4月27日の南北朝鮮トップ会談における「融和ムード」は、朝鮮半島情勢を一気に流動化させるほどのインパクトがあった。来たる米朝首脳会談は、その動きを加速させるだろう。そんな中、北東アジアで日本は「蚊帳の外」に置かれつつあると言われるが、今後どう対応すべきなのか。紛争解決学の観点から提言する。 南北朝鮮間のトップ会談は、当事者たちにとってほぼ100点と言ってもいい出来だった。長年争ってきたお隣の同族が和解へ向かうこと自体は、素直に喜ぶべきだ。一方で、一連のプロセスから日本が外されることは、北東アジア全体にとってもマイナスだろう。もしこの融和傾向がしばらく続くとすれば、日本と他の北東アジア諸国との関係性こそが、地域でもっとも深刻な不安定要素となりかねないからだ。 日本と他の諸国との「戦後清算」の問題は、好むと好まざるとにかかわらず、これからも地域の議題に上る。それは、朝鮮半島だけでなく中台間の海