→紀伊國屋書店で購入 「ホモ・ソーシャリティにアイデンティティ形成の基盤を求めるという選択」 本書は、育児・教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が、男女共学化が進む今日においてもなお、いわゆる中高一貫男子校に進学することのメリットを説いた著作である。 一読して感じたことだが、非常にバランスの取れた内容であり、社会学的に見ても興味深い指摘が散見されるものとなっている。 今日、「中学受験は親の受験」という言い回しがあるように、その競争は過熱する一方で、多くの私立校は生き残りをかけて共学化を進めてきた。 そこには筆者が言うように、共学校という「異質性」のある空間を増やそうと、多くの学校が「同質的」に変化するというパラドキシカルな状況が見てとれる。 しかし、それでもなお、日本におけるトップレベルの進学校には、未だに名門男子校が君臨し続けている。筆者は、その要因を解き明かすと同時に男子校に進学するこ