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white_cakeに関するsphynxのブックマーク (26)

  • 宇宙ひとつぶんの向こうで - wHite_caKe

    ヒソダさん(仮名)はとてもいい人です。 いい人だよね、と言われる人は大勢います。というか世の人々の多くは、「どちらかといえばいい人」に入るのではないでしょうか。 ですから、「いい人」ってのは別に珍しい存在ではありません。 けれど、ある人にとって「いい人」に思える誰かが、別の誰かにとってはちっとも「いい人」なんかじゃないってことも、よくある話です。 そういう意味では、ヒソダさんはとても珍しい人でした。だって誰もが、彼を「いい人」と褒めるのですから。 ヒソダさんてああ見えて実はちっともいい人じゃないよね。そんな陰口を一切叩かれることがなく、 「ヒソダさんてどんな人?」 という問いに皆が口をそろえて 「いい人だ。とてもいい人だよ」 と答えるというのは、なんだかすごいことだな、と十年前の私は思っていました。 その日も私は、「ヒソダさんはいい人だね」と言いました。 すると友人のルルカ(仮名)は、ぎゅ

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  • こんな時だからこその福島の銘菓情報 - wHite_caKe

    今日、ツイッターで「こんなときだからこその福島の銘菓情報」をつぶやいてみたら、案外と好評でしたので、まとめなおしたものをこちらに掲載いたします。 福島のオススメ名物菓子を、私の独断と偏見で勝手に紹介! ぜひぜひお買い上げください。美味しいから損しないよ! 福島も潤うよきっと! 三万石 欧風饅頭エキソンパイ まずは欧風饅頭エキソンパイ! パイ皮にくるみたっぷりの餡がくるまれた和洋折衷のお菓子です。 あっさりと上品な甘みの餡と、香ばしくて歯ごたえのよいくるみと、バターの香りたっぷりのしっとりしたパイ皮のバランスがまさに絶妙。 洋風饅頭じゃなくて欧風饅頭ってかんじの味ですよ、何言ってるかわかんない人はべてみればきっとわかる! 和菓子やあんこが苦手が人も、エキソンパイはおいしいと喜びます。 昭和三十五年から長い間愛され続けてきた歴史が、一口で納得出来るお菓子です。 ままどおる(三万石) 地元の人

    こんな時だからこその福島の銘菓情報 - wHite_caKe
  • 二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その11〜 - wHite_caKe

    これまでの分 その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 その8 その9 その10 文 暑さがゆるみ、秋の涼しい風が吹くようになる頃から、セキゼキさん(仮名)の調子は、はっきりとよくなりはじめました。 もともとセキゼキさんは暑さと湿気にめっぽう弱く、夏になると体調が崩れやすいところがありました。 体と心というのは密接に関連しています。体調が悪くて苦しいときに、明るく前向きな気持で生きるというのはなかなかに困難だったりしますし、精神的な不調から当に病気になってしまう人も大勢います。 「規則正しく、刺激の少ない穏やかな生活は、うつという病気に対する薬になります。 気持ちを落ち着ける薬を飲めば、穏やかに過ごせる時間が増えます。睡眠薬を飲めば、眠れない夜が減って、規則正しい生活を送りやすくなります。 私が処方する薬は、あなたの生活を手助けする役目も持っているんですよ」 これはセキゼ

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  • 二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その10〜 - wHite_caKe

    これまでの分 その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 その8 その9 文 2007年5月27日の日ダービー。 セキゼキさん(仮名)と私は、コースの内側から、レースを観戦していました。 1番人気馬と2番人気馬が興奮してオーバーペースで潰れる中、自分のペースをきっちりと守ってゆうゆうと先頭に立ったのは、アサクサキングスという人気薄の馬でした。 素人目からも、このアサクサキングスって馬が絶対勝っちゃう流れに見える、と私は思っていました。「紅一点の果敢な挑戦」とやらは、やはり無謀に終わったのか、まあ現実なんてそんなものだろうな、とも。 最後の直線にさしかかってもアサクサキングスはしっかりとセーフティリードを保っており、疲れた様子もありません。 このリードを覆せる馬は出てこないだろうな、と私が思ったその時。 後方の馬群から一頭、飛び出してきた馬がいました。 「うそだろ!?」 セキ

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  • 二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その9〜 - wHite_caKe

    これまでの分 その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 その8 文 ドアの閉じる音が聞こえた瞬間、私はびくっと体を震わせて、目を覚ましました。 (いかん、またトイレで眠ってしまった) 2008年の夏、セキゼキさん(仮名)の病気が悪化した影響で、私の睡眠時間は極端に削られていました。 仕事中、どれほど忙しく手を動かしている時でも、意識を失いかねないほど眠くなる時があり、大抵は目を覚ますためにトイレに行ってそのままそこで寝てしまう、という事態がしょっちゅう起こるようになっていました。 当然、トイレでそれほど寛いだ睡眠ができるわけはなく、二、三分で目は覚めちゃうんですが、それでもトイレで寝ていることが同僚にばれたらどうしよう、と私は毎日怯えていました。 (セキゼキさんが調子が悪い日は、会社を休んで付き添ったりもしてるから、ただでさえFさんに嫌われてるもんね……) 私は手を洗いなが

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  • 二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その8〜 - wHite_caKe

    これまでの分 その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 文 セキゼキさん(仮名)が初めて真剣に見た競馬のレースは、1991年の有馬記念でした。 競馬ファンの方ならそれがどんな意味合いを持ったレースだったのか、もうお分かりでしょう。 91年の有馬記念は、スターホース、オグリキャップの引退レースだったのですから。 ファンに愛されたオグリキャップは、その年もファン投票では堂々の一位を獲得して、レースに臨みました。 二流の血統しか持たぬ馬と言われながらも数々の名勝負を制し、年上の絶対王者を下し、国際的大レースで世界記録のタイムを叩き出した、『芦毛の怪物』オグリキャップ。ファンの人気が集まるのも、当然のように思えます。 ですが。 馬は人間よりもずっと早く成長し、老化する生き物です。 91年の秋、オグリキャップは勝ち星から遠ざかって久しく、「オグリキャップはもうダメだ」、「衰えた」と評

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  • 二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その7〜 - wHite_caKe

    これまでの分 その1 その2 その3 その4 その5 その6 文 2008年7月1日の夕方。 私は帰宅後、久しぶりに自分で事の用意をしていました。 まだ不安は拭えないものの、それでもとにかく復職までこぎつけたセキゼキさん(仮名)のために夕を作ってお祝いをしてあげたい、と思ったからです。 今でもあの時のメニューが思い出せます。 ミネストローネとアボガド入りのポテトサラダ、それにハンバーグ。 復職初日なのだから、セキゼキさんもそう遅くならずに帰ってくるだろうと考えながら、とにかく急いで手を動かしていたのですが。 (……それにしても遅いなあ、なにしてるんだろう。グループが違うと勤務場所まで違うってのは、こういうとき不便だね。同じ建物で働いていれば一緒に帰れたのに) 不安になって携帯にかけてみたのですが、セキゼキさんは出ません。 (まさか事故、とか) セキゼキさんの帰宅までには到底間に合わな

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  • 二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その6〜 - wHite_caKe

    これまでの分 その1 その2 その3 その4 その5 文 薬が効き始めたからといって、何もかもがきれいによくなるわけではありません。 少しずつ眠れるようになってきてはいましたが、それでもやはり、闇と共に訪れる恐怖と不安に、セキゼキさん(仮名)が押しつぶされそうになる夜もありました。 とはいえ。 辛いことが全部なくならなくても、ちょっとずつであっても減ってきている、というのは大いに励みになります。真面目に薬をのんで、できるだけ規則正しく、穏やかに暮らして、そうやって日々を積み重ねていけば、いつか何もかも元の通りになる日が来るに違いない、そう思えば、目前の辛さをなんとかやり過ごすことができます。 ある日、一緒にテレビを見ていたセキゼキさんが、ぽつりと呟きました。 「モンハンやりたいなー。モンハンならシロイと一緒に遊べるし」 テレビではちょうど、当時発売されたばかりの「モンスターハンターポータ

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  • 二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その5〜 - wHite_caKe

    これまでの分 その1 その2 その3 その4 文 あの頃の私が生活の中で、一番楽しみにしていたのは、「午後出張」でした。 帰社せずに直帰できるのが純粋に嬉しかったというのもありますが、何よりも電車の中で眠れるのがありがたかったのです。 普段通勤で使っていた電車は、どんな時間帯に乗っても混んでいて絶対に座れなかったので、電車で眠るというのは、無理でした。 ですが、午後出張の帰りに使うコースですと、乗り換えの際に「当駅始発」の電車を狙うことができました。 当駅始発ならば、前もってホームに並んでいれば、かなりの確率で座れる。 そして、座りさえすれば、最寄り駅まで40分以上の道のりを、まるまる眠れる! 「病院に行くか行かないか」という延々と続く口論で睡眠時間ががしがし削れていた当時の私にとっては、安心して眠れる40分間は非常な魅力だったのです。 ……まあ、あまりにも安心して眠りすぎたせいで体が前

    二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その5〜 - wHite_caKe
  • 二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その4〜 - wHite_caKe

    これまでの分 その1 その2 その3 文 セキゼキさん(仮名)が繰り返し逃避行を続けた2008年3月27日から28日の二日間を、後に私たちは、「魔の二日間」と呼びました。 セキゼキさんにとってはこの「魔の二日間」は暗くて重い渦のようなもので、未だにしっかりと思い出すことができないのだそうです。おそらくこれから先も、きちんと思い出せるようになることはないでしょう。 私の場合は逆に、駅の改札でセキゼキさんに会ってから、最後に家に連れ戻すまでの過程は、焼き付いたように鮮明な記憶となっており、まるで昨日のことのようにはっきりと思い出せます。 ですが。 セキゼキさんを最後に家に連れ戻した時から、私の記憶は急に曖昧になります。断片的で時系列がはっきりとしないバラバラの思い出があるだけの空白の日々が、それからしばらく続きます。 あの頃のセキゼキさんはとにかくゾンビみたいだった、ということは覚えています

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  • 二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その3〜 - wHite_caKe

    これまでの分 その1 その2 文 やっと帰ってきたところで、大袈裟に騒ぎ立てたら、セキゼキさん(仮名)はまた外に飛び出していってしまうかもしれない。 そう考えた私は、できるだけ何気ない風を装って、 「おかえりなさい。どこに行ってたの?」 と尋ねました。 セキゼキさんは短く、 「山」 と答えました。 山か……山ね……なんで山なんかに行ったんだろう、だいたいドコの山なんだろう。 「そうかー、山かあ。お昼はどうしたの? 何かべた?」 「しいたけ」 再び、単語だけの短い返答。 「そうかー、しいたけかあ。山だからしいたけくらい生えてそうだもんなあ。なるほどねえ……」 その時、私の頭の中に浮かんだのは、セキゼキさんが山の中を歩きながら、手近に生えていたキノコをとってそのまま口に放り込んでいる姿でした。 って、ええええええええ!? 「ちょっと、セキゼキさん、そのしいたけって、どこにあったやつ!?」

    二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その3〜 - wHite_caKe
  • 二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その2〜 - wHite_caKe

    その1はこちら。 文 あの晩、私たちはぐるぐると当てもなく三時間ほど歩きまわりました。 セキゼキさん(仮名)は落ち着いたのか、それとも疲れたのか、「もうダメだ、早く終わりたい」と繰り返すのをやめ、黙々と歩くようになっていました。 気がつくと、いつの間にか私たちは駅の近くまで戻ってきていました。 「セキゼキさん、とりあえず今日は私の家に帰ろう。お腹も空いてるだろうから何かべようね?」 セキゼキさんはこっくりと頷き、私はテイクアウトのカレーを買いました。 事を終えたセキゼキさんは、 「さっきは走って逃げて悪かった。シロイが会社の人と手を組んでると考えるなんて、今思えば自分でも当におかしかったと思う」 と謝りました。 私はセキゼキさんが自分の異常さに気づけたことが嬉しくてたまりませんでした。この人はストレスで一時的に錯乱していただけで、やっぱり当におかしくなっているわけじゃなかったんだ

    二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その2〜 - wHite_caKe
  • 二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その1〜 - wHite_caKe

    2008年3月27日木曜日。 16時頃、私の携帯に、セキゼキさん(仮名)からメールが入りました。 今シロイの最寄り駅の近くにいるから 帰る頃メール欲しい。迎えに行きます 平日のこんな時間、勤務中の筈のセキゼキさんが、一体なぜこんなメールを……? 何かおかしなことが起きているんじゃないかという、もやもやした不安を抱えながら、私は「わかった。職場を出たらすぐにメールする」と返信し、その日は定時になるとすぐに、職場を飛び出しました。 改札を出てすぐのところに、セキゼキさんは立っていました。 「どうしたのセキゼキさん、今日は仕事はどうしたの?」 「行けなかったんだ仕事……どうしても電車に乗れなくて今朝……ホームで何も電車を見送って……でもどうしても足が動かなくて……」 その答えを聞いた瞬間、やはりそうか、と私は心中ひそかに呟きました。ここ数ヶ月、セキゼキさんの情緒が目に見えて不安定になっているよ

    二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その1〜 - wHite_caKe
  • 大和撫子の声 その2 - wHite_caKe

    モテてモテてしょうがないが故に、人生がたいへんなコジョウ・ミミエ(仮名)さんのお話第二話でございます。 第一話はコチラとなっております。 考察「大和撫子の声について」 今更これを言うのはなんなんですが、実はミミエさんは際立った美人というわけではありません。 私の友人にもミミエさんよりかわいいな、綺麗だな、と思える子は幾人もいます。 だけどその中の誰ひとりとして、ミミエさんほどにモテることはない。 じゃあミミエさんの異常なモテの理由って何なの、というのは周りの人間にとっては深い謎に包まれていました。たぶんヘテロ男性じゃないとその理由の核心はつかめないんだろうな、と私は未だに思っていますが、ミミエさんには一つ、際立った特徴がありました。 人当たりがとてつもなく良くて。 声がうっとりするような甘さと美しさを持っており。 心地よく耳をくすぐる優しくて柔らかくて感じの良い、そんな口調で話をするのです

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  • 大和撫子の声 その1 - wHite_caKe

    「あなたはモテたいですか、それとも全くモテないほうがいいですか?」 と問われれば、それはやっぱりモテたいと答える人のほうが多い気がするのですね。全くモテない方がいいです私はモテなんて邪魔です、とか言う人はあんまいねーだろーな、つーか。 でもまあここで、 「じゃあモテモテになればなるほどいいですか。モテの度合いが強ければ強いほどオッケーですか!?」 と訊かれたらたぶん私は、 「いやたぶんソレは違うつーか、過ぎたるは及ばざるが如しつーか、過ぎたるモテは身を滅ぼしかねん気がするので、適正値のモテにしてください。君子は中庸をすってやつです君子じゃないけど」 と答える気がします。 うん、だって、ほんとにモテてモテてしょうがないひとって、すごい大変そうな気がするんだもの。 というか私は、モテすぎて人生が狂ってしまってるんじゃないのこの人、という人を知っているのでした。 彼女の名前はコジョウ・ミミエさん

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  • 暗号ゲームと拡大解釈。曖昧な境界線の上で - wHite_caKe

    レイプ被害についての様々なやりとりが最近、あちこちを賑わせているのです。 この手のやりとりの恐ろしいところは、盛り上がれば盛り上がるほど、男と女というのが無闇に対立するような構造になりやすいところだと思っています。おまけにその構造は男は加害者、女は被害者みたいな二元論ぶりでおまけにその場合の男と女って、ヘテロ前提ですが何か?風に語られている気がして、それもまたよくないよねえ、と感じます。 そしてさらに、しばし待たれよ、ほんとにこの手の性犯罪と自衛を結びつけた議論において、男女は必ず対立するものなのですかどうなのですかそのへん。 『24人のビリー・ミリガン』において、レイプを行った加害者たる人格はアダラナという名の19歳女性の人格だったりすることを思い出したりして。 さて、レイプの話になると、自衛すべきだという意見は、大体こんな風になるのではないかと思います。 「もちろん加害者が悪いのは確か

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  • ぼくたちわたしたちのカニバル・カーニバル - wHite_caKe

    人肉について考えたこと、おありですよね? 少なくとも「人肉って美味しいのかな、それともまずいのかな?」とそのくらいのことをちらっと考えたことは、あるはずです。「いやー、一回も考えたことないね」 とおっしゃる方を、私は以下の理由で信用しません。 人肉を題材として取り扱っている作品は、映画小説・マンガなど、多くの分野に数多く見られ、フィクション、ノンフィクション共に豊富です。そういった作品に接した経験がないという方は、ありとあらゆる作品と呼ばれるものに接した経験が過小であるか、接してもその内容に対して少しも考えをめぐらせたことないか、そのどちらかです。どちらであるにせよ、私はそのような方をあまり信用いたしません。 多くの作品に接したことがあり、その内容について思いをめぐらしはするけれども、人肉についてのみ盲点のように考えが及ばなかった、と言い張る方。あなたはおそらく嘘つきですので、信ずる

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  • 少年12歳天命説 - wHite_caKe

    過去 以前、プロマジシャンのマーカ・テンドーさんとお話したときのことです。 「テンドーさんて、マジック始めたのまだ子どものときですよね?」 「うん、そうだよ」 「何がきっかけだったんですか?」 「よくある話で、デパートのマジック用品売り場だよ。マジックの実演販売見て、おれも絶対できるようになるぞ、と思って、その場で『ラリー・ジェニングスのカードマジック入門』*1を買ったんだ」 「だけ買ったんですか? だけあっても、家にあるトランプで練習するのは無理ですよね」 「そうなんだよ、家のトランプの通りにやっても、上手くいかないから、おかしいなあと思ってさ」 「そうですよねえ。プラスチックトランプじゃねえ」 あまり知られていないことですが、日国産で遊戯用として流通しているトランプのほとんどは、マジックを演じるのには不向きです。 プラスチックトランプは、絶縁体で滑りませんので、演技上重要なテ

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  • 集団墓参り - wHite_caKe

    さて、今回私がホラーを求める気持ちになったのは、実は下記のような事柄があったからなのでした。 その四 セキゼキさんの話 その日、私は近所に住むセキゼキさんとの待ち合わせ場所に向かっていました。 すると、前方から「ひえっ、ごめんなさい」という声がきこえ、ふとそちらを見ると、なんとセキゼキさん(仮名)が慌てた様子でこちらにやってくるところでした。 あらちょうどいいタイミングだけど、なんだか様子が変だなあと思いながら、私は挨拶をしました。 「こんちわー。どしたん泡った様子で」 「いや、この坂を下った先に霊園があるんだけど、おれ、待ち合わせに遅れそうだから近道しようと思ってね、霊園を突っ切ったのよ。 そしたら! なんかふと気がついたら五十人くらいの人が、周りに立っててさ。おれをすごい目つきで睨んでいたわけ。 なんかよくわかんないけど、集団墓参りとかそういう宗教的セレモニーの最中だったのかな? と

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  • 晴れ姿 - wHite_caKe

    引き続き、シロイが身近な友人・知人からこつこつ聞き集めたホラー話でございます。 その一はコチラ、その二はコチラとなっております。 話者の身元等を守るため、一部に事実改変がございますので、ご了承ください。 その三 Kさんの話 「うちの職場では、若い子たちが交代で夜勤してるのよ。と言っても、大抵は何にもやることないんだけどね。一晩宿直室で寝て過ごすだけの楽な仕事で、それなりの額の手当てが出るし、翌日は無条件で休みになるし、けっこう自分から夜勤やりたがる子も多いんだな。 なのに二ヶ月くらい前から、夜勤を嫌がる人間が増えてきた。いつも自分から夜勤を買って出る子まで嫌がるからこれはおかしいぞって話になって、その中の一人を呼び出して、話を聞いたんだ。 そしたら……出るっていうんだよね。夜中に宿直室の中を黒い影が動き回るっていうんだ。そんな噂を笑い飛ばして夜勤に出た子まで、翌朝になると真っ青になって宿直

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