9月の自民党総裁選で、「ポスト安倍」を狙う石破茂・元幹事長の政権批判が熱を帯びている。発信力を強めて世論の支持を集める一方、党内の視線は冷ややかだ。 30日夜、都内であった石破派のパーティー。石破氏は講演の冒頭で総裁選に言及。「無投票であってはならない」としたうえで、「個人の幸せなら望んでやることではないかもしれないが、自分の幸せを捨象(しゃしょう)してでも決断しないといけない時がある」と述べ、立候補への意欲を鮮明にした。 次期総裁にふさわしい人を尋ねる報道各社の世論調査で、石破氏は安倍晋三首相を上回る結果も出る。ただ、自民支持層に限ると首相に水をあけられる。 背景にあるのが石破氏の離党経験と「正論」をぶち上げる姿勢への拒否反応だ。中堅議員は「安倍政権を批判したいだけ」。政権幹部は「自民党員は苦しい時に後ろから弾を撃つタイプを一番嫌う」と指摘する。 包囲網は、連立を組む公明党…