ぼくの住む町に起点をもつ岩手県道30号線は、はじまって数百メートルもすると山のふもとで通行止めになってしまう。ところが地図上では、そこから数キロ先の峠を越えたところで、ふたたび30号線が姿をあらわす。 調べてみると、この道はもともと古い街道だったのだが、県道に指定されたあとも峠部分が整備されないまま残され、途中に通行できない部分を持つ1本の県道になっているらしいのだ。 数年来ふしぎに思っていた道路なので、通行不能区間(だけど県道)がどんな様子なのか、そして本当に通ることができないのか、いって確かめてきた。 (櫻田 智也) 県道30号線とは まず県道30号線は、地図の上でどのように記されていることが多いのか。部屋に貼ってある観光パンフレットの地図がみやすかったので、それで紹介したい。 マジックで地図に直接丸をつけてあるのが、ぼくが住む葛巻という町の中心部だ。岩手県の北部に位置する。そこから西