コラム：ＪＰモルガン損失の余波、米共和党が戦略練り直しへ［ワシントン １４日 BREAKINGVIEWS］ 米ＪＰモルガンの巨額損失事件は、銀行業界の規制強化を訴える金融規制改革派の政治家に、少なくとも２０億ドル分の論拠を与えた。 共和党政治家は、有力な大統領選候補者のロムニー前マサチューセッツ州知事をはじめとして、米金融規制改革法（ドッド・フランク法）、より具体的には「ボルカー・ルール」条項の骨抜きをめぐる言い回しの再考を迫られる。大手銀行が自行のリスクを管理できると言っても、有権者はもう信用しないだろう。この結果、規制強化の代替策として残るのは銀行分割だ。 ＪＰモルガンのダイモン最高経営責任者（ＣＥＯ）は前週末、チーフ・インベストメント・オフィスにおける損失は融資ポートフォリオのヘッジ取引の失敗に起因すると繰り返し説明した。ヘッジ取引がリスクを減らすのではなく、増やしたわけだ。しかしポートフォリオヘッジはボルカー・ルールの規制対象ではない。
