように積まれていて驚いた。日本人の感覚に合うとは思えないアメリカ的な政治哲学がこんなに受けるのは不思議な現象だが、『講義録』は『これからの「正義」の話をしよう』と内容がほとんど同じで、前著を読んだ人が買う価値はない。 サンデルを本格的に勉強しようと思う人は『リベラリズムと正義の限界』を読むかもしれないが、これは細密なロールズ批判なので、『正義論』を読んでいないと何を論じているのかわからないと思う。またロールズもサンデルもその後、立場を変えたので、最近の議論までコンパクトに紹介している本書が便利だ。 わかりやすいのは、サンデルの立場を師匠のテイラーまでさかのぼって整理し、ヘーゲリアンであるテイラーの思想から説明している点だ。テイラーを
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