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ブックマーク / blog.tatsuru.com (30)

  • 草食系男子の憂鬱 - 内田樹の研究室

    大学の三年生ゼミは「草系男子」について。 先般、四年生のゼミでも同じ主題が取り上げられたので、彼女たちからするとかなり喫緊の課題のようである。 発表後とりあえず全員に聞き取り調査をして、「あなたが知っている草系の実像」についてご報告をうかがう。 いや、聞いてびっくり。 ゼミ生のほとんどの彼氏が「草系」なのである。 特徴は すぐ泣く。 拗ねる。 「どうせぼくなんか・・・」といじける。 かわいこぶる(齧歯類系の「かわいさ」を演じるのが上手) メールに顔文字をたくさん使う。 優柔不断で、「何べる?」「どこ行く?」といった質問に即答できない。 化粧品にうるさい。 肌を美白に保つことに熱心。 ヘア命(ヘアセットができてない姿を見られると、スッピンの女性のように身もだえするらしい) 家族と親密。 などなど。 こういう男子が20代に大量に存在しているらしい。 ううむ、そういうことになっているとは

  • 株式会社立大学の末路 - 内田樹の研究室

    株式会社が設立した LEC リーガルマインド大学が、入学者の減少などから、来年度以降の学部生の募集を停止すると発表した。 LEC 大学は、資格試験対策の予備校「東京リーガルマインド」が2004年に設立した。 全国に14キャンパスあったが、志願者減少に伴い募集停止や統廃合を行い、今年度は千代田キャンパスのみの募集であった。 今年度の入学者は、定員160人に対して18人。累積赤字は30億円に達していたという。 2007年1月には、専任教師の大半に勤務実態がない、ビデオを流すだけの授業を行っていたなどとして、文部科学省から改善勧告を受けていた。 株式会社立の大学については、これは高等教育機関としては機能しないと私は最初から言い続けてきた。 「教育はビジネスではない」からである。 「教育はビジネスだ」と信じた人たちが構造改革特区制度を利用して、わらわらと大学経営に参加してきたのが、2004年のこと

  • いいまつがい - 内田樹の研究室

    麻生首相がまたまた舌禍事件を起こした。 官邸での知事会議の席で、医師不足についてコメントしてこう述べたと毎日新聞は伝えている。 「自分で病院を経営しているから言うわけではないが、医者の確保はたいへんだ。(医師には)社会的常識がかなり欠落している人が多い。うちで何百人扱っているからよくわかる」と地方の医師不足の原因をもっぱら医師側の「常識の欠落」に求めた。 さらに首相は「正直これだけ(医師不足が)はげしくなれば、責任はお宅ら、お医者さんの話ではないのか。しかも、お医者さんを『減らせ減らせ、多すぎだ』と言ったのはどなたでしたか」と過去の医師会の立場を批判した。 1970年代に一県一医大構想と私立医学部の新設で医学部定員が急増し、「医師過剰」による競争激化が懸念されたのは事実である。そのときに医学部定員を最大時の7%削減し、以後20年以上抑制傾向が続いていた。それが、このところの医師不足で先般5

  • 日教組の ”影響” と言論の自由について - 内田樹の研究室

    テレビ政治討論番組で「日の丸・君が代」の強制について批判的に言及した人に向かって、別のスピーカーが「あんた、日人止めなさい」と怒鳴りつけた。 不思議なロジックである。 「日の丸・君が代」が国旗国歌であるということはいわゆる「国旗国歌法」によって9年前に定められた。 国法に疑義を唱える人間に向かって「だったら日人を止めろ」ということが適法的であるとするなら、国憲に疑義を唱える人間についてはどうなるのであろう。 たしか私たちの国の政権与党はひさしく「改憲」を党是として掲げいる。 憲法は片々たる法律とは違う上位規定である。 憲法98条にはこう記してある。 「この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」 下位規定である法律に「疑義がある」という人に向かって「それなら日人を止めろ」と言うことができるなら、

  • 学校選択制 - 内田樹の研究室

    公立中学の一部に「学校選択制」が導入されて4年半。前橋市が全国ではじめて制度を廃止する。特定の学校に生徒が集中し、生徒数の偏りが大きくなったこと、遠距離からの通学者が増えて、地域と学校の連携が希薄になったことが理由に挙げられている。 生徒数が激減した学校ではクラブ活動が維持できない、教員数が減って、専門ではない教科を教えなければならない、生徒数の減少が無根拠な風評によるケースがある、などなど。 私はこの決断はごく「常識的」なものであろうと思う。 むしろ遅きに失したというべきであろう。 学校選択制は規制緩和(ということは「市場原理主義」のことだが)の流れの中で97年に文部省によって導入された。全国約1割の自治体で施行されている。東京都では28市区が実施。学校間の人数の偏りにより、二極化が進行している。 足立区の中学では今春の新入生入学率の一番高い学校は190%、一番低い学校は8%。品川区の小

  • アメリカ人はどこまで - 内田樹の研究室

    ポッド・キャストで町山智浩さんの「コラムの花道」を聴いていたら、「アメリカ人はどこまでバカか」という話が出てきた。 『ナショナル・ジオグラフィック』が2006年にアメリカの大学生にアンケートを実施したところ、88%はアフガニンスタンがどこにあるのか知らなかった。63%はイラクがどこにあるのか知らなかった。20%は世界地図の中でアメリカを指さすことができなかった。 オーストラリアの「アメリカ人はどこまでバカか」というドキュメンタリーの TV 番組が YouTube で評判になっている。 とくに歴史と地理について、知識の構造的な欠落があるらしい。 街行くふつうのアメリカ市民のおじさんおばさんに質問をする。 世界大戦は何回あったかという質問に「3回」と答える人がおり、「ヒロシマ、ナガサキ」とは何かという質問に「柔道!」と答える人がおり、「イスラエルでいちばん信者の多い宗教は?」という質問に「イス

  • 格差社会論(再録) (内田樹の研究室)

    今回の秋葉原の事件に「格差社会下層」に自分を「格付け」するという「物語」が深く関与していることにはどなたも異論がないだろう。 私は以前そのような「物語」が瀰漫することに、とりわけそれが「政治的に正しい」説明原理として称揚されることについてその危険を指摘したことがある。 『神奈川大学評論』という大学紀要に寄稿したものであるので、大学関係者以外には読まれた方はほとんどおられないであろうから、ここに再録する。 2007年の9月に書かれたものである。 この論考のせいで私は「保守系リベラル」「中道右派」とカテゴライズされることになった(ウィキペディアにはそう書いてある)。 ここに書かれたことのどこが「中道」なのか、どこが「保守」なのか、私にはよくわからないが。 善意の格差論のもたらす害について 内田樹 「格差」という語はそれ自体では価値中立的なものであるが、現在のメディアではこの語は中立的なものとし

  • 甦るマルクス - 内田樹の研究室

    マルクスが「プチ・ブーム」らしい。 『赤旗』からの電話取材で、「このところのマルクス・ブームと日共産党再評価の動きについて」訊かれる。 たしかに、マルクスについて言及される回数がこのところ心持ち増えたような気がする。少なくとも、私自身の書きものに「マルクス」という語の出現頻度が上がっているのは間違いない。 日共産党再評価云々については、ほんとうにそんな動きがあるのかどうかわからない(「希望的観測」の域を出ないのではないかと思うけど・・・)。 どうして「今、マルクス」なんでしょう? どうしてなんでしょうね・・・ 一つはかつてドミナントなイデオロギーであったせいで、すっかり飽きられた「歴史主義」が、このところあまりに冷遇されていたせいで、むしろ「物珍しい」ものになったという事実がありそうである。 歴史主義には悪いところもあるが、いいところもある。 特にいいところは、「私たちが今生きているこ

  • モラルハザードの構造 - 内田樹の研究室

    興味深い記事を見た。 NHK 記者ら三人がインサイダー情報による株取引容疑で取り調べを受けているという話である。 この三人は報道局のテレビニュース制作部記者、岐阜放送局の記者、水戸放送局のディレクター。三人の間に連絡を取り合った形跡はない。 それはつまりこのインサイダー取引が「自然発生的・同時多発的」に NHK 内で行われたということである。 ということは、「このようなこと」が当該組織内ではごく日常的に行われていた蓋然性が高い。 不正利用されたのはある牛丼チェーンが回転ずしチェーンを合併するというもの。 3人はニュースの放送前にこれを知り、うち2人は「放送までの22分の間に専用端末で原稿を読み」回転ずしチェーンの株を購入。株価は一日で1720円から1774円に上がり、3人は翌日売り抜けて10-40万円の利益を得ていた。 この金額の「少なさ」が私にはこの不祥事の「日常性」をむしろ雄弁に物語っ

  • 奉祝! 55年体制復活 - 内田樹の研究室

    安倍内閣の総辞職と福田内閣の成立について、毎日新聞と東京新聞から取材を受ける。 どうして、私のところに「そんなこと」を訊きに来るのか、よく意味がわからない。 私は政治のことなんか、何にも知らないからである。 新聞をぱらぱら読んでいるだけで、テレビのニュースだってほとんど見ない。政治学を学んだこともないし、インサイダー情報も知らないし、政治家の知り合いもいない。 あるいは私が政治評論家ではないから取材が来るのかもしれない。 政治評論家というのはぜんぜん実感を伴わない政治的用語(「国際貢献」とか「構造改革」とか)をまるで「人参」とか「仏和辞典」のような実在物のように語ることができる人のことである。 私にはそれができない。 「国際貢献」というものをひもで縛って、包装紙にくるんで、「はいよ」と見せてくれたら、私もその実在を信じるだろうが、そうでなければ信じない。 もちろん「幻想としての国際貢献」や

    t2-news
    t2-news 2007/09/26
    私はむしろ「安倍晋三程度の人間でも首相が務まった」という点に日本の政治構造の成熟の深みを見るのである。<という皮肉が満載なおもしろ政治話
  • 武道の必修化は必要なのか? - 内田樹の研究室

    学習指導要領の改定作業を進めている中央教育審議会の体育・保健部会は4日、中学校の体育で選択制の武道を必修化する方針を決めた。 礼儀や公正な態度など、日の伝統文化に触れる機会を広げるのが狙い。 2011年度から実施予定。男子の武道は92年度まで必修だった。女子について必修化するのは戦後初めて。 伝統文化の尊重は、昨年12月に改正された教育法にも盛り込まれていた。 同部会主査の浅見俊雄東大名誉教授は「必修化で一層、日の伝統に親しんでもらいたい」と話している。 武道とともにダンスも必修化される。 というニュースを見る。 不思議なことを考える人たちである。 武道とダンスを必修化・・・って、それって神戸女学院大学の「武術と舞踊で切り開く新しい教育の可能性」と「同じ流れ」なんですか?と訊かれそうであるが、私は(ぜんぜん)違うと思う。 どこが違うのか、その理路を述べたい。 日の武道は近代におい

  • リベラシオンの安倍晋三評価 - 内田樹の研究室

    今度の選挙は自民党大敗という予想のようである。 私もそうなるだろうと思う。 もう安倍晋三の顔は見飽きた、というのが国民多数の実感であろう。 安倍首相の失点は年金とか事務所費とか内政の不手際ばかり責められるが、無能力が露呈したのはむしろ外交の方である。 就任後にアメリカ訪問してブッシュ大統領と会ったけれど、そのエネルギーのほとんどは自分が火を点けた従軍慰安婦問題の「火消し」に費やされた。 でも、下院外交委員会でホンダ議員の従軍慰安婦問題についての日政府の謝罪要求決議は首相訪米直後に通ってしまったから、首相の訪米成果はほとんどゼロだったことになる。 アジア外交についても評価は高くない。 この件についての『リベラシオン』の記事はこんなふうに始まっている。 「日の安倍晋三首相は彼の前任者である小泉純一郎(彼は五年にわたって中国にとって『好ましからざる人物』(persona non grata)

    t2-news
    t2-news 2007/07/16
    日本のナショナリズムは「政治的に危険」だというふうに評価されるよりも(その方がまだましである)むしろ「倫理的に低い」あるいは「知的に劣っている」人々の妄動という印象を諸外国に与えているのである
  • めちゃモテ日本 - 内田樹の研究室

    CanCamの「ひとり勝ち」状態について、これまでメディア関係者から何度か訊かれたことがある。 「どうしてなんでしょうね」 そんなこと私に訊かれても。 しかし、ありがたいことに学の学生諸君には多くのCanCam読者がおり、彼女たちは当該雑誌と競合誌『JJ』や『ViVi』との記号論的差異について、世界でいちばん詳しい。 その中のひとりであるM村くんが、CanCam系ファッションの究極の目的であるところの「めちゃモテ」とはどういう状態を指すのか、というたいへん大胆にしてラディカルな問題提起をゼミでしてくれた。 こういうおいしい「現場ネタ」を寝ころんだまま拾えるのが女子大教師の特権である。 同僚の教師諸君の多くは教室で「学生に知識を教える」ということをされているが、私はできるだけ「学生から知識を教わる」ようにしている。 お給料をいただいてそれでは「やらずぶったくり」というか「盗人に追い銭」では

    t2-news
    t2-news 2007/06/27
    きゃんきゃん=9条=めちゃモテ、愛される日本
  • 嘘でもいいから - 内田樹の研究室

    平川くんが年金問題について、クリスプで切れ味のいいコメントをつけている。 http://plaza.rakuten.co.jp/hirakawadesu/ この中で、平川くんはこう書いている。 「五千万件のデータ不整合と、原の散逸といった事態の解決は、データベース的にはほとんどミッション・インポシブルなのである。 それを、一年以内で解決なんて宣言してしまう総理は、お里が知れるっていうものである。 情報処理に詳しい下々は、青くなっているだろう。」 私は総理の「お里」の来歴について平川くんとは意見をいささか異にする。 それについてひとこと述べたい。 5000万件のデータの照合は1年以内に終わらないだろう、と自民党議員以外の全員が言っている。 自民党議員とそれ以外の日人のあいだにデータベース修復の見通しのテクニカルな評価において排中的な差異があるということはありえない。 つまり「1年以内」と

    t2-news
    t2-news 2007/06/26
    信義や友愛ぬきの「愛国心」や「家族愛」にいったい何の意味があるのか、私にはよくわからない。
  • 愛国について語るのはもうやめませんか (内田樹の研究室)

    教育関連三法が今日参院を通過する予定だそうである。 安倍首相は昨日の参院文教科学委員会の総括質疑でこう答えた。 「地域を愛する心、国を愛する心を子どもたちに教えていかなければ、日はいつか滅びてしまうのではないか。今こそ教育の再生が必須だ。」 私は子どもが郷土や国家にたいして愛着を持つことは国民国家にとって死活的に重要であるということについて首相に異存はない。 しかし、「愛国心」というのはできるだけ公的な場面で口にすべきことではない言葉のように思う。 法律文言に記すというようなことはもっともしてはならぬことである。 それは左派の諸氏がいうように、愛国教育が軍国主義の再来を呼び寄せるからではない。 愛国心教育は構造的に人々の愛国心を毀損するからである。 私は愛国者であり、たぶん安倍首相と同じくらいに(あるいはそれ以上に)この国の未来とこの国の人々について憂慮している。 日人はもっと日の国

  • たたかえ! 公安調査庁 - 内田樹の研究室

    朝鮮総連の中央部の土地建物が627億円の借金のカタに差し押さえられるのを防ぐために、元公安調査庁長官と元日弁連会長がダミー会社へ所有権移転をはかった事件について、メディアは「真相は謎」とか「意味がわからない」と繰り返しコメントしている。 どうして? 誰にだってわかるでしょう。 公安調査庁は破壊活動を行う可能性のある組織を監視する官庁である。 国内における監視のメインターゲットは朝鮮総連である。 現に今年の5月30日の公安調査庁長官訓示で、長官は同庁の喫緊の課題を三つ挙げている。 「第一は,国際テロ関連動向調査の推進であります。テロを未然に防ぐためには,国際テロ組織関係者の発見や不穏動向の早期把握が何よりも大切であります。」 「第二は,北朝鮮関連情報の収集強化についてであります。北朝鮮・朝鮮総聯の動向は,我が国の治安のみならず,我が国を含めた東アジアの平和と安全保障に重大な影響を及ぼすもの

  • 憲法の話 - 内田樹の研究室

    5月3日は憲法記念日なので、いろいろなところから憲法についてコメントを求められる。 一つは毎日新聞の「水脈」に書いた。 今日の夕刊に掲載されるはずだが、一足お先に公開しておく。 改憲の動きが進んでいる。一部の世論調査では、国民の6割が改憲に賛成だそうである。大学のゼミでも「もうすぐ憲法が改正されるんですよね」とあたかも既成事実であるがごとくに語る学生がいて驚かされた。 九条第二項の政治史的意味についての吟味を抜きにして、「改憲しないと北朝鮮が攻めてきたときに抵抗できない」というような主情的な言葉だけが先行している。 私は改憲護憲の是非よりもむしろ、憲法改定という重大な政治決定が風説と気分に流されて下されようとしている、私たちの時代を覆っている底知れない軽薄さに恐怖を覚える。 改憲とは要すれば一個の政治的決断に過ぎず、それが国益の増大に資するという判断に国民の過半が同意するなら、ただちに行う

    t2-news
    t2-news 2007/05/04
    改憲で日本が手に入れるのは「アメリカ以外の国と、アメリカの許可があれば、戦争をする権利」であり、それだけである。
  • 夢の少子化対策 (内田樹の研究室)

    「機械って言っちゃ申し訳ないけど… 15〜50 歳の女性の数は決まっている。(…) 産む機械、装置の数は決まっているから、後は一人頭で頑張ってもらうしかないと思う」 柳沢伯夫厚労相が年 1 月 27 日島根県松江市で開かれた集会で洩らした不用意な発言が国内政局を揺るがせている。 首相は厚労相擁護の立場だが、参院与党幹部はこのままでは内閣支持率が下がり続け、2月4日の愛知県知事選、夏の参院選に影響が出るという予測から、閣僚辞任を求めている。 野党は審議拒否で「首を取る」と息巻いている。 柳沢厚労相にしては「音」をもらしただけだろうが、「少子化対策」の厚労相がこれほど少子化問題の原因について思慮が浅いというのはまことに困ったものである。 少子化の原因を厚労相は「一人頭のがんばり」が足りないせいだと考えているようだが、少子化の原因は「女性の個人的努力が不足しているせい」だという理解はいくらなん

  • 言い訳上手になりました - 内田樹の研究室

    NHKが01年放送の「女性国際戦犯法廷」のドキュメンタリー番組で政治的圧力を受けて番組内容を改変した事件について、東京高裁がNHKに賠償命令を下した。 隣の記事は関西テレビの「あるある大事典」の捏造問題の中間報告。 テレビメディアの中立性やフェアネスに対する社会的信用はずいぶん低下したようである。 まあ、身から出た錆である。 でも、「テレビの言うことならほんとうだろうと思っていたのに・・・裏切られた気持ちです」というようなナイーブなコメントを新聞が掲載しているのを見ると、「嘘つきやがれ」と思う。 テレビが虚偽を報道したのを知って「裏切られた気持ちです」というようなことをしゃあしゃあと言ってのけるという「市井の無垢(で無知)な視聴者」のポーズそのものが「テレビ化された定型」に他ならないからである。 「テレビ底なしの不信」というような新聞の見出しはまことに「テレビ的」である。 そのことに気づい

    t2-news
    t2-news 2007/01/30
    「テレビ底なしの不信」というような新聞の見出しはまことに「テレビ的」である。
  • さよならマルクス - 内田樹の研究室

    教育再生会議の第一次報告案がまとまった。 主な論点は (1)「ゆとり教育」を見直し、授業時間数を増加 (2)いじめる子どもには「出席停止」措置。体罰に関する基準の見直し。 (3)高校で奉仕活動を必修化。 (4)教員免許制度の厳密な運用で、不適格教員を排除。社会人教員を大量採用。企業から学校へ課外授業講師派遣。 (5)教育委員会、学校を外部評価。 (6)家族や古里の価値を考える機運を効用。 などである。 要するに、「学校の中」と「学校の外」を同じ基準で律するということである。 これまで学校には世間には通用しない「学校だけのルール」があった。 世間は弱肉強・競争原理のガチンコ・ルールで運営されている(はずである)のに、学校はそうなっていない。 そういうローカル・ルールはなくして、グローバル・スタンダードでいこうじゃないか、ということである。 どこかで聴いたような話である。 そう、これはあのな

    t2-news
    t2-news 2007/01/20
    だが、すべての国家を「市場」の中で競争させ、コストパフォーマンスのよいものだけが生き残り、そうでないものは「廃棄」されるというルールは誰が作って、誰が了承したのであろうか?