東日本大震災で深刻な被害を受けた宮城県石巻市で、「ラジオ石巻」の愛称で親しまれる地元のFM局「石巻コミュニティ放送」が、震災に屈することなく被災者向けの放送を続けている。会社が被災して放送は一時中断したが、市役所の一角を間借りする形で再開。スタッフは「情報を伝えることは私たちの使命」と今日もマイクに向かい、被災地に貴重な情報を届けている。 石巻市役所4階の秘書広報課。奥のスペースにスタジオが設けられている。スタッフ6人で分担し、午前9時から午後6時まで、被災者の安否やライフラインの復旧状況など、現地で最も必要とされている身近な情報を発信している。 「おじいちゃん、放送を聴いたら連絡ください」といったリスナーからのメッセージも繰り返し放送。避難所で過ごす人の名簿を読み上げ、避難所を移れば、その情報も加えて流す。 「むすぶ・つなぐ・地域の輪」をスローガンとした同局は平成9年5月に放送開始。石巻