絶望の書・ですペら (講談社文芸文庫) 作者: 辻潤,武田信明 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1999/08/10 メディア: 文庫 クリック: 12回 この商品を含むブログ (17件) を見る 人間がイヤイヤ自分の仕事をしているということより悪いことはまずこの世の中にはありそうもないことだ。況や、単に食わんがためにイヤイヤ仕事をしなければならないなぞということは考えてみても馬鹿馬鹿しい話だ。 「にひるの漚」 読書というものは、自分以外の人間の思想や感覚を追体験し、自らの視野を広げるというような部分もある。一方で、あまりにも著者とシンクロしすぎて、「おまえはおれか?」という気分になってしまうときもある。おれにとって辻潤とはそのような人のように思えてならない。 しかし、生きている間はまたなんとかよきことが湧いてくるかもしれないという妄想を断ち切れず、あさましき醜骸を曳きずって歩いてい