プロ経営者の松本晃氏は、伊藤忠商事から出向した医療関連の子会社センチュリーメディカルで、後に経営者として必要になった多くのことを学びました。なかでも大きな財産となったのが、人材を採用する経験とそれを通じて養った人材の「目利き力」でした。松本氏は常々、人の大切さを説いていますが、その考えの礎はセンチュリーメディカル時代に築かれたといいます。(前回の記事は「社員を動かす『感謝・表彰・報酬』 営業は完全歩合で」) 採用面接、人任せにせず出向直前の伊藤忠での肩書は課長でした。当時、課長の部下といえばせいぜい7、8人でした。極端な話、課の売り上げを伸ばすことぐらいは僕だけでもできました。実際、伊藤忠時代は、何でもひとりでやっていました。 ところが、センチュリーメディカルでは、そうはいきません。取締役営業本部長として、大所帯の営業部隊を束ねなくてはいけない。僕は現場が好きなので、現場にも顔を出していま