世の中には変な本というのがある。いや、変というのは主観にすぎないが、なんなんだろうこれ、と思わせるような本がある。なんだろうこれ、というのは、目的はわかるし、価値もわからないではないし、なにより面白いんだよこれ、という本である。『筋力トレーニング法100年史(窪田登)』(参照)はまさにそういう印象の本である。 内容は表題によく表れている。筋力トレーニング法の100年史である。この一世紀の間に出現した各種の筋力トレーニング法の歴史である。 で?とここで思う。それになんの意味があるのだろうか? ごく簡単に言えば、半世紀以上昔の筋力トレーニング法から現在学ぶことがあるのかというと、まあ、ほとんどないと言ってよい。正統医学がかつて瀉血療法を中心にしていたからといって、現在そこから学ぶべきことは何もないと言ってよいのと同じだ。ではなにゆえ? その前にこう考えるべきなのだ。なぜ、筋力トレーニングをする