今回からしばらく、東京電力・福島第一原子力発電所の事故を巡る問題を考えていくことにする。 昨年3月11日の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故は、大変ショッキングな出来事だった。事態はいまだ収束にほど遠い。今、毎日結構な量の放射性物質が事故を起こした原子炉付近から環境中に出ている。それは周囲の汚染状況を考えるとさほと多い量ではない(ひどい話だ)が、事故前に漏洩事故が起きていたら、記者会見で責任者が頭を下げるほどの量だ。そして、事故を起こした原子炉の完全な解体には数十年の月日と莫大な費用がかかることがはっきりしている。 私もまた、3月11日の前は原子力発電について何か意見を持っているわけではなかった。事故が起きてから、かなりあたふたして勉強を始めた次第だ。今だって私には、原子力利用について賛成とも反対とも言い切ることはできない。私の限られた知識では、まだ賛成とも反対とも言えないのであ
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