『うちのメイドは不定形』で、「前の御主人」について「グレート・オールド・ワン」のルビを振ったことについて、若干の混乱が起きてる様子。ご自分で調べていただきたいところではありますが、過去原稿を流用しつつ軽く触れておきましょう。 ラヴクラフト作品における"Great Old One"の初出は「クトゥルーの呼び声」(1926年)。文庫版全集では「大いなる古き神々」の訳語が与えられています。大いなるクトゥルーは"Great Old One"の大祭司とされています。地球上の信者たちはクトゥルーの似姿を彫像で知っていても、神々がどのような姿をしているのかは知らないとされつつ、その少し先には"Great Old One"はクトゥルーの眷属なのだと読みとれなくもない記述があります。(『エンサイクロペディア・クトゥルフ』のダニエル・ハームズ氏はこの見解を採っているようです)。 続いて、「ダンウィッチの怪」。