サントリーホールディングス(HD)は昨年10月1日、ローソンから招聘した新浪剛史氏が社長に就任し、創業家以外が初めて経営トップになる新体制が始動した。 同日、東京・台場のサントリーHD東京本社。大柄な体をグレーのスーツに包んだ新浪氏は、トレードマークの日焼けした顔から真っ白な歯をのぞかせ、第一声を放った。「やってみなはれ」。横浜生まれの新浪に関西弁は似合わないが、失敗を恐れず挑戦を促すこの言葉が大のお気に入りだ。新浪氏は「『やってみなはれ』のスピリットで、ともに挑戦していこう」と社員に呼び掛け、その姿は社員向けの動画サイトにアップされた。 昨年8月に顧問へ就任してから、新浪氏は国内外の拠点を回り、問題点の洗い出しに着手した。必要なのは買収した米ウイスキー大手ビーム(現ビームサントリー)との相乗効果を最大限に引き出すための戦略だ。昨年10月1日、サントリー酒類から分離したビール事業の専業子会