ここ数日、テレビやインターネット上では、大津市の中学生「自殺」事件が盛んに論じられ、過熱した一部の者による加害者やその親族探しにまで発展するといった状況である。アメリカでもこの過熱ぶりが報じられているが、この事件の加害者の行為の残忍さもさることながら、それ以上に、ネット上で加害者の氏名やその親族の会社までもが実名でさらされる事態の異常さに注目が集まっているようだ。 結論から言うと、このような事態は到底看過できるものではなく、当事者でもなんでもない第三者の立場の者が匿名でよってたかって確たる証拠なく加害者やその親族の実名をさらして喜ぶ姿は、この加害者と親族の問題とは全く別に、それこそ集団による「いじめ」の構造を如実に示しており、むしろ自分では正しいことをやっている、あるいは別に悪いことをしているわけではないと思い込む者らによって、いつのまにやら「いじめ」問題が発生してしまうというこの問題の根