ヨウ素やストロンチウム吸着の基材を作る大型の装置を示すエル・ザフティさん=茨城県つくば市の物質・材料研究機構で2011年7月27日、安味伸一撮影 物質・材料研究機構(茨城県つくば市)は27日、放射性汚染水に含まれるヨウ素やストロンチウムを効率よく除去できる新しい材料を開発したと発表した。東京電力福島第1原発では大量の汚染水を浄化するシステムの稼働率向上が課題となっている。今後、日本原子力研究開発機構と協力して実用化を急ぐ。 新材料は、直径2~20ナノメートル(ナノは10億分の1)の無数の穴が規則的に並んだシリカ(酸化ケイ素)で、穴の内壁に特殊な化合物を敷き詰めたもの。化合物の種類を変えることにより、ヨウ素またはストロンチウムを化学的に吸着できる。 同機構によると、新材料1グラムあたりの吸着能力は、ヨウ素の場合20ミリグラム、ストロンチウムは13ミリグラム。原子炉内でできるストロンチウム90