『変身』のグレーゴル・ザムザは虫になっても本人のままなのか。『罪と罰』のラスコーリニコフはなぜ老婆を殺して罪悪感を覚えたのか。自己同一性や道徳の起源など人類永遠のテーマについて著名な哲学者や思想家が答えを出してきた。それは現代自然科学からみたときどれくらい正しいのか。スウェーデンの新鋭が読み解く。
『変身』のグレーゴル・ザムザは虫になっても本人のままなのか。『罪と罰』のラスコーリニコフはなぜ老婆を殺して罪悪感を覚えたのか。自己同一性や道徳の起源など人類永遠のテーマについて著名な哲学者や思想家が答えを出してきた。それは現代自然科学からみたときどれくらい正しいのか。スウェーデンの新鋭が読み解く。
ほぼ命がけサメ図鑑 作者: 沼口麻子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/05/10 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る 前回読んだ、【書評】ドM科学者の異常な愛情『蜂と蟻に刺されてみた』 - Under the roof に続き、また読んでしまった「生物学者の異常な愛情」シリーズ。今度はサメ。 確かにサメは魅力的で面白い生きものだ。 我が茨城県にはサメの展示数日本一を誇る「アクアワールド大洗水族館」があり、巨大水槽で泳ぐサメたちを見るのは本当に素晴らしい。子どもを連れて行ったのに、大人のほうが夢中になって眺めてしまう魅力がある。 で、本書はサメ好きが過ぎて自らを「シャークジャーナリスト」と名乗る著者による、丸々一冊サメについて書かれた本。 生物としてのサメの解説だけではない。「ジャーナリスト」らしい日本や海外の海で実際に潜って調査したサ
タイムトラベル 「時間」の歴史を物語る 作者: ジェイムズグリック,夏目大出版社/メーカー: 柏書房発売日: 2018/08/27メディア: 単行本この商品を含むブログを見る「タイムトラベル」といえばこれを読んでいる多くの人は「あーはいはい」とその意味するところをすぐに理解してくれるだろう。空間のように時間を移動し、未来に行ったり過去に行ったりできるアレのことだ。タイムトラベルは我々の身近にあるものではないけれども、邦画でも洋画でも、漫画でも小説でも「タイムトラベル」が出てくるものはいくらでもあるから、なかなかこの概念を知らぬまま生きるのも難しい。 しかし、この「タイムトラベル」という概念はいつ頃生まれたのだろうか。あまりにもよく知っており、よく(フィクションの中で)用いられているものだから、神話の時代からあるだろうと思ってしまうが、実はその起源はごく浅いと著者はいう。 (……)古代人には
ウィトゲンシュタインの本のなかで、これが最も分かりやすい&面白い(当社比)。 数学という存在を、人の知性の産物である「発明」と捉える人がいる。いっぽうで、人が見出した世界の本質である「発見」と見なす人がいる。この議論は、[『神は数学者か』はスゴ本]にて語ったが、いずれの場合にせよ、数学の限界が(仮に)あるとしたならば、それは人の理性の限界であることは了解していただけるだろう。なぜなら、「発明」であれ「発見」であれ、主語が人である限り、その限界も人に属するからである。 ウィトゲンシュタインの講義は、数学の限界を見極める一方で、数学の底(もともとの了解事項)を明らかにしてくれる。 数学の底? そんなのユークリッド幾何学やヒルベルトの基礎付けを見るまでもなく、「定義」と「形式」でしょうに(あるいはそこから定義づけられる公理系といってもいい)。本書を手にするまでは、そう考えていた。だが、「発明」で
・カップルが一目を気にせず座れる距離は何mなのか ・浮気する男の頭の中では何が起こっているのか ・走っているときにおっぱいはどのように揺れ、ブラはどのようにずれるのか これらはすべて、れっきとした研究者たちによる、れっきとした論文である。なお、それぞれの論文タイトルは以下。 ・「傾斜面に着座するカップルに求められる他者との距離」 ・「婚外恋愛継続時における男性の恋愛関係安定化意味付け作業」 ・「走行中のブラジャー着用時の乳房振動とずれの特性」 どうだろう。学者たちが難しい顔をして、「着座するカップルが」だの、「乳房振動が、ずれが」だのとブラジャーやおっぱいに関する議論を尽くしている様子を想像してほしい。なんともいとおしい気持ちがわいてこないだろうか。自身も研究者であり、お笑い芸人でもあるサンキュータツオ氏の著書『ヘンな論文』(KADOKAWA)は、こういった捨て置けない珍妙な論文ばかりが紹
ニワトリ無くして、人類無し! もし世界からニワトリが消えたなら? きっと各地でパニックが起きるに違いない。鶏肉は牛肉・豚肉などと比べて国際的な生産・消費量が急増しており、とりわけ新興国・途上国での需要がぐんと伸びている。安価で栄養価の高い肉や卵は、多くの庶民の健康を陰で支えてきた。 その膨大な加工食品も含めて、人類にとってますます不可欠な食材となり、成長する巨大都市のエネルギー源にもなっている。 もし私たちが他の惑星へ移住する時がきたならば、最も重要なタンパク源としてニワトリをまず同行させるだろう。実際、NASAはニワトリが惑星間旅行に耐えられるかどうかの実験をしており、可能と結論づけている。 食材だけではない。インフルエンザの世界的流行を食い止めるのにも、ニワトリは重要な役割を担っている。インフルエンザワクチンを作る入れ物として、卵が使われているのだ。 「宇宙船よりも複雑な構造」を持つ卵
1954年生まれ。78年早稲田大学政治経済学部卒業後、ダイヤモンド社入社。「週刊ダイヤモンド」編集長などを経て現職。著書に『複雑系の選択』『めちゃくちゃわかるよ!経済学』(ダイヤモンド社)『浦安図書館を支える人びと』(日本図書館協会)など。 いまこそ読みたい! ダイヤモンド社100年100冊 ダイヤモンド社は2013年5月1日に創立100年を迎えることになりました。雑誌を追う形で始まった書籍事業も、ビジネスジャンルを中心に刊行点数は1万点を優に超えています。 書籍は、その時々の経済環境や流行など世相を色濃く反映しているものが多数を占めますが、時代を超えて読み継いでもらいたい名著が、私達の書棚にはたくさん並んでいます。 本連載は100周年を記念し、普遍の名著と呼ばれる作品から、今だからこそ読みたい隠れた名作まで、有名無名織りまぜた100冊を紹介していきます。ダイヤモンド社が誇るベテラン執筆陣
シビリアンの戦争――デモクラシーが攻撃的になるとき 作者: 三浦瑠麗出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/10/19メディア: 単行本購入: 13人 クリック: 615回この商品を含むブログ (17件) を見る 本書はある種の戦争開始のメカニズムについての本である.著者の三浦瑠麗は東大農学部卒業後,同じく東大の法学政治学研究科の大学院に進み,2010年に法学博士となるというちょっと変わった経歴を持ち,現在は東大政策ビジョン研究センターの特任研究員という若手研究者だ.本書はそれまでの研究成果を生かしたはじめての主著ということで気合いが入った本になっている. 問題意識としては,「これまで関東軍の独走を許した日本や多くの軍事政権の暴走の例をふまえて,一般的に『軍部は基本的に戦争をしたがり,それを抑えるためにシビリアンコントロールが重要だ』と考えられてきている.しかしイラク戦争を見るとこ
「経済学者≒ソフィスト」と冷やかに観察しているが、本書は例外。 なぜなら、後知恵の机上論を分かりよいストーリーに押し込んで一丁あがりにしないから。あらゆる問題を一般原理に還元し、紋切型に落とし込む発想を拒絶するから。解決策はランダム化対照試行(RCT:random control test)によって検証済のものだから。 紋切型の経済学者が唱える「銀の弾丸」はないものの、「こんな状況下でこういう対策を打つと、確かに効果が期待できる」といったシナリオは描ける。面白いことに、そのシナリオを支える理屈は、「いま」「ここ」にも適用できるセオリーであるところ。わたしが貧困の罠に陥っていない理由は、わたし個人の努力よりも、社会システムに依拠しているものが大であることが分かる。見えるもの(社会保険、公衆衛生、教育システム)だけでなく、そこからくる見えないもの(安心、安全)に二重三重に保護された「わたし」が
前の記事 Apple社の新戦略は「おサイフiPhone」? お金が人を幸福にしない理由:心理学実験から 2010年8月18日 サイエンス・テクノロジー コメント: トラックバック (0) フィードサイエンス・テクノロジー Jonah Lehrer 画像はWikimedia お金は、必ずしもわれわれを幸せにはしない。貧困レベルを脱すると、「富のレベル」は「幸せのレベル」にそれほど大きな影響を与えない(特に先進国では)。歴史上最も豊かな国と考えられる21世紀の米国でも、人生に満足できない人たちが増えてきているようだ。 お金と幸福が単純に比例しないということは、「お金はなぜ人を幸福にしないのだろうか?」という興味深い問いを生む。この問いに対して、先ごろ『Psychological Science』誌に発表された研究が、1つの回答を出した。 ベルギーのリエージュ大学の心理学チームが行なったこの研究
一般の人が、数学を本を読んで理解しようとするとき、二つの障壁を乗り越えねばならない。一つは、語られている概念が抽象的であること、そしてもう一つは、それを語っている「言葉」が数式というこれまた「読みにくい言語」だ、ということだ。書き手が後者を突破する道は二者択一である。第一の道は、数式を使わず、極力日常の言語で表現すること。第二の道は、あえて「数式言語の読み方をレクチャーする」ことである。でも、第二の道を選択する書き手はほぼ皆無である。なぜなら、相当しんどい作業になる上、それだけの努力が本の売り上げに貢献するとは考えられないからだ。かくいうぼくも、第二の道を試みたことは一回しかない。それは『文系のための数学教室』講談社現代新書で、「ルベーグ積分」を題材に、積分記号の読解の作法を伝授した部分だ。そこでのメッセージは、「数式には独特の読解の仕方がある。記号を記号のまま受け入れようとせずに、自分の
Hiroshima Peace Site 広島平和記念資料館 日本弁護士連合会 弁護士会も頑張っています! イラクボディカウント イラクで日々、私たちと同じ罪のない民間人が死んでいく 05・12・20早稲田大学文学部でのビラ撒き不当逮捕を許さない 大学にきっちり謝罪させましょう!! News for the people 市民のためのニュースサイト 兵庫県弁護士九条の会 尊敬すべき先輩が参加している会です 弁護士梓澤和幸のページ 表現の自由、外国人の人権に取り組む先輩弁護士のHP 監獄人権センターHP 監獄の中で自由を奪われた人たちの人権に関心を寄せるすべての方々へ 憲法メディアフォーラム 憲法を巡るニュースを発信するサイト アリさんとジェインさんのHP 入管収容施設問題を考える アムネスティ・インターナショナル日本 GPPAC(ジーパック) 「紛争予防」を目的とした、世界的なNGOプロジ
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