デヴィッド・リーチ監督『アトミック・ブロンド』を見てきた。壁崩壊直前のベルリンを舞台に、イギリスの切れ者スパイ、ローレン(シャーリーズ・セロン)の諜報活動を描いたスパイアクションである。 画像の質感とか撮り方とかは昔風の雰囲気なのだが、展開は典型的な最近のスパイスリラーで、ものすごく入り組んでる。入り組みすぎていてあまり洗練された展開とは言えず、お話じたいはたいしたことないと思う。とくに(ネタバレになるが)ローレンのガールフレンドだったデルフィーヌ(ソフィア・ブテラ)が危険に陥ってからはずいぶんとグダグダだ。 しかしながら、全体的に非常にスタイリッシュなのに生々しい撮り方でローレンの活躍を描写しており、とにかくカッコいいのでそれだけでお金を払う価値はある。ローレンはどこに行くにも完璧な服装で輝くように美しいのだが、行った先で格闘になるとそこからの展開がやたらリアルだ。アクション映画ってボコ