世界初の大群のマグロの展示に成功した東京都葛西臨海水族園(江戸川区)で、異常な事態が起きている。大型水槽で昨年12月からクロマグロなどの死亡が相次ぎ、11月に159匹が泳いでいた水槽も、今はクロマグロ3匹を残すのみに。死んだ個体からはウイルスが検出されたが、種類は特定はできておらず、未知のウイルスの可能性を挙げる専門家もいる。いったい、水族園で何があったのか。(今仲信博) 大きな水槽をマグロがまばらに右往左往… 1月22日に同園を訪れると、入り口には「昨年12月からマグロ類の死亡が続き、展示数が減少しています」という案内文が掲示されていた。クロマグロなどを展示しているのは、直径約30メートルのドーナツ状の大型水槽。昨年11月1日にはクロマグロ69匹と、クロマグロと同じサバ科の仲間のスマ52匹、ハガツオ38匹が飼育され、迫力あるマグロの回遊が人気を呼んでいた。