2002年6月23日の『PRIDE.21』で行われたドン・フライと高山善廣の一戦は、20年の時が経ったいまでも、伝説の試合として語り継がれている。あの日、我々が目にしたものは、技術を超越した魂のぶつかり合いであり、漢の決闘であった。数多くの名勝負を撮影している私にとっても、このファイトは別格である。 フライは1996年2月の『UFC.8』でMMAデビュー。当時のUFCは8人によるワンデイトーナメントだったが、見事に優勝を果たした。私は試合後、フライと話をした。彼は現役の消防士で、プロボクシングの経験もあるという。UFCにはダン・スバーンの紹介で、腕試しとしてチャレンジしたそうだ。その後もMMAの試合を続け、11勝1敗の好成績を残したまま、プロレスのリングへ。1998年にはアントニオ猪木の引退試合の相手も務めた。PRIDEには2001年から参戦した。