古い荷物の中から、こんなのが出てきた。ちなみにこの「きつね」という詩が誰のどんな作品だったかはまったく記憶にございません。 「きつね」 中3C組 29 増田○○ 私は、まず初めにこの詩を読んだ時に、或る一人の青年を連想した。その青年は、平和な社会に飽き飽きし、自分だけが素晴らしい可能性を秘めた存在なのだと信じ込んでいるのである。彼は自分が何処に行き着くのかも知らずに走っている。(それがどんなに虚しい事であるか彼は分からない)しかし、いくら走っても成功は目前に現れては来ない。彼は焦る。しかし彼はまだ幻想を捨て切れずにいる。そして虚しく走り続けているのだ。 「きつね」というのは不思議な動物である。その性格の特徴は、「ずるい」「悪賢い」「孤独」「寂しい」「欲深い」など、他にもまだ沢山あると思う。この青年は或る種の「きつねつき」になっているのではないだろうか。彼は前に挙げたような“きつね的”な錯覚