インターネットでどんなサイトを閲覧したかがすべて記録される。初めて訪れたサイトなのに「あなたにはこんな商品がおすすめ」と宣伝される――。そんなことを可能にする技術の利用に、総務省がゴーサインを出した。ネット接続業者(プロバイダー)側で、情報を丸ごと読み取る技術を広告に使う手法だ。だが、個人の行動記録が丸裸にされて本人の思わぬ形で流出してしまう危険もある。業者は今後、流出を防ぐ指針作りに入る。 この技術は「ディープ・パケット・インスペクション(DPI)」。プロバイダーのコンピューター(サーバー)に専用の機械を接続し、利用者がサーバーとの間でやりとりする情報を読み取る。どんなサイトを閲覧し、何を買ったか、どんな言葉で検索をかけたかといった情報を分析し、利用者の趣味や志向に応じた広告を配信する。 DPIは従来技術に比べてより多くのデータを集められるため、こうした「行動ターゲティング広告」に利
マーク・トウェイン=AP 【ロサンゼルス=堀内隆】「トム・ソーヤーの冒険」などで知られる米国を代表する作家、マーク・トウェイン(1835〜1910)が生前に残していた自伝が今年11月から刊行されることになった。出版元の米カリフォルニア大出版会が発表した。「少なくとも死後100年は世に出さぬよう」という本人の遺志を守り、5千ページにわたる手稿が同大バークリー校で大事に保管されてきた。 出版会によると、トウェインは死の4年前にあたる1906年から、自分の生涯を記録する作業を始めた。死後100年間の公開を拒んだ理由に定説はなく、英インディペンデント紙(電子版)によると、研究者の間には「宗教や政治についての考えを自由に語るため」「公開が100年後なら、友人の悪口を書いても気がとがめないから」などの説があるという。 もっとも、手稿が一度も日の目を見なかったわけではなく、自伝を部分的に引用したト
日米間の空の大動脈である北太平洋航空路に近いロシア極東の火山噴火情報が、ロシア当局の資金打ち切りで6月にも配信されなくなる恐れがでてきた。この噴火情報は、週1350便以上の航空機の安全にいかされており、気象庁にある航空路火山灰情報センターは「噴火直後の情報把握に支障が出る恐れがある」と心配している。 太平洋の周囲には火山が多く、カムチャツカ半島や千島列島北部には30以上の活火山がある。これらの火山の観測と情報配信は、ペトロパブロフスク・カムチャツキーにある「カムチャツカ火山噴火即応チーム(KVERT)」が担っている。 KVERTは1993年、米地質調査所などの支援でロシア科学アカデミー傘下の研究機関が集まってできた非営利組織。火山学者らが、衛星写真や地震計、遠隔カメラなどで活火山を監視して噴火の兆候をつかんだり、年数回程度ある大規模な噴火では、噴煙の高さや火山灰の性質を現地で詳しく調べ
宮崎県で口蹄疫感染の疑われる牛が確認されるまで何があったのか。関係者の話から再現する。 宮崎県都農(つの)町。3月下旬、ある農場で水牛が下痢になった。モッツァレラチーズを作るために飼われていた42頭のうちの1頭。往診した獣医師は、31日に県の宮崎家畜保健衛生所に届け出た。 県も立ち入り検査したが、口蹄疫にみられる口の中や蹄(ひづめ)の水疱(すいほう)、よだれがない。便なども検査したが、下痢の原因となる菌やウイルスが見つからず、結論が出ないまま下痢は治まった。 これが最初の異変だった。 この農場から南に約600メートル離れた別の農家で、次の異変が起きた。 「口の中に軽い潰瘍(かいよう)のある牛がいる」。4月9日、衛生所に別の獣医師から連絡があった。2日前に往診したところ、1頭の牛が前夜から発熱し食欲がなく、口からわずかによだれがあったのだという。 県の口蹄疫防疫マニュアルでは「(
【ニューヨーク=山川一基】ソニー、米検索大手グーグル、米半導体大手インテルの3社が、インターネットを使って動画などを楽しむテレビを共同開発する見通しになった。英経済紙フィナンシャル・タイムズが報じた。米国などではネットを通じて動画を見る人が増えている。今後のネットテレビの技術で主導権をとる狙いとみられる。 同紙によると、19日から米サンフランシスコで始まるグーグルの開発者会議で発表する見通し。グーグルが基本ソフト(OS)の「アンドロイド」、インテルが省電力の中央演算処理装置(CPU)「Atom(アトム)」の技術を持ち寄り、ソニーはテレビの画像や音声などの技術を提供する。 3社が目指すのは、テレビとパソコンの機能をあわせもったネットテレビ。普通のテレビ放送に加え、ネット経由で受け取る動画やホームページなどをスムーズに視聴できるようにするとみられる。 ネットに直接つなげてテレビ放送を見る
ハーシェル赤外線宇宙望遠鏡と地上の望遠鏡が撮影したNGC1999の合成写真。写真上の白っぽい領域のうち、中央やや右の黒い部分が「宇宙の『穴』」=欧州宇宙機関など提供ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したNGC1999。黒く見える部分が「宇宙の『穴』」であることが、ハーシェル赤外線宇宙望遠鏡の観測などで判明した=米航空宇宙局など提供 【ワシントン=勝田敏彦】欧州宇宙機関(ESA)は、大量のチリやガスが集まって背後の天体の光をさえぎる「暗黒星雲」と考えられていた黒い天体の一つが、実はからっぽの「宇宙の『穴』」だとわかったと発表した。 この天体は地球から1500光年離れた星雲「NGC1999」の一部。白っぽい色の星雲の中で真っ黒に見える部分で、ESAのハーシェル赤外線宇宙望遠鏡と地上の望遠鏡で詳しく観測したら、何もない領域と判明した。チリやガスは、誕生したばかりの付近の星が噴き出すジェットで吹き飛ばさ
奈良県明日香村の特別史跡、キトラ古墳(7世紀末〜8世紀初め)で見つかった四神壁画の特別公開が15日に迫った。会場の奈良文化財研究所飛鳥資料館は約1カ月の期間中、10万人の来場を見込んでおり、今週末には人気アーティストのコンサートなどイベントも目白押し。「人口約6200人の村始まって以来の出来事」(村役場)に、職員たちは総出で「厳戒態勢」を敷く。 同資料館ではこれまで、四神のうち「玄武(げんぶ)」「青竜(せいりゅう)」「白虎(びゃっこ)」が公開されたが、今年は「朱雀(すざく)」が初登場。5回目の特別公開で四神が初めて一堂に会する。過去の1日の最高入場者数は5千人超だが、「今回は1万人を超える可能性がある」(同資料館)という状況だ。 屋外で多数の行列ができることも想定し、同館は熱中症などを警戒して給水施設やテントを準備。看護師も手配した。待ち時間対策として、キトラ古墳の謎を解くパズルを無料
【動画】プロミネンス3月30日に発生した巨大プロミネンス。新型太陽観測衛星「SDO」が撮影した=AP 米航空宇宙局(NASA)は21日、太陽で発生した巨大プロミネンス(紅炎)の画像を公開した。表面からの高さは地球の直径の約20倍。2月に打ち上げられた太陽観測衛星「SDO」が観測を始めた直後の3月30日に発生し、撮影された。研究者は「夢に見た以上の美しさ」と興奮している。 プロミネンスは、太陽の中にあった磁力線が、表面の物質を引きはがしながら噴き出す現象。4月12〜13日には弧の長さ80万キロという巨大プロミネンスも発生した。太陽の直径の6割に達し、ちぎれて宇宙空間に飛び散った。 名古屋大太陽地球環境研究所の徳丸宗利教授によると、11年周期の太陽活動は2008年末に底を打ち、今年初めから再び活発化。巨大プロミネンスは地球でオーロラを発生させたり、人工衛星に悪影響を与えたりするが、今回は
スモモの木に開けられた穴=山梨県南アルプス市川上穴が開けられ枯らされてしまった樹齢16年の貴陽の木=山梨県南アルプス市川上スモモの高級品種「貴陽」=JAこま野提供 山梨県南アルプス市で、高級品種として知られるスモモ「貴陽(き・よう)」や、「サマーエンジェル」などの木にドリルで穴が開けられ、枯死する被害が出ている。幹に穴を開け、中に除草剤を注入したとみられる。悪質な手口に農家も怒り心頭だ。県警も器物損壊の疑いで捜査を始めている。 南アルプス市川上の農家の男性(63)が被害に気づいたのは今月上旬。1本のスモモの木に枯れ枝が目立っていた。「おかしい」。よく見ると50円玉大の穴が2カ所開いていた。結局、切り倒して焼いて処分するしかなかった。 被害にあったのは、この農家だけではない。地元のJAこま野落合支所の呼びかけで調べたところ、周辺の3軒の四つの畑で、貴陽など樹齢3〜16年の計12本に直径
民放側が本音の議論 バラエティー番組 BPO意見書巡り2010年3月16日 シンポジウムはバラエティー番組のスタジオ収録風に進められた テレビのバラエティー番組のあり方を制作者らが議論するシンポジウムが11日、東京都内であった。放送倫理・番組向上機構(BPO)が番組づくりの見直しを求めたのに対する民放側の「回答」の一つだ。一般の視聴者らも交え、議論は3時間以上に及んだ。 シンポジウムは日本民間放送連盟が「バラエティー向上委員会」と題して開いた。在京民放キー局5社のバラエティー番組の制作者が1社10人ずつ舞台に上がり、BPOの委員や客席の視聴者と意見を交わした。 議論の出発点は昨年11月にBPOの放送倫理検証委員会がまとめた意見書だ。バラエティー番組に視聴者が不快感を抱いているとして問題点を指摘した。 シンポジウムでは、制作者側が「現場介入」と身構えている様子が明らかになった。制作者計50人
プロフィールバックナンバー 神様の奇妙な愛情2010年3月15日 筆者 小原篤 「手塚治虫 エロス1000ページ 上」「手塚治虫 エロス1000ページ 下」(ともにINFASパブリケーションズ) 「手塚治虫 エロス1000ページ」という本が送られてきました。「マンガの神様」手塚治虫の膨大な作品の中から「エロス」をテーマに編んだ上下巻26編、計1000ページのアンソロジーです。開いてみたら案の定、禁忌と変化(へんげ)のオンパレード。手塚治虫の描くエロが普通のエロであるわけがないのです。そこが面白いからこんな本を出すのでしょうけれど(刊行はINFASパブリケーションズ)。 上巻は、月の光のために女たちが一斉に発情し男を襲ってついには食べてしまうという話から始まります。そのあとも、アパートに素っ裸の男女が上がり込んできて主人公の目の前でいきなりイチャイチャ、2人は未来人らしく…とこれはSF。「き
スカイマークの機長が、体調不良で声が十分に出ない客室乗務員(CA)を交代させようとしたところ、西久保慎一社長と井手隆司会長が認めず、逆に機長を交代させて運航を強行していたことがわかった。 航空法は機長に乗員への指揮権を与えており、個々の運航では機長の判断が最優先される。同社の運航規定でも、安全に対する最終決定権は機長と定められている。また、CAは保安要員で、非常時に大声で乗客を避難誘導する役割がある。 機長の判断を経営者が覆したことについて、国土交通省は「前代未聞。安全にとってゆゆしき事態」として文書で厳重注意した。 同省によると、問題が起きたのは2月5日の羽田―福岡便。チーフ格のCAは風邪の治りかけで大きな声が出せない状態だった。出発前に気づいた外国人機長が「避難誘導などに支障をきたす」と交代を指示した。 ところが、事態を聞きつけた西久保社長は「健康上、問題はない」として認めず、
走行中のオートバイに乗用車で追突して少年2人を死傷させたとして、福岡県警小倉北署は21日、北九州市小倉南区下曽根1丁目、自称マッサージ師鎌田厚志容疑者(34)を、殺人と殺人未遂の疑いで逮捕したと発表した。同署によると「蛇行運転や爆音をあげていたので頭に来た。殺してやろうと思って追突した」と話しているという。 発表によると、鎌田容疑者は同日午前1時ごろ、同市小倉北区霧ケ丘3丁目の国道10号で、同県築上町西八田、家事手伝い植田涼介さん(18)らが運転するオートバイに殺意を持って追突、植田さんを出血性ショックなどで死なせ、北九州市戸畑区の無職少年(17)にも打撲などのけがを負わせた疑いがある。鎌田容疑者はけがを負わせた少年については「殺すつもりはなかった」と話しているという。 同署によると、植田さんらは当時、集団で走っていた。鎌田容疑者は現場から逃走したが、約10分後に小倉南署に自首したとい
冬休みの宿題をやっているか調べるアマノハギ。親の要望に応え、今年から始めた=秋田県にかほ市 国の重要無形民俗文化財に指定されている秋田県男鹿市の伝統行事「ナマハゲ」が揺らいでいる。鬼のような面をつけ、「泣く子はいねが(いないか)〜」と、子どもを追い回す荒々しさが持ち味だが、地域社会の変化もあり、近年は、黙って動かない「草食系」の新世代が目立つようになった。ナマハゲに似た「アマノハギ」は、子どもの宿題をみるサービスまで始めた。 昨年の大みそかの夜。鬼のような面をつけ、全身にわらを羽織ったナマハゲが現れた。手には包丁。だが、静かに居間に入り、猫背気味に座った。迎えた高齢夫婦から「どこから来たっすか」と聞かれ、遠慮がちに「えっと……。山の方から……」。 男鹿市では10年ほど前から、こんな光景がみられ始め、今では珍しくなくなった。玄関先で見ていた付添人の吉田公生さん(59)はナマハゲ役の若手
奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」(破産手続き中)で肝臓手術を受けた男性患者(当時51)が失血死した事件で、前理事長で執刀医の山本文夫容疑者(52)=業務上過失致死容疑で逮捕=が、患者の肝静脈を傷つけて大量出血させたにもかかわらず、「飲みに行ってくる」と助手で主治医の塚本泰彦容疑者(54)=同容疑で逮捕=らに言い残し、手術室から立ち去っていたことが、捜査関係者への取材でわかった。山本容疑者の技術を心配した看護師が手術を押しとどめようとしていたことも判明した。 一方、山本容疑者は奈良県警の調べに対し、「しっかり止血して、手術を終わらせた。その後、患者は心筋梗塞(こうそく)で亡くなった。手術途中でいなくなったわけではない」などと供述しているという。 県警によると、山本容疑者らは2006年6月16日午前10時過ぎ、肝臓の腫瘍(しゅよう)の摘出手術を開始。腫瘍は肝臓の背部に位置して肝
前原誠司国土交通相は2日、高速道路37路線を無料化すると発表した。全国の高速道路延長の約18%にあたる1626キロが対象。6月に無料化される。もともと交通量が少なく、無料化で渋滞が起きにくい地方路線が中心。対象路線では、車種やETC搭載の有無にかかわらず、すべての車の通行が無料になる。 無料化路線は次の通り(JCTはジャンクション)。 【北海道】道央道=士別剣淵―岩見沢▽深川留萌道=深川西―深川JCT▽道東道=本別・足寄―占冠、夕張―千歳恵庭JCT▽日高道=沼ノ端西―苫小牧東 【東北】青森道=青森東―青森JCT▽八戸道=下田百石・八戸―安代JCT▽秋田道=八竜―秋田中央▽日本海東北道=河辺JCT―岩城▽東北中央道=横手―湯沢、東根―山形上山、南陽高畠―米沢北▽釜石道=東和―花巻JCT▽山形道=酒田みなと―湯殿山、月山―山形北 【北陸】日本海東北道=荒川胎内―新潟中央JCT 【関東
市街地を試験運転する路面電車。黒、白、銀の3色の車両が走る=富山市 車がなくても暮らせる街づくりを進める富山市で23日、中心市街地をぐるりと回る路面電車が36年ぶりに復活する。かつての環状線は、車社会の発達で1970年代に、一部路線が廃止されてしまった。それが今回、少子高齢化や地球温暖化を背景に、これからの街の交通手段の中核と期待されて「再登板」することになった。 富山市中心部を走るのは3両の次世代型路面電車。JR富山駅を発着点に、公園や百貨店がある中心市街、県庁や市役所周辺の約3.5キロを反時計回り方向に20分間で結ぶ。愛称は「セントラム」。車両は、旧来型と比べて乗り降りしやすい低床で、都市型路面電車の先進地・ヨーロッパで走るのと同様のモデルだ。料金は1回につき200円で、昼間は10分間隔、朝夜は20分刻みのダイヤで運行する。 市内では、73年まで、ほぼ同じルートを路面電車が走
ちょっぴりミーハー気分で映画の舞台ナパを散策 2009年12月1日 筆者 青木冨美子 29号線沿いの『テイラーズ・オートマチック・リフレッシャー』『サイドウェイズ』のプレミア試写会での舞台挨拶樽熟成中のカベルネ・ソーヴィニヨンについて語る『ダリオッシュ』のダン社長プライベートセラーでは特製チーズに合わせて4アイテムを試飲麻有子の勤務先はワインショップ『エノテカ』『サラフォルニア』はミナが勤めるカフェとして登場主人公たちが最初に出会うシーンに使われた『ドン・ジョバンニ』 2004年の米映画『サイドウェイ』では、カリフォルニアのワイン産地サンタ・バーバラとブルゴーニュ系品種ピノ・ノワールが話題になりました。現在、有楽町スバル座ほかで公開中の『サイドウェイズ』はオリジナル版のリメイクで、こちらはナパが舞台。登場するワインもボルドー系品種のカベルネ・ソーヴィニヨンが中心です。 ■余談ながら、私のお
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