チームメートの支えの中、2安打を記録したイチロー。決勝ラウンドでの活躍に期待がかかる【Getty Images】 「天国か地獄。上に行けてよかった」(イチロー) 5回の1点がいろいろな意味で大きかった。無死一塁で、イチローがバントを失敗。チャンスはしぼみかけたが、中島裕之が粘って四球で繋ぐと、3番の青木宣親がセンター前へ。二塁から岩村明憲が生還して、ベンチが沸いた。――イチローを除いて。 このときの苦しい胸の内。イチローが明かす。 「3打席目のバントの失敗で、ほぼ折れかけていた心がさらに折れて、僕だけキューバのユニホーム(を着ているよう)に見えた……」 青木のヒットが結果的にバント失敗を消し、救われたイチローは「支えくれてありがとう」と素直に感じたという。 ■「すてき」という言葉に込められた思い 「流れを止めてたのは、完全に僕なんで……」 不振の間は、「監督と目が合うときも痛かっ