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ブックマーク / ukmedia.exblog.jp (24)

  • 権力に挑戦する英メディアー朝日「Journalism」4月上旬発売号で | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    もうすぐ発売予定の月刊誌「Journalism」(ジャーナリズム)に、英紙の調査報道について書いたのだが、「調査報道」(investigative journalism, investigative reporting)という言葉の意味合いが、英語と日語ではどうも違うことに気付いた。 英語と日語訳の意味合い・ニュアンスが違う、というのは、「journalist・ジャーナリスト」という言葉のニュアンスの違いにも似ているかもしれない。 今はそう名乗る人は増えてきたけれども、「ジャーナリスト」という日語には何か一定の色がついているように思うし(なんだかすごいルポみたいなことをしている人、とか)、例えばテック・ウェイブというブログメディアをやっている湯川さん(元時事通信)は「自分はジャーナリストではない」「このブログはジャーナリズム・ブログではない」という趣旨のことを最近よく書かれているよう

    権力に挑戦する英メディアー朝日「Journalism」4月上旬発売号で | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ
  • 英ブロガー、NightJackが実名報道でブログ断念 | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    ブロガーのプライバシーはどこまで守られるのだろうか?16日、今後の英ブログ界の一つの規範になってしまいそうな判決が出た。 ランカシャー州の警官、リチャード・ホートンさん(45歳)――もう報道されてしまっているのだから、ここは実名でーーは、NightJackという名前で、自分の仕事に関わるエピソードなどをブログに書いてきた。約50万人の固定読者がいたという。今年4月には、優れた政治の著作に送られる「オーウェル・プライズ」という賞を受賞したぐらいで、大変人気があり、かつ内容も優れているというお墨付きがついていたといってよいだろう。 http://en.wikipedia.org/wiki/Orwell_Prize ところが、タイムズ紙の記者がホートンさんの個人名をブログの内容から割り出し、これを紙面で報道しようとした。報道を止めるため、ホートンさんは出版社に報道停止令を出すように依頼したが、裁

    英ブロガー、NightJackが実名報道でブログ断念 | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ
  • 日本の性暴力ビデオ? | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    今、日に一時帰国している。「コンカツ」なる言葉の不可解さに驚く。随分と息苦しいことになっている。「『婚活』時代」(ディスカバー携書)は(読むと結構深い)、前提が「女性は男性の収入に頼って生きるもの」という考えだ。子供を産み育てるには結婚しかなく、よってどうやって結婚するかを分析し考えることで、少子化問題も解消される・・・とする。データがたくさん入っており、トレンドを掴んで書いているわけだが、こういう考え方は非常に息苦しい感じがする。 どうにかして、結婚をあせらなくてもよい、子供があるかないかで人間としての価値を判断されず、過剰な催促もされない社会にできないものだろうか。 結婚をしている人の多くが気づいているように、夫婦は持ちつ持たれつで、最初から相手に頼ることを念頭に置いて、「条件」を求めてしまうと・・・ずいぶんさみしいことである。 ・・・なんてことを書いても、少数意見であることは認識し

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  • 怒りが充満 英メディアの金融報道 | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    先の英中央銀行前での抗議デモで、亡くなった男性は、これまでの報道によると、ホームレスの人だったが、新聞販売を手伝っていたそうだ。その手伝いを終えて、寝床の場所に戻る途中で、3回ほど警察との接触があり、最終的には心臓発作で亡くなった。アルコール依存症で離婚し、1人暮らしだった。この件で、男性に何らかの形の暴力(暴力的振る舞い)をはたらいた可能性のある警察官の中で、少なくとも1人は既に上司にこの件を伝え、警察官としての仕事の前線からは身を引いている。事の次第の調査結果、該当する警察官がどんな処分になるかはまだ分からない。起きるべくして起きた事件だったような、避けられる事件だった気がしてならない。(・・・というのは、後からいくらでも言えるのだけれども。) 「金融危機」という言葉を英国では結構気軽に使うのだけれども、これに対する怒り、つまり一部銀行の経営陣に対する怒りがここでは強い。ところが、先週

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  • 「死んだ木」の新聞業界を巡る集まり | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    17日、英ジャーナリズムの未来を語る、というテーマで「メディア・ソサエティー」(メディア関係者の親睦団体)主催の集まりがあった。場所は「グルーチョ・クラブ」Groucho Clubというところだった。ここは非常に有名なクラブで、有名人+リッチな人でないとメンバーになれないと聞いた。 3人のパネリストがいて、一人は「フラット・アース・ニュース」(地球は平らニュース)というメディア業界の暴露を書いた(今読んでいるところだが、爆弾的内容があちこちに。しかしやや偏っている感じがする、ものの見方が)、「ガーディアン」に書いてきたジャーナリスト、ニック・デイビーズ氏。「新聞業界は危機にある。商業主義がばっこして、真実を語るというジャーナリズムの来の使命がおろそかになっている」と語る。「しかし、これに何とか対抗し、がんばっているのが、ガーディアンの編集長アラン・ラスブリジャー氏だ。ガーディアンでは新

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  • 外岡さんの「情報のさばき方」を読んで  | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    で買ったの中に、朝日新書の「情報のさばき方」(外岡秀俊さん著)がある。知っている方だったので、思わず手にとってしまった。 外岡さんは今(でも?)、朝日新聞の編集局長の方である。ロンドンに3年半駐在され(欧州総局長として)たが、赴任されて早々の頃、たまたま外国報道陣向けの北アイルランド出張団でご一緒した。とても腰の低い方で、時々鋭い質問を北アイルランドの政治家にしていたのを覚えている。 私は外岡さんを個人的によく知っているわけではない。その後、別件でメールを交換したことがあるだけだ。誠実な方、という印象があった。 そこでこのを読んでみて、やはり人柄が表れている感じがした。いろいろ、新聞記者として、どうやって情報を集め、見極め、原稿を書いてきたのかの手の内を明かしている。ここまでオープンにはなかなかできないのではないか、普通。 外国特派員の話の部分に注目すると、外岡氏が外国で始めて勤務

    外岡さんの「情報のさばき方」を読んで  | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ
  • 英社会を悩ます貧困問題 | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    英国の「ワーキング・プア」が生み出す現実 それでは英国の貧困問題はどうなっているだろう? 最近、「児童貧困」がニュースになった。政府統計によると、英国の児童の22%が貧困家庭で生活しているという。政府はこうした児童の親が無職あるいは適切な職を得ていないことに注目して、手当ての支給の他に雇用奨励策に特に力を入れてきた。しかし、職を得たとしても、今度は低賃金という問題が立ちはだかったために、貧困児童の総数は思うようには減少していない。英国のワーキング・プアの背景を分析した。(「英国ニュースダイジェスト」今週号に加筆。) まず貧困の定義だが、統計でよく使われるのは、世帯単位の計算だ。ある世帯の収入が国内全世帯の平均収入の60%未満である場合、貧困状態にあると見なされる。住宅費、光熱費、住宅ローン支払いなどの住宅関連費を差し引いた後の所得での比較と差し引く前の所得での比較がある。 具体的には、1人

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  • 日本の貧困:労働条件 雑感 | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    貧困問題を遅ればせながら考え出すようになり、手元にあった雑誌を見てみると、「論座」昨年11月号に「特集:現代の連帯」という記事があった。「全労連」の専従者で作家の浅尾大輔さんの原稿で、全労連に労働相談に来た人の話が書かれてあった。低賃金、有期雇用(雇用期間が限定されている)若者たちの話で、解雇の脅し、「セクハラ、パワハラ」といった労働者いじめの具体例が出ている。「生存の破壊、誇りの破壊、未来の破壊」に苦しみ、「働いても働いても生命を存続させることが難しい、働いても働いても自分に自信が持てない、そして将来設計すら立てられない」若者たちがいる、と。 「・・組合活動を始めた私は、働いている人々の表情を自然に意識するようになった・・・(中略)・・・いつも思うことは、みんな働いている、懸命に働いているのだという極めて単純な事実、しかしそれは耐えられない苦しみや悲しみと表裏をなしている場合がある

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  • 欧州特派員の視点 (3) 朝日新聞 | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    朝日新聞・ヨーロッパ総局長木村伊量氏の6月末のインタビュー(最後) ―知的な会話には新聞が大事だと思うが、日の新聞業界は危機状態にあるだろうか? 木村氏:間違いなく危機だと思う。発行部数が全体で、ごく一部の新聞を除いて、ずるずると減ってきている。なかなか歯止めがかからない。かつては広告とは新聞の広告のことだったがテレビに取られ、テレビもインターネットという新しいメディアの登場で、どんどん広告がネットに移っている。若い人は新聞よりもインターネットで簡単に見て、それ以上いらない、という雰囲気がある。 ライフスタイルも変わっている。これだけ他メディア時代になってくると、新聞だけじゃなくて他のメディアもどんどん変わる。役所も政党も新聞とかテレビという既成のメディアを頼らずに、自分たちが直接情報を出すことができる世界になっている。 役所や政党の情報を独占して、それを味付けしたり、加工したりして流す

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  • 「マードックにすりよったブレア」 セミナーより | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    ロンドンにある非営利団体「大和日英基金」が、6月21日、日英の政府とメディアの関係をテーマに、セミナーを開催した。日英のセミナー・シリーズはずっと続いていて、次回は「日英の王室・皇室の将来」というテーマ。(7月4日、午後6時から)。無料だが申し込む必要があるので、興味のある方はサイトを参照いただきたい。 http://www.dajf.org.uk/event_page.asp?Section=Eventssec&ID=275 21日のセミナーは様々な点で新発見があった。メモをたよりに書いてみる。 司会はつい最近までBBCの記者だったウイリアム・ホースレー氏。オックスフォード大学で日語を勉強し、1980年代前半から1990年まで、東京特派員だった。 記憶に残っている政治ニュースとして、田中角栄の逮捕をあげた。田中角栄の金脈政治に関して、大手メディア・新聞は知っていたが、誰も書かず、これを

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  • 監視社会としての英国 | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    監視社会として英国の話は、結構深く、どこまでやるかなのだが、日で「ゲイトキーパー法」というのが審議されていると聞いた。これはもともと英国の法律を基にしたもの、とコメントをされた方にご指摘いただき、自分でも少し調べたのだが、うまい具合に英語と合致する情報をあまり見つけられないままだ。 身近なものだと、銀行の口座に関わる身元情報を、英国の銀行側は政府に出すことを義務付けられているようだ。マネーロンダリングなどを防ぐ目的で、一定以上の金額が口座にあったり、「オフショア口座」の持ち主だったりすると、マネロンを疑われる可能性あるようだ。 英国は監視カメラ(CCTV)の数やDNAデータベースの件数(日の警察がお手にしているそうだ)で世界一を誇る。これからも増えるようだ。これをもって「怖い監視社会」とも解釈できるが、私が、そして英国に住んでいる方なら誰でも思うのは、当局が情報を持っていること自体が

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  • 教育問題 日英の認識ギャップ | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    現在の教育問題のことを詳述するほどの知識が、今のところあまりないのだが、日英間の認識のギャップで、驚くことの1つがこの問題だ。 安倍首相が英国の教育改革のことを誉めたということで、英国の教育を学ぼう、という考えが日(の一部)である、と聞いたからだ。驚愕した、と言ってもいいかもしれない。 英国のメディアを見ると、誇張されているかもしれないが、いかに教育の質が低いかを嘆く記事が満載だ。前にも若干このブログで書いたけれども、1990年代半ば頃、私自身が会社員であった時に、教育問題を担当していたことがあって、ちょうどゆとり教育を文部省(当時の)や中教審がプッシュしようとしていた時だった。詰め込み主義はいけない、情報を学ぶだけではだめで、もっとゆとりを持ち、自分で考え、自分で物事を決める力(「生きる力」?)をつけさせるべきだ、と。 ゆとりを与える、つまり授業数などを減らした場合、学力が落ちることも

    教育問題 日英の認識ギャップ | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ
    t2-news
    t2-news 2007/04/11
    英国の教育を学ぼう、という考えが日本(の一部)である、と聞いたからだ。驚愕した、と言ってもいいかもしれない
  • エコノミストの安倍首相批判記事 メディア分析 | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    安倍首相の慰安婦問題に関する発言とエコノミストの記事を巡る論点は、今日位までに大体出たような気がするが、どうであろうか。慰安婦問題に関して、私自身の歴史解釈などをビシーっと出すことが出来ず、恐縮である。最後は、自分自身堂々巡りになっていくような気がしてならない。 関連記事をウエブで追うと、米国の新聞でここ数日間にずい分と安倍批判が出ている。安倍バッシング状態になっているようだ。下院での決議案があるからだろうけれども、一体米国がこの問題で日に何をさせたいのか?何か他意が(決議案の件を抜いても)あるのかどうか?大いなる疑問だ。 ここでメディアの話そのものに一回戻る。慰安婦問題の中身でなく、メディアの問題として、見てみたい。 改めて考えると、エコノミストの「恥を知れ」発言は、ある意味エコノミストらしいが、もし自分が英メディア界で働いていて、この記事を読んだら、厳しすぎる、と思うかもしれない。自

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  • 安部首相の従軍慰安婦発言 英エコノミスト「恥を知れ」 | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    遅くなったが、安倍首相の従軍慰安婦発言に関し、英メディアの報道を見てみたい。 まず大前提として、英メディアの論調の中では、「日は過去=戦時中にやった残酷な行為を認めていない」、「慰安婦問題も含めた戦時中の事柄に正面から向き合っていない」という認識が広く共有されてきたように思う。これは今回の安倍発言に関する場合だけでなく、私が気づいた時からするともう数年(10年?)にもなる。 第2次世界大戦中、日はアジアで「悪行」を行い、これを十分に清算していないので、中国を始めとするほかのアジア諸国が怒っている、「過去を清算をせよ」、「不正行為を認めて、それから次の段階に進むべき」、今後の良いアジア関係発展のためにも、日が「過去を清算し、和解をすることが大切」という論調だ。 こうした論調や前提はほとんどの英メディアにある。基的に、日は第2次世界大戦でドイツと組んだ敵側にいたことを、英国は決して忘

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  • 「常識が勝った」ガーディアンの勝利? | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    先週の金曜日、英上院資金疑惑に関し、BBCがあるニュースを報道したところ、報道内容が「捜査の進展に関わる」ということで、裁判所が放送差し止めをした、という出来事があった。 この疑惑で裁判所から報道差し止めが入るのは初めてで、この件を裁判所に持ち込んだのがゴールドスミス法務長官だった。 金曜の夜のBBCのニュース番組で、ロビンソン政治記者は、「何もいえない」として、訳のわからない説明をしたものだった。 この件は週末から週明けにかけて、大きな展開があった。新聞各社がそれぞれこのニュースは一体何か?、差し止め命令が出るとは相当なニュースに違いない、とかなり動いたようだ。 そして、昨日、月曜の夜のことだ。ガーディアン紙が記事のドラフトを書き、これを関係者に照会。その関係者(警察など)がまた法務長官に連絡し、またまた裁判沙汰になりそうになったのだ。 ところが、今回、差し止め命令にはならなかった。それ

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  • 「エコノミスト」による日本の司法制度 | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    図書館で「エコノミスト」をめくっていたら、日の痴漢裁判の(映画の)話が載っていて、驚いてしまった。何しろ、見出しが、「日の正義(司法制度):自白しろ」とでも訳せるような記事だったからだ。 この映画に関してはすでに会見が日で開かれていて、ヤフーで以下を見つけた。 周防監督、海外メディアへ熱弁!「痴漢摘発する前に満員電車なくせ」 最新映画「それでもボクはやってない」がヒット中の周防正行監督(50)と主演の加瀬亮(32)が1日、東京・有楽町の日外国特派員協会で海外メディア向けに会見を行った。同作で日の裁判制度のあり方に深く切り込んだ周防監督は、「日でこのようなことが行われているんだという怒りを伝えたかった」と力説。欧米各国の記者を前に約90分間熱弁を繰り広げた。 「再審の決定を1度は下しておきながら、取り消す。裁判時の証拠・証言にある程度疑いがある場合は再審制度を適用するとした白鳥決

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  • フセインの死刑執行の映像を出すべきか、出さざるべきか | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    サダム・フセイン元イラク大統領の死刑執行から数日経った。裁判が公正だったかどうか、死刑にするべきだったどうか、という議論が(少なくとも)英国・欧州では絶えない。そもそも、例えどんな罪を犯したにせよ、死刑という極刑にすること自体に、意図的に人の命を絶つことに、英国・欧州の知識人はとまどいを感じるようだ。これ以前にも、英国の新聞を読んでいると、「米国では(未だに)(野蛮な)死刑が行われているが」という表現をよく目にする。英国紙は米国を皮肉る・馬鹿にするのが一種の趣味というか癖になっているので、こういう表現に接すると、「また出たな」と思ってしまう。(私自身は死刑を感情的に呑み込めないでいる。理論は分からないでもないのだが・・・。) そこで、少しずつだが、今回のフセインの死刑執行を「公正な裁判なしに行われた」「野蛮な行為」「欧米の独裁者で、このような形で死刑執行となった人は誰一人としてないのに」「

    フセインの死刑執行の映像を出すべきか、出さざるべきか | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ
  • サダム・フセインの処刑、迫る | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ by polimediauk

    サダム・フセインの処刑、迫る | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ
  • テロについて考える-1 BBCの番組 | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    ヨルダンでも最近テロがあったが、ロンドン・テロでは「英国で生まれ育った人が、なぜ?」という思いが、多くの英国民の間であったと思う。 これを解明するために、いろいろな番組が作られたが、「自爆テロをする人の中で、特別なタイプはない」、ということで、最終的には「急速にイスラム教過激主義に心酔していった」、「移民2世として、親の母国にも、現在住む国にもアイデンティティーを感じない」、「イラク戦争を含めて、世界中でイスラム教徒が殺されていることに義憤を感じて」、行動を起こした・・・ということになるのだろうが、どうもぴんと来ない部分があった。 つまり、テレビ番組を作っている側の方が、「どうも良く分かっていない」し、見ているほうも、「何となく分からない」という印象があった。 また、一方では、「当のところは、人しか分からない」というのが、誠実で正直な答えなのかもしれない。 昨年夏、「新しいアルカイダ」

    テロについて考える-1 BBCの番組 | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ
  • 写真の修正はどこまで可能か? | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    ロイター通信社に写真を出していたアドナン・ハッジAdnan Hajj氏がベイルート市内での爆撃の様子を写真に撮り(右がオリジナル)、左のように、建物から出る煙をやや強調したのである。 ガーディアンの記事によると、「画像から埃をとるために」ハッジ氏が作業を進めたのだという。 私は、二つ並べたものを見たとき、明らかに違いが分かるので、これはひどい、何と言うことをしたのだろう、と思ったのだが、考えてみると、一体、報道写真の場合、どこまで修正が許されるだろうか? デジタル作業が進展し、特別な技術を必要としなくても、簡単に撮った写真にかなりの手を加えることができるようになった。 実際、自分が撮った写真を新聞用に使う場合、暗く撮れた写真や、ややぼやけた写真などは、フィルムに後ろから光を与える方法でやや明るくしたり、あるいは鮮明さを増すために、よりシャープにする、という作業はよくしていた。シロをクロにす

    写真の修正はどこまで可能か? | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ
    t2-news
    t2-news 2006/08/28
    写真の加工はどこまで許されるのか